通常、外貨預金の取り引きには為替コストがかかります。ぱっと見では少額のように感じますが、外貨を「買う時」・「売る時」のそれぞれでかかるため、利息以上に為替コストがかかり、結果として想像以上に円ベースの受け取り額が少なかったという経験をお持ちのかたもいらっしゃると思います。
さて、ではどうして外貨預金の取り引きには為替コストがかかるのでしょうか?
一般的に、円預金は手数料がかかりません。一方で、円預金から外貨預金に預け入れをする場合、お客さまは円を売って外貨を買うという手続きをすることになります。よって銀行側はリアルタイムで変動する為替相場から外貨を調達したり、専用のシステムや人員を配置したりという背景があり、それらが為替コストとして取り引きに反映されるのです。
ここで、知っていただきたいのは、この為替コストは金融機関によってマチマチだということです。一般的にネット銀行などは為替レートをリアルタイム更新しているため為替コストを比較的低く抑えることができますが、為替レートを一日中固定している銀行などは、為替レートの変動で損失を被らないよう余裕を設ける必要があることから、為替コストが高く設定されていると考えられます。
ところで、外貨預金はわかりにくいのでやりたくないという意見をよくいただきます。わかりにくさのひとつに、金利はパーセント(%)で表示されるのに対して、為替コストは1米ドルあたり○円というように、それぞれの単位(%と円)が異なる点にあるのではないでしょうか。そういう場合は、いくら預けたらいくらで返ってくるのかを手取り金額で考えるとわかりやすくなると思います。
為替コストによる手取り金額の違い
例えば1米ドル=100円のとき、100万円を元手に、米ドル定期を金利1%で1年間預けた場合を例に挙げてみます。それぞれの為替コストに応じたお金の流れは下図のようになります。
<1米ドル=100円で為替レートが変わらなかった場合>
※わかりやすくするため、税金は考慮しておりません。
上図の通り、為替コストは「買う時」と「売る時」の2回かかるため、少しの為替コストの差が、最終的な手取り金額に大きな違いを生むことになります。
買った外貨がそのまま使える
ソニー銀行の外貨預金の大きな特徴は、Sony Bank WALLET を使うことにより、購入した外貨がそのまま使える点にあります(人民元(CNH)、ブラジルレアルは除く)。お客さまが購入した外貨はそのまま外貨の決済に使え、その場合は為替コストがかかりませんので、あらかじめ購入した外貨を余計なコスト・手数料を支払うことなくご利用いただけます。