いよいよ春です。卒業、入社、引越、転職転勤、単身赴任など、新生活が始まるシーズン。特に社会人にとっては、新しい職場、新しい土地での出発など、「これからがんばるぞ!」という期待感と共に、日々、緊張の連続だと思われます。どんなトップアスリートでも、百選錬磨のビジネスパーソンでも重要な場面で緊張はします。自分の緊張度をよく知り『緊張することを味方につける』ことで、自らのパフォーマンスを良い方へ導きましょう。
まず、緊張する自分はカワイイという意識を持つ
仕事でのプレゼンテーション、会議の準備前、プライベートでの大事な話をするとき、初めての場所に行くとき、緊張してしまうという悩みを持っている人は多いと思います。どうすれば、緊張しなくなるか。それは実際には難しいこと。なくそうと焦ることで、余計に緊張してしまいます。おすすめの方法は、「緊張する自分をカワイイ」と思うことです。
これは「緊張している自分が見えている」ということ。自分が見えていれば、冷静になれたり、適切な判断ができます。本来の自分を見失った状態でイライラしていると、正しい判断はできません。たとえば、緊張している自分を鏡に映して予行練習をしてみましょう。恥ずかしかったり、もっとこうすれば良いのにとマイナス面がきっと見つかるはず。そのことで自分の行動を修正することができます。結果的に良いパフォーマンスにつながっていきます。「緊張する自分をカワイイと思う」の利点は、冷静さと修正力なのです。このようなトレーニングは外的イメージトレーニングと呼ばれ、このトレーニングを続けることで、結果的にネガティブ思考を回避することができます。
最適な緊張状態を保つことで、自分の目標を達成する
メンタル関係の書籍で多いテーマが、「リラックスする方法」「ポジティブに考える方法」などがあります。しかし、例えるなら「緊張という薬」は、毒にも薬にもなります。緊張というストレスは、心理的な緊張感を生みます。緊張感が、やる気や集中力を高めることがあります。自ら最適緊張状態を保つことを「システムインテンション」とも言います。ある一定の緊張感が、適度なやる気と集中力を生み出すという考え方です。
例えば、ゴルフの試合中、初日からトップを走っている選手が優勝を意識することは普通です。その際に、2位と差があっても「この差はあってないようなもの、優勝を意識しない」と思うことで、最適な緊張状態をキープできます。このストレスを感じる行動をすることにより、システムインテンションを作り出し、自らの行動や目標を遂行できることにつなげます。
緊張の上げ下げをコントロールすることが大切
緊張を上げることをサイキングアップ、下げることをリラクセーションと言います。緊張を上げたり下げたりすることを、自由にコントロールできたら、いざというときに落ち着いて行動できると思います。緊張状態は、普通なら上がってしまうものです。理想的なのは、勝手に上がってしまうよりも緊張を自分でコントロールする、ということ。
実は、簡単に緊張の上げ下げをコントロールすることができます。「本当は怒りたいのに笑うこと」で、自分にストレスを与えて、適度な緊張感と集中力を作り出します。緊張というストレスは、長所も短所も合わせ持っています。緊張は上げたり下げたり、自分でコントロールすることが大切だ、と理由がわかっていれば、本当は怒りたいのに、笑うといった行動で、感情をコントロールできます。
数回の深呼吸と簡単なストレッチが効果的
緊張や不安を抑える方法として、よく使われるのが深呼吸です。呼吸法は大切で、呼吸の仕方によって、自律神経の働き方が変わり、行動にも差が出てきます。しかし、深呼吸を何回くり返したとしても、緊張や不安がゼロになるわけではありません。ゼロにならないものをゼロにしようとすると、余計に焦ってくるので、何回も深呼吸をしようとします。そうなると、内側への意識に集中してしまい、基本的にネガティブ思考を起こしやすいです。できるだけ外側に注意を向けることで、緊張や不安が相対的に減少します。1回深呼吸をしたら、注意を外側に向けて、簡単なストレッチをするなど、行動することで注意を外側に向けることができます。
緊張をしているなと思ったら...
- 自分はカワイイと思ってみる
- 笑顔を作って鏡で見る
- 1〜3回ぐらいまでの深呼吸
- 簡単なストレッチ...etc.
緊張をすることは、当たり前と考えましょう。自分にとってのベストパフォーマンスのために、良い緊張レベルを維持するには、最大の緊張レベルを100とし、85程度の緊張レベルが良いという風に、自分の緊張レベルを「数値化」する習慣をつけておくと、コントロールしやすいです。新生活に向けて、緊張することの連続かもしれませんが、どれも緊張を味方につける簡単な方法だと思いますので試してみてください。