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大人の学び直し 社会人が大学院で学ぶこと

職業能力開発総合大学校能力開発研究センターの調査によれば、大卒以上の学歴を持つ社会人の約9割が大学院などで「教育を受けたい」、もしくは「教育を受けることに興味がある」と回答しています。このような背景もあり、今や土曜日のキャンパスで社会人と思われる人の姿を見かけることは珍しくないとか。今回は、そんな社会人の学び直しについてまとめてみました。

学び直しする社会人の三つのハードル

文部科学省が行っている学校基本調査によれば、平成26年度の博士・修士・専門職学位課程への社会人入学者数は約18,000人。平成20年の約19,000人をピークに、その後はやや減少傾向にあります。ただ、入学者全体に対する社会人の割合は平成26年度で18.2%。この割合は徐々に増加しているようです。

ただ、実際に大学等で学び直すために入学した社会人は就労者全体の0.03%程度にしか過ぎず、学び直しはまだ珍しいケースだと言えそうです。(平成26年度社会人大学院等への入学者数 1,8万人 ÷ 平成26年度就業者数6,351万人から算出)

文部科学省のレポートである「社会人の学び直しに関する現状等について」に以下のような報告がされています。

社会人の意識調査において、89%の人が、再教育を「受けたい」又は「興味がある」と回答。

社会人の大学院進学の主な障害は「勤務時間が長くて十分な時間がない」、「費用が高すぎる」、「職場の理解を得られない」と回答した者が多い。

社会人の学び直しに関する現状等について(文部科学省のページにリンクします。)

つまり、仕事に必要な知識を更に修得するために大学院などで学習したいと社会人は多くいるものの、「お金」「時間」「職場の理解」という3つがハードルとなっているようです。その中でも今回は、約9割のひとが、社会人が大学院に行くのに「決定的な障害」もしくは、「ある程度の障害」と答えた「お金」について調べてみましょう。

学びたいけどお金がない そんな時、頼りになるのが奨学金と教育ローン

当然のことですが、大学院で学ぶにはお金がかかります。大学院の初年度納入金の相場は、私立大学で80万~180万円、国公立大学では70万~100万円といったところです。もちろん学部、学科により差があるので、大学のWEBサイトなどで確認しましょう。

ちなみに、初年度納入金とは入学した年に支払う学費です。授業料、施設費、実験実習費などが含まれます。この他にも研究のために購入する書籍代が結構かかります。年間で10~20万円程度かかるようです。図書館などで借りられる書籍もありますが、論文を書く時には本は手元にあった方がなにかと便利です。

このようにまとまったお金が必要となる大学院進学ですが、手持ちのお金が少ない場合でも奨学金や教育ローンをうまく活用すれば学費を支払える可能性もあります。

奨学金は、返還義務のある貸与型と、返還義務のない給付型のふたつがあります。給付型の奨学金は成績優秀者を対象とする場合が多いです。対象となった場合は迷わず利用しましょう。奨学金は多くの学生が利用している日本学生支援機構だけでなく、大学、地方自治体などが提供しています。

教育ローンも様々なものがあり充実しています。国の教育ローン、大学と金融機関との提携教育ローン、民間金融機関の教育ローンがあります。返済計画を立てる必要はありますが、貯蓄が少ない場合は活用するのもよいかもしれません。

異業種の人材があつまる大学院でネットワークをつくろう

社会人が大学院で学ぶメリットのひとつとして、学び直したいという高い意識を持った人達との出会いがあるのではないでしょうか。そこでの出会いが後に、仕事上の取引の相手になったり、情報交換できるネットワークになったり、仕事の相談相手になったりといったネットワークにつながることも多いようです。

大学院に行くということは、指導教官や他の院生と学ぶということです。つまり、自分にとって有意義なネットワークをつくるためには、「誰に教えてもらうのか」そして「誰と学ぶのか」を基準にして大学院を選ぶのもひとつの方法かと思います。そこにはどんな先生がいて、どんな学生が集まるのかを事前にリサーチするのもよいかもしれませんね。

学割を使ってちょっぴり学生気分

社会人になっても学び直したいというアカデミックな話題からは離れてしまいますが、大学院生であれば、たとえ社会人として働いていてもお得な学割を使えるところもあります。

たとえば、学割を使うとJRでは運賃が20%安くなります。特急券は割引されません。もちろんグリーン券も同様です。あくまでも学割ですから贅沢はできません。

ソフトウェアにもアカデミックライセンスが用意されている場合があります。特に美大生が利用するようなデザイン系ソフトや、研究結果の集計に使用する統計処理ソフトは学生用のライセンスが充実しています。このようなソフトウェアの定価は高額な場合が多いので学割は助かりますね。

国立美術館には、「国立美術館キャンパスメンバーズ」という制度があります。大学がこの制度に加入すると、在籍する学生や教職員が美術館を無料または割引で観られるサービスです。

条件によって学割が適用されない場合もありますので、個別の対応については各事業者に直接お問合わせください。

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