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投資信託初心者必見! 投資信託を始める前に知っておくべき基礎知識

投資を始めようと誰かに相談したとき、投資信託が初心者向けだとすすめられたことはありませんか?

それなら簡単だろうと思って調べてみると、「分配金?」とか「ファンドマネージャー?」とか、初めて聞く言葉が多くてとっつきにくいと感じた人はいませんか?

投資信託は、あなたの代わりにプロが運用してくれるので、投資の初心者でも始めやすい金融商品のひとつです。ただ、投資ですから損をする可能性もありますので、何も知らずに投資信託を始めてしまうことは避けましょう。

今回は、これから投資信託を始めたいと考えているかたに、初心者向けの記事を用意しました。投資信託とはどんなものなのか、投資信託のメリットやデメリット、注意すべきポイントや上手な運用のコツまでわかりやすく解説します。

投資信託のしくみやリスクにはどんなことが考えられるのかなどを理解して、上手な資産運用を始めましょう。

  1. 投資信託の基礎知識
  2. 投資信託で失敗しないために注意すること
  3. 上手に運用するためのポイント
  4. リスクを抑えた投資の仕方
  5. 投資信託の始め方

1. 投資信託の基礎知識

投資信託とはどんなしくみなのか、メリットやデメリットなど投資信託の基礎を確認してみましょう。

投資信託とは

投資信託の「信託(しんたく)」は、「信じて託すこと」。つまり、お金の運用を専門家に任せることです。 投資信託は、別名「ファンド」とも呼ばれます。たくさんの投資家からお金を集め、まとまった大きな資金を、運用の専門家である「ファンドマネージャー」がさまざまな資産に分散投資して運用します。

投資信託には多くの種類があり、株式に投資するもの、債券に投資するもの、不動産に投資するもの、それら複数の資産に投資するものも。また、投資対象地域も日本、先進国、新興国、世界中など、さまざまです。

たとえば「日本の株式に投資するファンド」、「世界中の不動産に投資するファンド」など自分の好みにあったファンドさえ選択すれば、実際の運用はファンドマネージャーにおまかせできるのが、投資信託です。

投資信託の利益が出るしくみ

投資信託の利益は、「値上り益(売却益・キャピタルゲイン)」と「分配金(インカムゲイン)」に分けられます。

  • 値上がり益(売却益・キャピタルゲイン)

    一部の例外をのぞき、投資信託は原則いつでも購入や売却ができる商品です。投資信託を購入したときの値段よりも高い値段で売却した際の差益を値上がり益や売却益、またはキャピタルゲインといいます。投資信託の値段である「基準価額」は1日1回計算し公表されます。

  • 分配金(インカムゲイン)

    投資信託はあらかじめ「決算日」が定められています(年に1回、半年ごと、毎月など決算の回数はファンドごとにまちまちです)。決算の際、運用成果として生じた収益の一部が投資家に「分配金」として還元される場合があります。このように売買することなく、ファンドを所有していることで得られた利益のことをインカムゲインといいます。収益分配方針はファンドごとに異なりますので、事前に「目論見書(もくろみしょ)」と呼ばれる投資信託の説明書で確認しておきましょう。

投資信託のメリット

投資信託が初心者向けと言われる理由として、次の3つのメリットがあります。

少額から投資できる

一般的な株式投資や不動産投資は大きな額のまとまった資金が必要となりますが、投資信託は通常1万円前後から、積み立てによる購入なら月々1,000円程度でも買うことができます。少額から投資することができるため、初心者にとっても取り組みやすい点がメリットのひとつです。

分散して投資できる

投資信託は、投資家から集めたたくさんのお金を、多くの投資先に分散して投資しています。たとえば株式に投資するファンドならA社、B社、C社・・・というように数十から数百もの企業に投資しているのが一般的です。このように分散することでリスクも分散、投資先のひとつで損失が出ても全体への影響を軽微なものにできます。

運用をプロに任せられる

投資先の選定からタイミングを見ながらの売買まで、ファンドに集められた資金の運用はすべてプロであるファンドマネージャーが行ってくれます。たとえ自分自身に高度な専門知識や投資を研究するための時間がなくても、プロにおまかせすることで始められる点は大きなメリットです。

投資信託のデメリット

次に、投資信託のデメリットをみてみましょう。

元本割れするリスクがある

投資信託はプロが運用する商品ですが、市況の悪化などにより損失が生じることもある商品です。高度な知識や経験を持つファンドマネージャーでも未来を正確に予測するのは困難ですし、株価全般が軒並み下げているような状況なら、株式の運用で利益を出すのは困難です。たとえ専門家が運用していても、投資信託は元本割れをする可能性もあるリスク商品であることを理解しておきましょう。

費用がかかる

通常の投資信託は購入時、保有期間中、売却時にそれぞれ費用がかかります。ほかの金融商品のコストとは異なる部分がありますので、事前にしっかり確認しておきましょう。

  • 販売手数料(購入時手数料)

    購入する時にかかる手数料で、購入金額の〇%という形で決まるものが多いです。ただし最近は「ノーロードファンド」と呼ばれる、販売手数料が無料のファンドも増えてきました。

  • 信託報酬(運用管理費用)

    信託報酬は、投資信託を保有している間にかかる費用です。運用管理費用と呼ばれる場合もあります。「純資産総額に対して年〇%」という形で自動的に差し引かれます。

  • 信託財産留保額

    投資信託を売却するときは信託財産留保額という費用が売却代金から差し引かれます。
    信託財産留保額とは聞きなれない言葉ですね。たとえば保有者が投資信託を売ると、そのファンドは運用している資産(株や債券など)の一部を売却して現金を用意しなくてはなりません。その際の手数料などを投資信託を売却する投資家自身に信託財産留保額という形で負担してもらっているのです。投資信託によっては信託財産留保額がかからないものもあるので、購入前によく調べておきましょう。

2. 投資信託で失敗しないために注意すること

投資信託で注意すべきことについて、詳しくみてみましょう。

一度に大きな金額を集中投資しない

投資信託の基準価額は日々変動します。購入時よりも値上がりすることもあれば、もちろん値下がりすることもあります。一度に大きな金額をひとつの商品に集中して投資すれば、その分リスクが高くなります。高値づかみを避けるために複数回に分けて購入したり、複数の投資信託に分散投資することでリスク軽減が期待できます。

費用を把握する

上でも触れましたが、投資信託の購入から売却までには、三つの費用がかかります。投資信託が値上がりしたから売却したのに、手数料を引かれたら想像していたよりも利益額が小さくなってしまったということのないように、手数料がどれくらいかかるのかあらかじめ把握しておきましょう。

  • 購入する際にかかる販売手数料
  • 保有している間かかる信託報酬
  • 売却するときにかかる信託財産留保額

運用スタイルの違いを理解する

投資信託はその運用スタイルの違いにより、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2つに大きく分けられます。

  • インデックスファンド

    日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、ニューヨーク・ダウ平均株価など、金融市場には市場の動向を示すさまざまな指数(インデックス)があります。インデックスファンドはこれらの指数と連動した値動きとなることを目指して運用される投資信託です。運用成績は指数(いわば市場の平均)に左右されるため、市場全体の動向が非常に重要になります。

  • アクティブファンド

    ファンドマネージャー独自の戦略、運用方針に基づいて運用されるのがアクティブファンドです。運用成績はファンドマネージャーの手腕に大きく左右されます。一般には市場平均を上回ることを目指して積極的な運用が行われますが、そのぶんリスクも大きめとなります。

なお一般には指数との連動を目指すインデックスファンドのほうが運用の手間が少ないため、信託報酬などのコストは低めとなっています。

流行性のテーマ型ファンドに気をつける

テーマ型ファンドとは、マーケットで話題になっているテーマに関連した株式などで運用される投資信託です。古くは社会資本整備やインターネット、最近ではIT、バイオ、環境など数多くのテーマ型ファンドが登場しています。流行しているテーマ型ファンドは、短期間のうちに上昇することも多い反面、流行のピークが過ぎれば下落するのも速い場合がある点に注意しましょう。

新興国に投資するファンドはリスクを十分把握する

先進国と比べて国民1人あたり所得などの経済水準は低いものの、将来的に高い成長が見込まれる新興国。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)をはじめ、新興国に投資するファンドも数多く設定されていますが、新興国への投資はハイリスク・ハイリターンになりやすい傾向がある点には注意が必要です。新興国市場は規模が小さいために価格変動の振れ幅が大きくなりがちで、中には政情不安など特有の不安要素を抱える国もあります。新興国関連のファンドはこのようなリスクを十分把握したうえで投資することが必要となります。

外貨建て商品のリスクを把握する

海外の株式や海外の債券を投資対象としているファンドは、これら外貨建て資産の評価額が為替レートの変動により目減りするリスクがあります。
例えば1ドルが110円の時に1万ドルの米国債券を購入したとします(日本円での評価額は110万円)。現地での価格は1万ドルのまま変わらなくても、仮に為替レートが111円、112円と円安ドル高になれば、円での評価額は111万円、112万円と増えていきます。その反面、為替レートが109円、108円と円高ドル安になれば、評価額は109万円、108万円と目減りしてしまいます。外国建ての商品を組入れている投資信託は、為替の変動による影響を受けることを覚えておきましょう。

なお、こうした為替の変動による影響を受けないように、「為替ヘッジ」をしている投資信託もあります。

3. 上手に取引するためのポイント

次に、投資信託を上手に取引するためのポイントをみていきましょう。

投資のルールをあらかじめ決めておく

投資信託だけに限らず、投資をする際はリスクを軽減するために、あらかじめ以下のようなルールを決めておくと良いでしょう。

  • 投資予算を決めておく
  • 投資をする期間を決めておく
  • 〇〇%下がったら損切りをするなど、損失が出たときの対処方法を想定しておく

目論見書を読み、内容をよく理解する

購入を検討している投資信託は必ず「目論見書(もくろみしょ)」という説明書を読み、その内容をよく理解しておきましょう。目論見書にはファンドの目的や特色、どのようなリスクがあるか、ファンドにかかる諸費用などが記載されています。そのほか、ファンドについて理解を深めるために金融機関の相談窓口などを活用する方法もあります。確認しておきたい主なポイントは以下のとおりです。

  • 運用方針
  • 投資対象商品
  • 投資対象地域
  • 収益分配方針
  • 費用(販売手数料・信託報酬・信託財産留保額)
  • 過去の運用実績

国の非課税制度を活用する

国は投資活動を活発化させるために、いくつかの非課税制度を設定しています。税制面で大きなメリットを受けられるこれらの制度を積極的に利用しましょう。

NISA

通常、投資信託の売却益や分配金に対しては20.315%の税金がかかりますが、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は一定の条件のもと、これらの利益を非課税にできる制度です。日本国内に住む、20歳以上の人が利用できます。まずNISA専用口座を開設する必要があり、その中における年間120万円までの投資を5年間非課税にできます。

ジュニアNISA

いわばNISAの未成年版、日本国内に住む20歳未満のかたが利用できる制度がジュニアNISAです。ジュニアNISA専用口座内における年間80万円までの投資を5年間非課税にできます。ただしジュニアNISAを利用した投資の利益は非課税ですが、未成年者である本人の代理として二親等以内の親族(両親・祖父母など)が運用管理者となること、本人が18歳となるまで払い出し制限があることが特徴です。

iDeCo

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、日本在住の20歳以上60歳未満のかたが加入できる、自分で作る年金制度です。あらかじめ用意された投資信託や定期預金などを毎月一定額積み立て、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。運用で得た利益を非課税にできるほか、積立金額は所得控除の対象となるので所得税・住民税を節税できるなどのメリットもあります。

ロボアドバイザーの活用も検討してみる

投資信託の商品選びから売買まで自動で運用してくれる、「ロボアドバイザー」を活用する方法があります。利用手数料はかかりますが、資産運用の時間を節約したい人や手続きが面倒な人には便利なサービスといえます。

4. リスクを抑えた投資の仕方

投資を始めたくても、「リスクが怖くて選べない」と考えている人も多いでしょう。ここからは、できるだけリスクを抑えて投資信託とお付き合いしていく方法を紹介します。

投資は余裕資金で行う

投資はすぐに必要なお金では行わず、数年単位で利用する予定のない余裕資金で行うのが基本です。保有している投資信託が仮に一時的な下げに見舞われた場合、時間的に余裕のある資金で投資していれば再び上昇に転じるのを待つこともできますが、何かの支払いに充てる資金で投資していた場合は、損失が出ていても売却して現金化しなくてはならなくなるかもしれません。すぐに必要なお金と投資用のお金は口座を分けて管理しておくと便利でしょう。

投資信託の過去の運用成績を確認する

投資信託の過去の運用成績は、販売会社(銀行、証券会社など)や運用会社(ファンドマネージャーのいる会社)のWebサイトなどで確認できます。そのファンドだけの値動きを見るよりも、たとえば日経平均株価など株価指数の値動き、他のファンドの値動きなどと比較してみると良いでしょう。もちろんこれまで好成績のファンドが今後も好調を続けるとは限りませんが、過去の高値や安値、日々どれぐらいの幅を値動きしているかなどを知ることは大いに参考になります。

積立プランでコツコツ始める

「積み立てプラン」を利用すれば、月々1,000円程度の少額から投資信託を始められます。一度にまとめて大きな額を投資すると高値の時に購入してしまうリスクもありますが、毎月定期的に一定額ずつ購入する積み立ては「買うタイミング」を分散することとなり、このリスクを軽減できます。また、少額から積み立てできる点を活かし、複数のファンドに少額ずつ積み立てるのもリスク分散のうえで有効です。

バランス型投資信託を検討する

「株式だけ」など特定の資産だけに投資するのではなく、そのほかにも債券、不動産、金や原油などのコモディティ(商品)など、複数の異なる資産に分散投資して運用されているファンドがバランス型投資信託です。たとえば米国の株式が大幅な下げに見舞われると世界中の株式がほぼ全面安になるなど、同じ資産では似たような値動きをすることがあります。株式だけで運用されているファンドの場合、こうした下げの影響を大きく受けざるをえませんが、株式以外の異なる資産にも分散投資されているバランス型投資信託ならば下げの影響を軽減することが期待できます。投資信託のメリットの1つである分散投資が徹底されているため、はじめての一本に検討してみるのも良いでしょう。

5. 投資信託の始め方

では、実際に投資信託を始めるにはどのようにすればよいか、具体的にみていきましょう。

ライフプランを設計する(余裕資金で運用する)

上でも触れましたが、投資のための資金は、余裕資金で運用するのが鉄則。これからしばらく使う予定のないお金であること、万が一、損をしてもよいと判断できるお金であることなど、数年から10年ほど先のライフプランを設計しながら取り組みます。

投資信託が買える証券会社、銀行を選ぶ

投資信託を扱っている証券会社や銀行を選びます。ネット専業の金融機関なら、利用する時間と場所を選ばずオンラインで取引ができるため利便性が高いでしょう。ネット銀行の場合、来店用の相談窓口がないため、不安に感じている人もいるかもしれませんが、投資信託の取り引き方法について相談できる専用カスタマーセンターが備えられているところもあります。

口座を開設して注文する

金融機関を選んだら、口座を開設していよいよ投資信託を始めましょう。購入手続きは金融機関ごとに多少異なるので、注文の前によく確認しておきましょう。

いかがでしたか?
今回は、初心者向けに投資信託の基本的な知識についてまとめてみました。投資は、お金が減る可能性があるので怖いと感じる人もいるかもしれませんが、運用でお金を増やすという目的であれば、リスクを完全に避けることはできません。大切なのはリスクを上手に抑える方法を知ることです。今回の記事を参考にして、上手に投資信託に投資をしてみましょう。

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