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米雇用統計・今月の注目ポイント(2022年4月1日発表分)

2022年4月1日(金)、日本時間21時30分に米国で3月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント

ソニーフィナンシャルグループ チーフアナリスト 尾河眞樹

3月16日(米国時間)に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通り25Bpsの利上げが決定されました。注目されていたFOMCメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)では、中央値で22年に計7回の利上げが予想されており、今後毎回のFOMCで25Bpsずつの利上げを実施する可能性が示唆されました。

また、パウエル議長の記者会見では、米国経済の強さが強調され、「労働市場は非常にタイトである」と、労働市場の改善と、賃金の上昇圧力が利上げの背景であることが示されました。それだけに3月の雇用統計が、引き続き強い結果となるかどうかは、市場参加者にとって最大の関心事となるでしょう。米インフレの高進や、2月下旬から激化したウクライナ情勢、対ロ制裁などの影響が、3月の米国経済にどの程度影響を及ぼしているかがポイントとなります。

市場予想では、非農業部門雇用者数が2月の前月比67万人に比べればやや鈍化する一方で、失業率は3.7%と、2月の3.8%からさらに改善する見通しとなっています。パウエル議長が述べた通りの強い結果となるかどうか、また平均時給が2月の前年比5.1%を上回るかどうかといったあたりが見どころとなります。市場では利上げの織り込みが相当程度進んでドル高が進行したため、雇用統計が強かった場合よりも、むしろ弱かった場合のほうが影響はありそうです。弱い結果となれば、パウエル議長の発言とのギャップから、ドルがいったん売られる可能性もあるでしょう。しかし、日米金融政策の格差や原油高による日本の経常収支悪化によって、ドル円は長い目でみれば右肩上がりのトレンドが続きそうです。

プロフィール
尾河眞樹

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン・チェース銀行などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析を担当。2016年8月より現職。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化 (万人)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2022年4月 +40.0(万人)
2022年3月 +42.3(万人) +67.8(万人)
2022年2月 +12.5(万人) +46.7(万人) +48.1(万人)

失業率(%)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2022年4月 3.7%
2022年3月 3.9% 3.8%
2022年2月 3.9% 4.0% 4.0%

出所:時事通信社(2022年3月25日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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