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「日本を元気にする処方箋」GINZA CROSSING Talk

元LINE社長で女性向け動画メディア「C CHANNEL」を展開する森川亮社長の後編。ファッション・コスメなどのハウツー動画を提供し、一躍トレンドメディアへと成長させた森川さん。コロナ禍でありながらもインフルエンサーとブランドをマッチングさせる新事業「Lemon Square」や日本経済新聞社とコラボした新たな動画配信をスタートさせるなど、さらなる成長を促しています。女性が元気になれば日本も元気になる、そう話す森川さんの真意とは?


尾河眞樹さん:
森川さんがいつも持ち歩かれているものは何でしょうか?

森川亮さん:
私は25年間、常に手帳を持ち歩いています。フランクリン・コヴィー氏の「7つの習慣」をもとに、GMOインターネット代表の熊谷正寿氏の夢手帳を組み合わせたものです。10年後にどうなりたいかを逆算して書き込み、その進捗を分析します。LINEが生まれる前は、世界に通じるサービスをつくると書いていました。計画通りにいかないこともありますが、そのときに何をするかが重要です。それが蓄積されてくると、何が起きても怖くなくなります。

尾河眞樹さん:
ターゲットの若い女性に受け入れられるためにした工夫とは?

森川亮さん:
もともとC Channelは女性向けファッション雑誌の置き換えというイメージでした。雑誌を買わなくなれば、スマートフォンがその代わりになるでしょう。初めはファッション雑誌をベースとした動画配信をしていましたが、現在は自社メディアからSNSへかじを切り、ヘアアレンジやメーキャップや料理など、ハウツー形式のものにシフトしています。また、若いかたは最初の1.5秒で動画を見るかどうかを決めますから、テンポよく音楽を付けて、字幕も大きくしています。

さらにマネジメントについてですが、LINE時代は目標に対するスピードや競争力、率直にものを言う文化をつくってきました。しかし、現在は女性の多い職場ですから、競争よりは共生、叱るよりは褒めて伸ばすなど、コミュニケーションの仕方も変えていきました。ただ、一気に10カ国も海外展開をしたのは挑戦しすぎでした。世界でリードする会社は最先端のことをしなければいけないのですが、日本はそこが遅れているのでユーザーが付いてきません。結果的に収益の上がらないものをやめて、私たちの強みにフォーカスする形にしています。

本年9月には日本経済新聞とともにYouTubeチャンネル「newme」を開設しました。働く女性がターゲットで、YouTubeで動画を流し、NIKKEI STYLEで記事にしつつ、その中にまた動画が入っています。ゆくゆくは日本経済新聞のターゲットに合う形で、新しいビジネスモデルをつくりたいと考えています。私の会社では30代の独身女性社員が、両親から結婚しないなら帰ってこいと言われて悩むことがあります。その価値観を変えたいと思いスタートした部分もあります。社員の課題も解決できない社長が、社会の課題など解決できるはずがなく、そこは向き合わなければいけないと思います。

また、4月に「Lemon Square」を立ち上げています。これはナノインフルエンサーとブランドをマッチングさせたプラットフォームです。フォロワー数1万人前後のかたに、ブランド情報を発信していただくサービスです。今後は新規顧客の獲得よりも、今いるお客さまのLTV(ライフタイムバリュー)をどれだけ高められるかが重要です。マーケティング4.0。つまり、ファンマーケティング領域の拡大が狙いです。私の読みでは、これからインフルエンサーが一つの職業になると思っています。直近ではコロナによってアパレルや美容部員の仕事がなくなっていますが、そういったかたがたを派遣している会社と組み、ウェブ接客などのDX化をはじめとして、新しい職業をつくっていきたいと考えています。

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尾河眞樹さん:
日本を元気にしたい。これは森川さんが起業した動機の一つだったといいます。そのわけは。

森川亮さん:
まず私たちがポジティブな情報を発信することで、女性に元気になっていただくのです。それによって新しいチャレンジを応援する女性が増えれば、これからの未来は変わります。次の世代はもっと挑戦しやすくなるのです。海外ではいまだに日本を代表するコンテンツはドラマの「おしん」ですから、日本はもっと楽しくて豊かなことを訴求しなければいけません。海外の女性に発信すると、それが男性にも伝わります。日本に憧れるかたが世界中に増えることも重要です。

また、日本の大企業では儲かっている事業を壊して、次をつくるのは難しいことです。しかし、時代の変化が早くなると、既存の事業が駄目になるのも早くなります。常に新しいものに挑戦できる文化に変わる必要があります。大企業はクラシックのように譜面があり、指揮者がいて、指揮棒にあわせながら演奏しますが、起業はジャズに近いです。譜面すらない世界で、どのように自分のメロディーを奏でるか。私は譜面がないからこそ自由にできると思っています。
とにかく日本を元気にする一番のポイントは、女性が元気になることです。国民の半分は女性ですから、もっと女性が活躍できる環境をつくっていきたいと思います。

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