新入社員で五月病になる人が増えているそうです。スタート早々につまずいたりしないか、不安ですよね。今回は予防策も含めた五月病対処法をご紹介します。
五月病は適応障害の一種
五月病は1960年代の東大駒場キャンパスで生まれたと言われています。1968年にはその年の流行語にもなったそうです。超難関の大学にやっと入った、その開放感から無気力になったのか、大学紛争が盛んな頃ですから大学の実態に絶望したのか。いずれにしても半世紀近く前からある言葉だというのは驚きです。
就職して、一人暮らしが始まって、会社という組織の一員になる。仲間たちとワイワイやっていた学生生活とはまったく違った生活がスタートします。期待感がいっぱいでも、不安もあるでしょう。新しい環境になかなかなじめない、こんなはずじゃないのに、と思っているうちにゴールデンウィークがやってくる。長い休みでこれまでの疲れが一気に出て、どうも調子がよくない。さぁ、連休明けだ、がんばろう!と思ってもやる気が出ない、会社にも行きたくない。
これが五月病へのプロセスです。「病(やまい)」という言葉がついていますが、五月病は病名ではありません。病院に行けば「適応障害」や「軽いうつ病」と診断されることが多いようです。「適応障害」というとなんとなく理解しやすい気もしますね。
ちなみに、五月病という言葉は4月に新生活がスタートする日本だけのもので、海外では通用しません。では、海外には五月病のようなものはない?いえいえ、イギリスにはクリスマス休暇のあとに起こる「January Blues(一月病)」があり、新学期が長い夏休みの後に始まるアメリカには「September Blues」という言葉もあるそうです。なるほど心が「ブルー」になるのですね。
体と行動で判断する五月病チェック
「適応障害」の原因は一言でいってしまうと「ストレス」です。五月病は様々なストレスに対応できずに起こるものなのでしょう。では、具体的にどのような症状が出るのでしょうか?
体に出る症状は
- よく眠れなくなって朝起きるのがツライ
- 特に運動もしていないのに疲労感が強い
- 好きなものも何だかおいしくなく食欲もない
- 時々、胃の痛みがある
日頃の行動は
- 会社の同僚などと関わるのがめんどうになる
- 与えられた仕事をこなすだけで興味を持てない
- わけもなくイライラして集中できない
- おしゃれなどに関心がなくなる
- 趣味のことをいろいろやっても楽しくない
- 朝出勤するのが憂鬱
この中でいくつか当てはまるようならば、五月病の可能性があります。とはいっても深刻に考えることはないのです。五月病の症状は改善しやすいものですし、時間が解決する場合もけっこうあるといわれています。
五月病によく効く!これがあなたの対処法
五月病の話題をこの時期に出したのには理由があります。あらかじめその対処法を知っていれば、万が一なった場合でも長続きすることなく、無理なく抜け出すことが可能になるからです。ここでは特に大切な5つのポイントを紹介しましょう。
大学や高校時代の友だちにすべて吐き出してみよう
一番おすすめしたいのは複数の友だちと会って、思い切りグチを吐き出してみることです。仕事も環境も違う友人といろいろ話しているうちに、自分の視野が狭くなっていたことに気がつくこともあります。なにより友だちと話をしているうちに気持ちがスッキリ晴れてきますよ。
趣味の仲間を作っていろいろ話してみましょう
これも一番目と同じく視野を広くするための工夫です。会社という場所、そこでの仕事があなたにとってのすべてではないことを趣味の仲間たちは教えてくれるはずです。
ストレス発散で心をより軽快にしましょう
症状が軽いようなら、運動や映画や音楽などストレス発散できることをやるだけで解消する場合もあります。カラオケに行ったり旅に出たりも悪くはないのですが、あまりはしゃぎすぎると疲れてしまい、反動が出る可能性もあるので要注意です。
食生活にきちんと気を配りましょう
社会人になると食生活の乱れも気になります。コンビニ弁当やカップ麺ばかりを食べていてはダメ。まずはバナナ1本とヨーグルトなどでもいいですから朝食を毎朝とること。そして、栄養のバランスを考えることです。魚や野菜、大豆製品なども忘れずに。できる範囲でがんばってみましょう。
眠りのリズムを崩さないように
睡眠をしっかり取ることはとても大事なことです。睡眠不足で心身が休まらないとそれだけでストレスが貯まってしまいます。といっても週末に寝貯めをするのは逆効果。なるべく同じ時間に寝て同じ時間に起きることを心がけましょう。
以上のことを知っていれば、五月病解消も難しいことではありません。でも一番いいのは五月病にかからないこと。上の対処法は予防法でもあるので、今のうちから意識してやっておくといいですよ。