あなたは、お金をどうやって管理すればいいのか知っていますか?
やりたいことのため、将来のため、子どもの教育のため、老後のため。お金を少しでも多く貯めておいた方がいいと思っても、どうすればいいのかわからないという人が多くいます。
なぜなら、わたしたちは、お金のことについて、特にお金を管理する方法について学ぶ機会があまり多くないからです。多くのかたが、将来や老後について不安があり、お金は貯めておいた方がよいと感じています。それなのに、上手にお金を管理する方法を知る機会が限られています。
財布の紐をギュッと締め、とにかく節約を重ねて質素な生活を送るのが、「お金を管理している」ことではありません。お金の流れを見やすくして、予算通りにお金を使っているのかどうかをチェックし、修正していくことこそがお金を管理していることと言えます。
お金の管理が上手にできれば、無駄遣いが減り、貯蓄が増え、必要なものを買えるようになります。ここでは、そんな方法をわかりやすく解説していきます。
目次
1. お金を管理するうえで大切なこと
お金を管理するうえで大切なことは「収支の把握」「予算を立てる」「具体的に管理する」です。まず、お金の出入りを見やすくして、何にどれくらい使っているのかわかりやすくします。そして、どれくらいお金を使うのか計画を立て、その通りに実行できているかチェックをします。この一連の流れが「お金を管理すること」となります。
2. 収支を把握する
収支を把握するには3つのコツがあります。
- 「支出の分類を理解する」
- 「お金を管理する口座を分ける」
- 「家計簿をつける」
支出の分類を理解する
支出には大きく分けて「消費・投資・浪費」の3種類があります。
それぞれどのような支出なのか確認していきましょう。
- 消費
消費は、生活に必要な支出です。住居費、食費、光熱費、水道費、交通費などがこれに当たります。必ず出ていくものなので固定支出とも呼ばれています。
- 投資
投資は、将来のための支出です。お金をふやすための株式の購入代金などの他に、資格取得のための参考書代やセミナー代など「自己投資」するお金も含まれます。
- 浪費
浪費は、平たく言えば無駄遣いです。たとえば、コンビニに行った際になんとなく買ったお菓子や雑誌代、不必要なブランド品の購入に費やしてしまったお金などです。
お金を管理する口座を分ける
「管理する口座は少ない方がいい」と考え、ひとつの口座しか使っていない人もいるかもしれません。しかし、お金を管理するうえで、お金の流れをしくみ化することは重要です。準備する口座は以下の3つです。
- 収入用口座
会社からの給料など収入を入れる口座です。ここに入ってきたお金を、貯蓄用と支出用の口座へそれぞれ振り分けていきます。
- 貯蓄用口座
貯金用の口座です。貯蓄の目的がいくつかある場合には、複数作っておいてもよいでしょう。収入用の口座にお金が入ってきたらすぐに貯蓄用の口座に移します。
- 支出用口座
固定費や生活費など支出にあてるお金を入れる口座です。
家計簿をつける
毎月のお金の流れを把握するために、家計簿をつけることをオススメします。毎日つけるのが面倒という人は、スマートフォンの家計簿アプリを使うのはいかがでしょうか。買い物レシートを読み込ませるだけで内容を自動で記録してくれるものがあります。また、前月との比較をグラフ化するなど、お金の流れを把握するのに便利な機能もあります。
3. 予算を立てる
お金を上手に管理できる人は、目標をしっかりと立てられる人です。生活に必要なお金は「いくら」で、欲しいものを買うには「いつまでに」「いくら」貯めるのか計画を立てておきましょう。
理想的な支出の割合
消費:投資:浪費は、7:2:1の割合であることが理想的と言われています。生活に必要な部分にはきちんとお金を使い、将来の自分にも投資し、たまには息抜きやご褒美としてお金を使う。このバランスを意識しましょう。
目標と将来の支出(マイホーム・教育費など)
いつまでにいくら貯めたいのか目標を立てましょう。その際は、「◯年後にマイホームの頭金として〇円を貯める」というように、期間と金額を具体的に設定します。
毎月の費目別予算を設定
将来の目標が決定したら、月々に使えるお金についても決めましょう。「食費」「日用品費」「交通費」「医療費」「交際費」などの費目別に、毎月の予算を設定します。これまで費目別予算を意識せずお金を使ってきた場合は、どの費目にいくら設定したらいいのかわかりにくいと思いますが、毎月続けていくうちに感覚がつかめてきて、使いすぎを防げるようになります。
4. 具体的に管理する方法
さて、ここからは、お金を具体的に管理する方法について説明します。
ポイントは、銀行口座や封筒、サイフなどを利用して、お金を目的別に振り分けることです。
給料日に給料を振り分ける
収入用口座に入ってきたお給料は、あらかじめ立てた予算通りに支払い口座、貯蓄口座に振り分けましょう。お金を使ってしまう前に、振り分けることがポイントです。振り分けは給料日に行いましょう。
毎月お金を複数の口座に振り分けるのが面倒とか、忘れてしまう人は、銀行の自動入金サービスを利用するとよいでしょう。たとえば、ソニー銀行の「おまかせ入金サービス」を利用すれば、各金融機関の口座からソニー銀行の普通預金口座に手数料無料で自動的に入金することができます。
生活費は費目別の封筒(サイフ)に入れて管理する
支払口座と貯蓄口座へ振り分けられて残ったお金が当月の生活費です。生活費は予算に応じて費目別の封筒やサイフを用意して振り分けましょう。月末に生活費が残っていれば、貯蓄用口座へ入金しましょう。
5. お金を上手に管理するコツ
お金を管理するといっても、管理、管理って管理ばかりになると窮屈ですよね・・・。
人間、たまには息抜きも必要です。
ここでは、ガチガチに管理するのではなく、ストレスも発散させながら、上手にお金を管理するためのコツを紹介します。
お金の使い方にメリハリをつける
「お金を管理する=節約する」と捉えがちですが、そうではありません。
必要な物、必要な場合にはお金を迷わず使いましょう。たとえば、自分の成長や将来につながる、モチベーションの向上につながるため使うのは必要なお金です。使うべきところには使い、使うべきではないところには使わない、メリハリをつけてお金を使うことが大事です。
ストレス解消のためのお金を予算に組み込む
度を越した浪費はNGですが、自分へのご褒美ゼロというのは、精神的に無理が生じます。そこで、ストレス解消につながる出費は、あらかじめ予算に組み込むようにしましょう。自分にとってのストレス解消法は何か?そのために毎月いくら使うべきか?を考え、毎月の費目に加えます。
クレジットカードの明細を家計簿代わりにする
大きな買い物だけでなく日常の買い物でもクレジットカードを利用すれば、クレジットカードの明細が家計簿代わりになります。レシートを管理したり、家計簿をつけたりすることが難しければ、このような他の方法で管理すればいいのです。
日々の節約のコツ
毎日の生活で実践できる節約方法についても紹介します。
小さなお金も大切にする
お金が貯まらない人ほど、小さなお金を軽く考える傾向があります。少額にこだわっていても意味がないと思っているのかもしれませんね。しかし、節約上手な人は、小さなお金であっても大切に考えます。このような意識や態度が、最終的には大きなお金につながります。
保険料の見直し
固定支出の中から無駄をカットしようと考えた時は、まず保険料を見直しましょう。中には、勧められるままに入った保険をそのまま何年も払い続けている人がいるかもしれません。しかし、必要な保険の内容は家族構成やライフスタイルによって変化するため、改めて見直してみると大きな節約につながることがあります。
嗜好品の節約
煙草やお酒などの嗜好品の支出が、大きな割合を占めているという人はいませんか? 嗜好品は適量であればストレス解消につながりますが、飲みすぎ吸いすぎが原因で、過度な出費の原因になっている場合は、制限してみてはいかがでしょうか。日々の節約につながるのはもちろん、長い目で見れば将来病気になるリスクや医療費をおさえることにもつながります。
毎月の住居費や通信費を見直す
基本的に住居費は給料の3割が適当だとされています。それ以上だと貯金までなかなかお金が回らなくなります。状況によっては、住まいの変更も検討しましょう。
また、今使っている携帯電話やインターネットのプランも見直しましょう。大手キャリアのスマートフォンを利用している人なら、格安SIMに変更することで、月々数千円の節約につながることもあります。
自家用車が本当に必要なのか検討する
車を持っているとガソリン代や駐車場代、自動車税や自動車保険や車検費用などの維持費、時には修理代までかかってしまいます。車を使う頻度が少ないのであれば、思い切って手放すことも節約には有効です。車を所有せずに、必要な場合だけカーシェアリングやレンタカーを利用することで、大きく支出を減らすことも期待できます。
6. 夫婦間でのお金の管理方法
結婚してからのお金の管理方法は、夫婦の間で役割分担を決めるなど、あらかじめルールを決めることが大切です。ここでは、夫婦間でのお金の管理方法をいくつか紹介します。
共同口座で一緒に共同管理する
夫婦の収入用口座を同一にし、共同管理するという方法です。この方法は共働き夫婦に多く見られます。双方が家計支出を把握できるメリットがありますが、反面お互いの残り収入や貯蓄状況が不明になりやすいというデメリットもあります。「月末に黒字が出たら貯蓄用口座に入金する」などルールを明確にしておくことがこの方法を続けていくコツです。
どちらかが一括管理するお小遣い制
妻か夫のどちらかが収入を一括管理し、自由に使えるお金をお小遣いとして分配する方法です。家庭に入ってくるお金と出て行くお金を一元管理できるというメリットがあります。「臨時出費があった場合はどうするか」「飲み会の多い時期はどうするか」など細かなルールを定め、定期的に見直すことがこの方法を続けていくコツです。
費目別に役割分担する
「夫が食費と光熱費を担当」、「妻が家賃と交通費を担当」、など、費目別に夫婦で役割分担する方法です。自分がどこまで払えばよいのかが明確になっている点はメリットですが、どちらか一方に負担が片寄ると不満が生じてしまいます。金額差が大きくなってしまった場合の調整方法をあらかじめ定めておき、定期的にルールを見直すようにしましょう。
貯蓄管理と支出管理で役割分担する
先ほどの費目別ではなく、貯蓄管理と支出管理で役割分担する方法です。たとえば夫が生活費を妻に渡し(妻が支出管理)、残りのお金を自分で管理(夫が貯蓄管理)します。収入額に差がある夫婦に多く見られる方法ですが、妻からは夫の貯蓄額が見えづらく「自分ばっかり好きなことにお金を使って」と不満が募ることもあります。
いかがでしたか?
「お金を管理する方法」などと聞くと難しいかもと思って、身構えてしまいますが、そんなに難しいことではないとわかっていただけたと思います。
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