2022年3月4日(金)、日本時間22時30分に米国で2月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2022年3月 | +40.0(万人) | ||
2022年2月 | +12.5(万人) | +46.7(万人) | |
2022年1月 | +45.0(万人) | +19.9(万人) | +51.0(万人) |
2021年12月 | +49.0(万人) | +21.0(万人) | +24.9(万人) |
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2022年3月 | 3.9% | ||
2022年2月 | 3.9% | 4.0% | |
2022年1月 | 4.1% | 3.9% | 3.9% |
2021年12月 | 4.5% | 4.2% | 4.2% |
出所:時事通信社(2022年2月25日(金)時点)
今月の注目ポイント
ソニーフィナンシャルグループ チーフアナリスト 尾河眞樹
2月16日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月25、26日開催分)からは、残念ながらこれといって目新しい情報を得ることはできませんでした。主にわかったこととしては、FOMCメンバーは、①2015年の利上げ局面よりも速いペースで政策金利を引き上げなくてはならない可能性があるとみていること、②金融政策の手段としては、あくまで政策金利がメインと考えていること、③米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小(QT)については、年後半から開始することが適当と考えていること、④今後毎回の会合で経済や金融環境について点検し、その都度政策スタンスをアップデートする方針であること、などが挙げられます。
しかし、3月の利上げ幅について25Bpsではなく50Bpsになるのかどうか、あるいは、QTはどの程度のペースで行われ、米長期金利への影響はどのようにみているのかなど、市場参加者が最も関心を寄せていることへの示唆はありませんでした。1月の米経済指標は強いものが目立ったうえ、1月の雇用統計が極めて良好な結果だったこともあり、今回発表される2月の雇用統計にも注目が集まりそうです。
ただ、市場では既に年内6回の利上げが織り込まれており、さらに3月の50Bpsの利上げも約4割織り込まれている状況ですから、むしろ今回は雇用統計が弱い結果となったほうがサプライズとなりそうです。この場合、米長期金利は低下、利上げのペースはさほど速まらないとの見方から、米株価は上昇すると思われます。また、ドル円は仮にヘッドラインが弱ければ直後は下落するも、市場心理の改善により反転上昇すると予想しています。
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
雇用統計タイムセール
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