脳の研究が進み、その仕組みが分かるにつれ、早朝から活動し始めるメリットが分かってきました。目覚めから2~3時間は脳がもっとも活発に動く時間で、何か新しいことを始めるには最適な時間ということです。そんな時間を有効に活用しようと社会人を中心に「朝活」がブームになりました。
年収の高い層ほど朝活をしている割合が多い
ライフネット生命が全国の20歳から39歳のビジネスパーソン1,000名を対象に、2010年に行った調査によると、朝活をしているビジネスパーソンは約4割もいるそうです。
年収600万円以上の層で朝活をしている人の割合は57.7%と高く、年収600万円未満の層の39.6%に比べ、年収の高い人のほうが朝活をしていることが分かります。経営者の中にも朝活というか、早朝から仕事をしている方が多くいるようです。日本電産の永守社長、ファーストリテイリングの柳井社長、イエローハットの鍵山元社長、日産自動車のカルロス・ゴーン社長も朝が早いことで有名です。
また、朝活で何をしているのかというと、最も多かったのが「メールチェックや仕事の準備(47.8%)」、続いて「新聞でニュースをチェックする(43.4%)」、「ネットでニュースをチェックする(39.1%)」でした。
多くの人が朝の時間を活用して仕事を始める前の情報収集や整理をしていることが分かります。アメリカのビジネスエリートのように「パワーブレックファースト」で始業前の時間を使い朝食を食べながら仕事の打ち合わせをしている人は1.2%とまだまだ少数派でした。
参考:ライフネット生命 ビジネスパーソンの朝活に関する調査(ライフネット生命のページに移動します。)
朝活がよいとされる脳の仕組み
脳のゴールデンタイムという言葉を聞いたことがあるでしょうか。それは一日のうちで脳がもっとも活発に動く時間のことを指します。朝目が覚めてから2~3時間が脳のゴールデンタイムと言われているそうです。
なぜ、朝活発に脳が動くのかというと、寝ている間の脳の働きによるのです。前日記憶した情報は睡眠中に脳の中で整理され、短期記憶から長期記憶へ変わるそうです。つまり朝は、記憶がしっかりと整理されている状態なので、脳が新しい情報を受け入れる準備が整っている状態ということなのです。
これが夜になるとどうなるでしょうか。夜はその日に得た情報が未整理のまま脳に蓄積されています。例え同じ人の脳だとしても夜になるとパフォーマンスが落ちてしまうのです。
朝活の続け方
朝活を始めようとやりはじめてもなかなか継続しない人もいるでしょう。そんな人は以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。
眠気が抜けない場合は朝日を浴びる
早起きの習慣がないので目が覚めた後も眠くて仕方ないというひともいるでしょう。こんな時、シャキンと目を覚ますには朝日を浴びることがいいと言われています。
なぜ朝日を浴びると目が覚めるのかというと、朝日のような強い光を浴びることで脳の「松果体(しょうかたい)」と呼ばれる部分が刺激され、睡眠ホルモンの分泌がとまるからなのです。
前日からの準備が大事
朝にちゃんと目を覚まし、やる気のピークをもってくるには、よい睡眠が必要です。そのためには寝る前の過ごし方に注意することも大事です。寝る1時間前にやりたいことと、寝る前にやらないほうがいいことをまとめてみました。
就寝1時間前にやりたいこと
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
ストレッチやヨガでリラックス
寝る前にやらないほうがいいこと
テレビやDVDをみる
インターネットやゲームをする
マンガを読む
プチ朝活から始めよう
とにかく大切なのは実行に移すこと。先ずは朝活をはじめてみましょう。そのとき、一気に大変なことをやり始めるのではなく、例えば英語の音読を10分するとか、10分だけストレッチをするとか、簡単に達成できるハードルを設定してみましょう。この時に感じる小さな達成感が大事です。達成感を積み上げることでポジティブな気持ちになり、朝活へのモチベーションが高まっていくのです。