2022年1月7日(金)、日本時間22時30分に米国で1月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2022年1月 | +45.0 | ||
2021年12月 | +49.0 | +21.0 | |
2021年11月 | +42.5 | +53.1 | +54.6 |
2021年10月 | +52.5 | +19.4 | +31.2 |
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2022年1月 | 4.1 | ||
2021年12月 | 4.5 | 4.2 | |
2021年11月 | 4.7 | 4.6 | 4.6 |
2021年10月 | 5.0 | 4.8 | 4.8 |
出所:時事通信社(2021年12月29日(水)時点)
今月の注目ポイント
ソニーフィナンシャルグループ チーフアナリスト 尾河眞樹
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、資産買入れ額の縮小(テーパリング)ペースを速めることが決まったうえ、メンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)も9月時点の水準から大きく上方修正されるなど、タカ派への傾斜が目立った。
実際、米連邦準備理事会(FRB)がインフレターゲットの指標とするコアPCEデフレーターは、12月が前年比4.7%と、11月の4.1%、市場予想の4.5%をいずれも上回る結果となった。12月のFOMCを受けて、ソニーフィナンシャルグループ株式会社は2022年の米利上げ見通しを6、9、12月の3回に引き上げた。
市場予想も概ね同様の見通しとなっているものの、足下のインフレの高進に加えて、12月の米雇用統計が大きく改善しているようであれば、3月のFOMCでの利上げ観測が高まる、あるいは、先々についても一段とハイペースな利上げを市場が織り込むようになるかもしれない。この場合は、早期の引き締めを嫌気して、初動はリスクオフの円高が進行、しかし低迷する米実質金利によってリスクオフは長続きせず、その後は米株価も回復し、ドル円でも円安地合いに戻っていくと予想する。
パウエルFRB議長は12月のFOMC後の記者会見でテーパリングの加速を決めた理由について「インフレ圧力が高まり、労働市場が急速に改善しているため」と述べた。同議長が注目している「失業率、労働参加率、求人数、賃金、雇用者数」は今回いずれも重要だが、個人的には特に失業率が11月の4.2%からさらに改善するか、また、労働参加率が上昇するかなどに注目している。
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
雇用統計タイムセール
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