「趣味はなんですか?」と聞くと、「うーん。」としばらく考えた後、「特にありません。」と回答するひとがわりと多くいます。そんなひとは自分のことを「無趣味」というのですが本当にそうでしょうか。
そんな時は質問を変えて「好きなことは何ですか?」とか、「休みの日は何をして過ごすことが多いですか?」と質問をしてみます。すると「アクション映画をみるのが好き。」とか「ミステリーを読むのが好き。」とか「美術館巡りが好き。」と色々な答えが返って来るようになります。
単に好きなだけで、趣味と呼べるほど一生懸命やっていないというのが、「趣味は特にない」と答えた理由なのでしょうが、そもそも趣味は専門性を極めるものではなく楽しむためのものです。趣味に夢中になっているうちに専門家にも負けないくらいの知識を得るケースもありますが、構えることなく積極的に自分の好きなことを趣味として楽しんでみてはいかがでしょうか。
趣味がもたらしてくれること
趣味を持つメリットは、気分転換やストレス解消など、精神的な安定をもたらしてくれることです。オンとオフを切り替え、オフを思い切り楽しむことは、心を安定させ、ひいてはオンを充実させることにつながります。
趣味のことについて話をするのはとても楽しい時間です。できればひとつのテーマで1時間くらい話せるような趣味を持つことができれば理想です。初心者でまだ何もしらないうちは、かなり高いハードルに感じるかもしれませんが、大丈夫です。好きなことであれば、自分で積極的に調べるし、調べたことを覚えるのも早いものです。
また、ビジネスのしがらみがない、年代を超えた友達や知り合いができるのも趣味の醍醐味です。実際、サラリーマンは会社関係以外に親しくしている人のいないひとが多いのです。オンもオフも会社への関与が強いと、会社を離れたときに自分が何者なのか分からなくなってしまいます。
趣味を通じて、自分とは違ったバックグラウンドを持ったひとと出会うことができます。このような出会いにより好奇心が生まれます。そして、もっと何かをしたい、何かを身につけたいという向上心が生まれてくるはずです。
それでも趣味が見つからないひとのために
もしも、趣味がみつからないひとは自分が何をしているときが一番楽しいのかを考えてみるとよいと思います。趣味を分類してみると、以下の3つのカテゴリーに分けることができます。「集める」「体験する」「創る」の3つのうち、一番魅力的に思える事はなんでしょうか。
- 集める趣味
- 体験する趣味
- 創る趣味
集める趣味
コレクションは趣味の王道といえるかもしれません。世の中には様々なコレクターがいます。いくつか例をあげるなら、切手、カード、カメラ、レコードなどです。スニーカーを集めて世界的に有名になった日本人もいます。そして、コレクター向けの専門店もあります。そのような店に行くと同じ趣味を持つひとを紹介され、趣味がきっかけで知り合ったネットワークがひろがる場合もあります。同じ趣味を持つひととは、例え初対面でもすごく盛り上がることがよくあります。
ちなみに、フランクリン・デラノ・ルーズベルト第32代米国大統領の趣味は切手収集だったことはわりと有名な話です。ルーズベルト大統領は切手コレクターを考慮した施策の実行に熱心でした。自分の趣味のために大統領という立場を利用したのですから、これが現代ならば相当たたかれそうですが、大らかな時代でした。
体験する趣味
体験する趣味は幅が広いのが特長です。例えば、テニス、ゴルフ、スノーボード、サーフィンなどのスポーツ全般。楽器の演奏、バイク、旅行、グルメも体験です。ワインコレクターなどは集める趣味でもあり、体験する趣味でもありそうです。
最近では、バイクは移動手段というよりも、趣味性の高い乗り物になりました。夏暑く、冬寒い。雨風を防ぐものもない。移動手段の快適さでは車にどうしても劣りますが、それでもバイクに乗るひとがいます。バイクに乗ることで感じる爽快感は車では決して味わえないものなのです。
創る趣味
趣味で何かを作るひともいます。園芸で花や野菜を育てたり、写真を撮ったり、絵を描いたり、陶芸なども何かを作る趣味といえます。