「普通預金にある程度お金が貯まってきたから定期預金を始めてみようかな」
そう考えたことはありませんか?
また、「定期預金といえば金利がよくて、満期があって・・・」と、それくらいは知っているけれど、詳しくわからないという人はいませんか?
定期預金は、多くの人が知っている預金方法です。しかし身近すぎるので、あらためて詳しく知るチャンスが少ないのも事実です。
そこで今回は定期預金をこれから始めてみようと思うかたに向け、定期預金のしくみや保険制度、始め方、解約方法など、預ける前の注意点についてわかりやすく解説していきます。
目次
1. 定期預金とは
定期預金とは、預け入れから一定期間お金を引き出せない預金のことで、一般的には普通預金よりも金利が高く設定されています。まずは定期預金の基本的なしくみから確認していきましょう。
普通預金よりも高金利
一定期間払い戻しをしないことを条件に、通常は普通預金よりも金利が高くなっています。すぐに使う予定のないお金を銀行に預ける場合は、普通預金よりも定期預金を選ぶことをおすすめします。
預け入れ期間が選べます
銀行にもよりますが定期預金の預け入れ期間は最短で1ヶ月が主流で、それ以外に3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年などを選択することができます。
単利と複利があります
金利には、単利と複利という2種類があります。
- 単利とは
単利は、「預けた元本のみ」につく利息のことです。
たとえば2年満期の定期預金に100万円を預金して、年利が単利10%だった場合(わかりやすく計算しやすいように大きな金利を使っています。実際にこれくらい金利が高いと嬉しいですね!)、利息は以下のようになります。
※以下、簡易に計算するため利息の税金は考慮していません。
1年目の利息 → 10万円
2年目の利息 → 10万円
2年後の預金額 → 120万円
預けた元本100万円に対して10%の利息がつくため、2年目の利息も10万円です。
- 複利とは
複利は「元本+利息」につく利息のことです。
2年満期の定期預金に100万円を預金して、年利が複利10%だった場合、利息は以下のようになります。
1年目の利息 → 10万円
2年目の利息 → 11万円(「元本100万円+前年の利息10万円」に対して利息がつくため)
2年後の預金額 → 121万円
このように、単利より複利のほうが、利息は高くなります。そして、長く預け入れるほどその差は大きくなります。
積立定期預金という選択肢もあります
積立定期預金は、毎月決まった積立日に、決まった積立額が、普通預金口座から自動で積み立てられる定期預金です。
目標額を決めてコツコツと貯めることや、資産づくりの第一歩に適しています。
このとき毎月積み立てる金額は、無理のない範囲に設定するのが続けるコツです。毎月使うお金のことも考えないと「貯めようと思っていたのに、生活費が足りなくて定期を解約してしまった!」なんてことも・・・。
預金保険制度があるので安心です
預金していた金融機関が万が一破綻した場合に、預金者の保護をするために設けられた制度が、2005年4月よりスタートした預金保険制度です。
保護される預金の種類、限度額などが決まっている点には注意が必要ですが、定期預金や普通預金などは1金融機関につき預金者1人あたり元本1千万円までとその利息等が保護されます。
2. 定期預金の注意点
定期預金は普通預金よりも金利が高く、余剰資産を預け入れておくのに適していることがわかりました。ここからは、定期預金をする際の注意点を詳しくみていきましょう。
預け入れ期間と中途解約に注意(中途解約の詳細は4にて記載)
定期預金は普通預金より高い利率が適用される代わりに、預け入れたお金を満期日前に自由に引き出すことは出来ません。急にお金が必要になった場合でも、定期預金のプランによっては中途解約ができないこともあります。中途解約ができる場合でも、利率が下がってしまったり、解約手数料を取られたりするなど、リスクがある点に注意しましょう。
金利変動時は固定金利と変動金利に注意
定期預金の金利タイプには固定金利のほか、一部の金融機関で取り扱いしている変動金利があります。
- 固定金利
固定金利の場合、預入から満期まで金利は変わりません。したがって、満期段階でいくらの利息がもらえるのか目処が立てられるという特徴があります。
- 変動金利
変動金利は定期的に金利を見直すタイプで、金利変動の影響を受けやすいという特徴があります。
金利が上昇している場合は変動金利タイプ、金利が下降している場合は固定金利タイプの定期預金を選択することで、利息が多くなることもあります。ただし将来の予想は難しく、どちらの金利タイプが得だとは一概には言い切れません。預ける期間や金利変動の傾向を確認したうえで選ぶようにしましょう。リスクを分散するため、定期預金預入のタイミングをずらしたり、金利タイプを分散して預け入れたりする方法もあります。
どこに預ける?銀行によって異なる金利設定
定期預金の金利は銀行や、預入期間によって異なります。定期預金を始める時は、条件を比較しながら、自分にあった定期預金を見つけましょう。
定期預金のリスク
定期預金は比較的リスクの少ない金融商品です。強いてリスクを挙げるならば、預入先の銀行の破綻です。リスクを避けるためには、大切なお金を預ける先の経営状況を理解したうえで契約するようにしたいですね。ただし、万が一金融機関が破綻した場合でも、先ほどご覧いただいた預金保険制度により、元本1千万円までとその利息は保護されます。
3. 定期預金の始め方
ここからは、定期預金を始める手順についてご説明していきます。
事前準備
定期預金を始めようと思ったら、まずは預け入れ先を決めましょう。金融機関によって期間や金利が異なるため、情報を集めて比較してみてください。自分の計画や目標に沿った金融機関や定期預金商品を選ぶことが大切です。
定期預金の条件を決める
定期預金の申し込みをする前に決めておきたいのは以下の3点です。
- 預け入れ金額
- 預け入れ期間
- 預け入れ期間後の取り扱い
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
預け入れ金額の設定
預け入れ金額は金融機関ごとに異なりますが、1万円以上1円単位で始められるところが主流です。ご自分が無理なく続けられる金額を設定し、自分にあった定期預金を選びましょう。
預け入れ期間の設定
定期預金は、一般には長く預け入れるほど金利が高くなります。金利水準や今後お金を使う予定などを考慮し、預け入れ期間を選択しましょう。
預け入れ期間経過後の取り扱いを決める
預け入れ期間経過後、つまり満期時の代表的な取り扱い方法は「継続」または「自動解約」です。これは申込時に設定します。
満期時にすぐ使う予定の無いお金であれば「継続」で構いませんが、お金の使いみちが決定している場合は、「自動解約」設定にしておくのがよいでしょう。
また、「継続」には以下の2種類の方法があります。
- 元本自動継続:元本だけを定期預金として自動継続し、利息は普通預金に入金する。
- 元利自動継続:元本と利息をあわせた金額を定期預金として継続する。
口座開設
どの銀行の定期預金にするか、定期預金の条件などを決めたら、口座を開設します。
定期預金の口座開設は店頭でもできますが、ネットバンクを活用することで、窓口まで出向く手間や営業時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで始めることができます。
4. 定期預金を満期前に解約する時は
できれば避けたいものですが、やむを得ずお金が必要になった場合などに、満期前の定期預金を解約する際について見てみましょう。解約方法には、一部解約と中途解約があります。
一部解約とは
預け入れ金の一部の額を解約することです。一部解約した後の残額には、預け入れ時点の金利が適用されることが多いようです。ただし、金融機関によって異なる場合もあるため、解約前に一度確認をしておきましょう。
中途解約とは
満期を迎える前に、預け入れ金全額を解約することを中途解約といいます。中途解約時に受け取る利率は、普通預金金利と比較して低くなる点に注意しましょう。
5. 定期預金以外にオススメの運用方法
ここまでご覧いただいてきた定期預金は比較的リスクの低い金融商品ですが、より効率よくお金を増やしたいかたは、多少のリスクを許容のうえ定期預金以外の運用方法を検討してみるのもよいでしょう。
たとえば米ドル、ユーロなど外国の通貨で預金をする「外貨預金」は為替レートの値動きにより円での受け取り額が増減するリスクがあるものの、金利が円預金よりも高い通貨が多く人気です。また、専門家に運用をおまかせする「投資信託」では最近、年齢や資産状況などの簡単な質問に答えるだけで、最適な運用プランを提示してくれるロボアドバイザーによる運用が人気を博しています。
メインはリスクの低い定期預金、一部はより高いリターンを求めてそれ以外の商品に資産を分散して運用する方法も、あわせて検討してみてはいかがでしょうか。
積み立てで貯めよう!積み立て預金の始め方