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米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年10月4日発表分)

2024年10月4日(金)、日本時間21時30分に米国で9月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント
FRBは雇用情勢の急速な悪化に注目

ソニーフィナンシャルグループ 執行役員(金融市場調査部担当) チーフアナリスト 尾河 眞樹

9月18、19日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.5%の大幅利下げが決定されました。しかし、その割に、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見はさほどはハト派的ではなかった印象で、ドル相場もさほど反応せず、むしろ小幅に上昇しました。
パウエル議長のメッセージは、総じて言えば「米国のインフレは減速している一方、個人消費は堅調で、米国経済は良好な状況にあるとFRBは認識しており、現在の状態を維持するために、予防的に0.5%の利下げに踏み切った」ということだと思います。
このため、パウエル議長も、「労働市場がまだ好調な時こそ先手を打って支援を強化すべき」と発言しています。
一方、パウエル議長は記者から、今回0.5%利下げしたのに、なぜ7月のFOMCで政策金利を据え置いたのかについて問われると、7月の雇用統計は大幅に悪化していたため「もしそのデータが7月のFOMC前に手元にあれば、7月に利下げに踏み切っていたかもしれない」と述べました。

インフレ圧力が和らいだ今、FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」というデュアル・マンデート(2つの責務)のうち、雇用に注力していますから、9月の雇用統計も結果次第では、ドル相場に影響を与えそうです。
特に、7月以降は失業率悪化の速度に注目が集まっているため、失業率が前回の4.2%を超えるようであれば、更なる大幅利下げが意識されるでしょう。
当社は、米国経済はソフトランディングを予想しており、市場が織り込んでいるほどの利下げは予想していませんが、雇用統計次第では一時的にドル安が進む可能性もあるため注意が必要です。

プロフィール
尾河 眞樹(おがわ まき)

プロフィール
尾河 眞樹(おがわ まき)

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン・チェース銀行などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析を担当。2016年8月より現職。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。主な著書に『為替ってこんなに面白い!(2024年幻冬舎新書)』、『〈最新版〉本当にわかる為替相場(2023年日本実業出版社)』などがある。ソニー銀行株式会社取締役、ウェルスナビ株式会社取締役。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化
発表年月 予想値 実績値 修正値
2024年10月 +14.0万人
2024年9月 +16.5万人 +14.2万人
2024年8月 +17.5万人 +11.4万人 +8.9万人

失業率
発表年月 予想値 実績値 修正値
2024年10月 4.2%
2024年9月 4.2% 4.2%
2024年8月 4.1% 4.3% 4.3%

出所:時事通信社(2024年9月27日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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過去の記事はこちら

米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年9月6日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年8月2日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年7月5日発表分)

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