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木村佳子の「外貨と円の積み立てで資産運用効果を高めよう」

目次

  1. 運用対象を分散してみよう
  2. アクティブな家族をイメージしてみよう
  3. まずは米ドル資産から
  4. おすすめはセット定期
  5. 運用外貨のポイント
  6. 為替変動リスクを軽減するには積立がおすすめ
  7. まとめ

1. 運用対象を分散してみよう

「卵を一つのカゴに盛るな」という格言を聞いたことがありますか?
卵を一つのカゴに盛っておくと、ひっくり返したときにすべての卵が割れてしまうリスクがあるので、複数のカゴに分散しておこうという教えです。この考え方は資産運用のコツを説明するときによく引用されます。

円資産だけ、預貯金一辺倒、というお金との付き合い方を貫いているかたもいると思いますが、ある程度の額が貯まったら、運用対象を分散してみましょう。きっと新しい運用のアイデアや視点が広がってくると思います。

2. アクティブな家族をイメージしてみよう

資産運用を考えるとき、色々な場所で活動するアクティブな家族をイメージしてみましょう。

たとえば、父は地方に単身赴任。母は都市近郊のマイホームを拠点にパートで働いています。長男は高校生のうちからオーストラリアに留学する選択をし、長女はすでにアメリカの大学に進学しているとします。

あるとき、休暇でみんなが顔をそろえました。父は地方都市の状況を家族に語り、母は都市近郊での発見を話します。長男はオーストラリアがどんな国か、長女はアメリカでの体験談を報告します。

日本円1,000円で買える品物が東京以外の地域、オーストラリアやアメリカでならいくらなのか?どの地域の景気が良くて、どの都市の物価が安いのか、何が売れて、観光客はどこの国からが多いのかなど、情報の共有によって各自の視点も広がることでしょう。

全員が日本の一拠点で生活している場合と違って、多様な地域の色々な視点やヒントが得られます。資産運用もこの「家族物語」のように、日本だけでなく、外国資産に分散することで、さまざまな経済効果を高めていくことができるのです。

3. まずは米ドル資産から

世界の基軸通貨は米ドル。世界でもっともおなじみの通貨で、流通量も豊富。だから換金もしやすく、初心者が取り組むにはおすすめの外貨といえます。

現在の金利も日本より高いので、日ごろから貯めておいた円資産にボーナスなどの臨時収入を足して、円と外貨にお金を分散してみましょう。

4. おすすめはセット定期

低金利が続く円預金だけではなかなかお金を殖やせません。そこで外貨との「セット定期」に注目です。円よりも金利の高い外貨、たとえば米ドルと組み合わせることで、効率的に殖やしていくことができます。

セット定期とはソニー銀行で取り扱っているプログラムで、円と外貨の定期預金を同時に申し込むと、円定期の金利が通常よりも上乗せされ、外貨定期の金利と合わせると魅力的な資金運用ができるというもの。

原稿執筆時の10月17日現在、ソニー銀行の「セット定期」で円と米ドル同時定期を申し込んだ場合の6ケ月後のリターンを計算してみましょう。
100万円を用意したと仮定して、75万円を米ドルに6ケ月預金した場合、米ドル定期預金では年2.00%(税引き後 1.593%)となり、75万円に対し手取り53.00米ドルが受け取れます。残り25万円の円定期には通常よりも上乗せされた金利の年1.40%(税引き後 1.115%)が適用され、受取利息は税引き後1,390円となります。

低金利が続く現在、円預金だけに6ケ月預けるだけでは利息で殖やすことが難しいわけですが、セット預金なら、効率的な運用が可能です。例に挙げた100万円の円と米ドルのセット定期の例で、手取り利息の53.00米ドルを1米ドル=112円で日本円に換金したと仮定すると(為替手数料は含めず)、円定期の手取り利息との合算で7,326円にもなり、金利換算すると年間約1.46%で運用できたことになります。

急いでドル資産を円に直さなくてもいい場合はもっと円安が進むまで待つことで、さらなる利回りを期待できます。一方、預金した時よりも円高のタイミングで円に換金した場合などは円ベースで元本割れしてしまうリスクがある点には注意しましょう。

ちなみに、ソニー銀行ではセット定期の申し込みは20万円から受け付けています。

5.運用外貨のポイント

外貨を持つメリットは自国通貨が安くなったとき、保有外貨の値上がりで自国通貨の目減りに備えることができる点ですね。為替差益を得ることで、キャッシュフローも生み出せます。

今よりも将来、自国通貨より強くなる国の通貨と円資産との組み合わせで生まれるメリットを理解し、外貨をどれくらい持つかの比率を検討しながら、実践しましょう。
外貨をどの程度、自分の資産に組み込むかの許容範囲は、仮に為替が円高に振れた場合でも、円安になるまで気にしないで持てる額です。

6. 為替変動リスクを軽減するには積立がおすすめ

ところで、通貨は色々な理由で売られたり買われたりします。

貿易や金融取引をしている企業も業務の一環で外貨を円に換えたり、円をドルに換えたりしています。

これから円が高くなる(すなわち米ドルが安くなる)などの方向性をつかむのはプロでも難しいものですが、個人の場合は時間を味方にした積立でのアプローチで外貨の為替変動を軽減することができます。

金融機関の外貨積立を利用して、毎月一定額を積み立てていきましょう。円高のときには多くの外貨を、円安のときは少ない外貨を自動的に買い付けることで、平均買いコストを平準化することができます。

たとえば「毎月1万円分の米ドルを積み立てる」というふうに、金額を決めて手続しておけば、あとは自動的に金融機関で積立が実行されます。

7. まとめ

  • 基礎固めをしていくために一定量の円資産をコツコツと貯めていきましょう。
  • まとまった金額の円資産ができたら、外貨にもお金を分散してみましょう。円定期と同時に外貨定期も申し込む「セット定期」がぐっとお得でおすすめです。

コツコツと両資産を貯めながら思いがけない円安が発生し、差益が取れそうなときは円に転換して円預金。

また、思いがけない円高が発生したら外貨の買い増しをすれば日本で低金利が続いても、バランスと効率のいい資産運用ができると思います。

ぜひ、実践してみてください。

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【木村佳子 きむらよしこ】

個人の資産運用に強い経済アナリスト。生活経済情報研究所㈱ビューズ代表。
一級FP技能士(国家資格)、NPO法人日本FP協会上級資格CFP。
IFTA(国際テクニカルアナリスト連盟)国際検定テクニカルアナリスト(最上級資格MFTA)。
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(専門職MBA)
日本取引所グルーブ女性講座グランドマスター等で、女性の資産形成を応援するほか、上場企業IRと投資家のニーズを研究テーマとして全国で講演機会が多い。2016年よりNPO法人日本アイアールプランナーズ協会理事長。
著書に自分年金がらくらく作れる「木村佳子のカレンダー投資法」など多数。

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