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「"シンプルに考える"森川流ビジネス論」GINZA CROSSING Talk

ゲストは元LINE社長で女性向け動画メディア「C CHANNEL」の森川亮社長。日本初のグローバルメディアに発展させるべくチャレンジを続けています。50歳目前でスタートアップに飛び込んだ森川さんの原動力、そして森川流ビジネス論についてクロッシングトークします。


尾河眞樹さん:
ゲストは元LINE社長で、現在は女性向け動画メディア「C Channel」の社長、森川亮さん。ファッション、コスメ、料理などのハウツー動画を提供するC Channelは、さる5月、東証のTOKYO PRO Marketに上場しましたが、起業のいきさつとは?

森川亮さん:
LINE社長の退任発表後、多くのお誘いがありましたが、楽な道を選ぶと若い人に示しがつかず、おじさんでもゼロからできることを見せたい気持ちがありました。「C Channel」は女性向けの動画メディアで、自分とは真逆のかたがターゲットで、「厳しいのでは」とよく言われました。
確かにそうですが、まず動画の時代が来るということは間違いないと考えていました。ターゲットを定める際に、私は常に新しいサービスや事業を手掛けてきたのですが、新しいものに飛びつく層が、若い女性・子どもに多いという傾向がありました。そこで新しいサービスを立ち上げ若い女性に広がれば幅広い事業を行えると考え、女性向け事業にしたのです。

尾河眞樹さん:
ご自身は大学を卒業されて、日本テレビにご就職されたということですが。

森川亮さん:
私は小学校時代に歌手のような仕事をしていて、ピンクレディーさんや五木ひろしさんと一緒に舞台に立った経験もあります。そこから楽器へ転向して最終的にドラムへたどり着いたのですが、シンセサイザーのドラムマシンに負けてしまったのです。テクノロジーが人の仕事を奪うことを痛感し、筑波大学のコンピューター工学でプログラムを勉強しましたが、音楽の道が忘れられず日本テレビに入社しました。

日本テレビでは、当時アナログだった報道のデジタル化を担当。日本で初めてとなる出口調査システムを開発、視聴率の分析システムを作りました。その後、世の中はデジタルシフトすると考え、ソニーへ転職。コンテンツと端末をつなげた新しいインターネットサービスで世の中を変えるという面が、私の生き方とマッチしました。ジョイントベンチャーを立ち上げ、トヨタや東急と、ブロードバンド事業のプラットフォームになる部分を作りました。

それからLINEの前身であるハンゲームジャパンに転職しました。動画よりも先にゲームが来ると思ったからです。オンラインゲームはコミュニケーションツールでもありますが、その活性化とネイバーの検索がうまく融合した結果、スマートフォンのコミュニケーションにたどり着きました。世の中全体もTwitterやFacebookのように実名でのコミュニケーションが伸びていたので、そのチャンスに一気にLINEへ集中したのです。

尾河眞樹さん:
2015年に書き下ろした著書『シンプルに考える』には、LINE時代に培った森川流経営論が満載です。

森川亮さん:
私の著書には事業計画は要らないとあります。日本の場合、大企業ほど一度作った事業計画を変更できませんが、新しいものほど状況は変わります。間違った方へ行かないためにも変更が必要ですし、そうであれば最初は作らなくてもいいのです。また、成功は捨て続けるとも書いています。IT領域は変化が早く、何かひとつ成功しても、それは3年もすれば陳腐化してしまいます。ひとつのプロダクトで長い間勝ち続けるのは難しく、常にバージョンアップしなければいけません。

そして差別化は狙わないというものです。むしろ潜在的なニーズをキャッチして具体化する、そのスピードが差別化につながります。先にシェアを取ることが一番の差別化ですから、私はとにかく早くスタートして、他が追い付けないようにしてきました。お客さまアンケートを採りサービスに落とし込んでいるようでは遅いのです。インターネット進化のプロセスとして、パソコンのサービスがモバイルに適用され、スマートフォンに適用されてきました。このように過去のトレンドをトレースし、歴史から学ぶところも大きいでしょう。LINEも多くのかたが使う分、不満もたくさんあります。ただ、不満を解消するより、もっと良い価値を提供するほうが成長につながるのです。飽きさせないために新しく提供し続けることが重要です。

尾河眞樹さん:
ビジネスの本質をどう捉えているのでしょうか。

森川亮さん: 
私は死ぬまでに次の世代に何かを残したいという思いが強く、それを通じてお金になればいいのではないかと考えています。女性がどうすれば生き生きとできるかをイメージし、そこを支援したいと思っています。それが結果的に、ユーザーやわれわれも、またクライアント・株主もハッピーになれる三方よしのしくみづくりができるかがひとつの勝負です。ただ、やはりシンプルでなければいけません。考えすぎると伝わりづらくなるので、そぎ落とす努力はしています。例えば人を感動させることは難しいですが、本当に良い音楽を作ると皆さんが感動してハッピーになれます。そのように集中することも重要だと思っています。

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