2024年11月1日(金)、日本時間21時30分に米国で10月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
今月の注目ポイント
「11月FOMC前最後の雇用統計」
ソニーフィナンシャルグループ 金融市場調査部 シニアアナリスト 森本 淳太郎
前回9月分の雇用統計は、非農業部門雇用者数が25.4万人増と市場予想を上回り、失業率は4.1%と予想に反し前月から低下、平均時給も前月から加速するなど、総じて強い結果となりました。このことが、米国の景気後退への懸念を払拭させており、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待の後退と共に、ドル買い圧力となっています。
ただ、9月の統計には、9月末に米国を襲ったハリケーン「ヘリーン」の影響は含まれていません。今回10月分は、非農業部門雇用者数が12.5万人増、失業率は4.1%と横這いになることが予想されていますが、足元の市場では米国経済に対する楽観的な見方が広がっているだけに、弱い結果となった際のインパクトは大きいことが予想されます。
なお、今回の雇用統計は11月7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前の最後の雇用統計となります。9月のFOMC以降に発表された雇用統計は、前回分と今回分の2回分のみであり、今回分の結果が与える影響は大きいでしょう。市場では、11月と12月の25bpずつの連続利下げがほぼ確実視されていますが(10月17日時点)、今回の結果が利下げ織り込みにどの程度影響を与えるか、要注目です。年内50bpの利下げの可能性が再び意識されるようであれば、ドル売りが急速に強まる可能性が高く、注意が必要です。
プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)
プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)
みずほフィナンシャルグループにて企画業務、法人営業などを経験した後、2019年8月より現職。外国為替市場の調査・分析業務、特にユーロやポンド、スイスフランなどの欧州通貨を専門に担当。TOKYO MX 「Stock Voice 東京マーケットワイド」、日経CNBC「朝エクスプレス」「GINZA CROSSING Talkマーケットニュース」などにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。2013年東京大学経済学部卒。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2024年11月 | +13.2万人 | ||
2024年10月 | +14.8万人 | +25.4万人 | |
2024年9月 | +16.5万人 | +14.2万人 | +15.9万人 |
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2024年11月 | 4.1% | ||
2024年10月 | 4.2% | 4.1% | |
2024年9月 | 4.2% | 4.2% | 4.2% |
出所:時事通信社(2024年10月25日(金)時点)
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
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米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年10月4日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年9月6日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年8月2日発表分)