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「日常生活の中で自分を磨き、不安や苦しみを払拭できるふたつのこと」GINZA CROSSING Talk

塩沼さんが開いた慈眼寺は、葬式をしない、檀家もいないお寺です。「道心の中に衣食あり」という師の教えを守っているということなのですが、その心は?日常生活の中で、たったふたつのことを実践するだけで、見違えるような自分に変わる修行とは?そして、混迷するコロナの時代に私たちはどう生きるべきなのかトークします。


尾河眞樹さん:
一般的に仏教のお寺は檀家を持ち、お布施や寄進などで経営が成り立つといわれますが、慈眼寺は檀家を持たないのです。檀家制度に頼っていることが仏教にとって問題だと塩沼さんは指摘します。

塩沼亮潤さん:
檀家を持つことで年間を通じて収入を得て裕福になると、僧侶は努力をしなくなり、結果的に仏教の弱体化につながることは、徳川家康が作った檀家制度の歴史を振り返っても明らかです。慈眼寺は葬式、先祖供養も行わず、寺としては月に2回の護摩の特別祈祷料と護摩木代、さい銭箱に上がるお供え物で成り立っています。それだけでは運営が大変ですから、私の講演などが収入源となっています。

私が小僧のときに師匠から言われた『道心の中に衣食あり』という教えがあります。道を求める心に衣食は必ず付いてくるから、衣食を求めて寺を経営してはいけないという教えを守っていると、不思議と収入があり、そして、そのまま支出となるため、プラスマイナスゼロで過ごしていけます。人は満たされて幸せになり過ぎると、生活のヒントやアイデアを皆に発信する力が弱まっていくものだと思います。コロナ禍で経営が厳しいお寺の話も聞きますが、逆に今まで安住していた僧侶がよく勉強をして、よく修行をするきっかけとなり、自らを活性化し、良い力が発揮できる方向になるのではないかと考えています。


尾河眞樹さん:
一方、社会に目を向けると、コロナ禍の影響で企業の倒産や失業者も増加。さらには、感染者への差別など、多くの問題が噴出しています。

塩沼亮潤さん:
コロナ禍で経済や差別などの問題が起きていますが、そのような混迷した世の中で最も大事なのは、日本のみならず世界がお互いに共通のテーマでつながっていくことです。日本だけでも地震や津波が起き、世界的には新型コロナウイルス感染症の流行や気候変動の問題を抱えている中で、いまだにリーダーシップを執っていける宗教や国、考え方などが生まれていません。それを皆で探すことが必要です。そこで基本となるのは、利他の心と、足るを知る心です。与えられた環境で欲を出さずに生きていくことを軸に、皆で考えねばならない時代となったと捉えています。

震災時に支え合えていた人々の間に、コロナ禍では差別などの分断が起きています。人間というものは食うに食えない状況に追い込まれると助け合うものなのかもしれません。今はそれぞれの家にいることができ、リモートで仕事が可能となり、余裕がある状況ともいえます。そうなると、人の心にわがままな部分が出てくるのかもしれません。若者と年長者も、お互いの素晴らしいところは認めて尊敬することで、うまくコラボできるのではないのでしょうか。

尾河眞樹さん:
厳しい修行を経て、人々に、より良い生き方を説く塩沼さん。実は私たちにも日常生活の中で不安や苦しみを払拭できる修行があると言います。

塩沼亮潤さん:
皆さんにも日常生活の中で自分を磨き、不安や苦しみを払拭できる修行があります。それはたったふたつのことで実践できます。ひとつ目は、『独りを慎む』。つまり、ひとりの空間、ひとりの時間で自分の行動を律してしっかりと生きるということです。ふたつ目は、怒りや悲しみなど感情の針が振れる瞬間に、深みにはまらないように考えないでおくことです。執着やとらわれを持つと人生を自由に生きられず、楽しむこともできません。悩みを克服するには、捨てきること、忘れきること、許しきることが重要なのです。このふたつを実践すれば1ヶ月後には見違えるような人となっていることでしょう。

ただ、頭でわかっていてもすぐに実践できるものではありません。そのために一生懸命修行をするのです。皆さんも人生の中で、つらいことや苦しいことを背負いながら一歩一歩前に進めばいいのです。どうしたら逃れるか、避けられるかという苦しみ方をするのではなく、その苦しみを生かして内面的なものを磨いていけばいいのです。
終わりの見えないコロナの時代ですが、私は今こそ世界に向けた活動を進めたいと考えています。その上で、松下幸之助の言葉に非常に似ていますが、『衣食足りて礼節を保つ』という言葉を念頭に置いています。良いことをして、悪いことをしないということです。同じ地球の中で、問題が起きた苦しみも、良いことがあった楽しみも、皆で共に分け合いながら生きていくような時代にならないといけないでしょう。

今はたったひとりの思いでもワンクリックで世界に発信できる時代です。良いことを世界へ発信していき、共有し、素晴らしい世界を実現することを目指しています。非常にきれいごとに聞こえますが、松下幸之助もきれいごとを貫いていくことが大事なのだと述べています。人類がそのきれいごとを次々と実践し、5年、10年と続けていけば、良い結果が出てくるでしょう。その共感者が増えることを期待し私も日々取り組んでいきます。

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