一般に人生の三大支出とは「子供の教育にかかるお金」「住宅にかかるお金」「老後にかかるお金」をいいます。今回は、これら三大支出にかかるおおよその金額と、その支出を考慮した将来の備えについてお伝えします。
目次
1.人生の三大支出(教育・住宅・老後)はどれぐらい必要?
ひとりあたりの子供の教育費
子供が幼稚園や保育園に上がる頃になると習い事なども始まり、教育費が急に多くなります。その後の小学校、中学校、高校では、入学金や授業料など学校にかかる費用だけでなく、習い事や塾など校外の活動にかかる費用も増えてきます。
平成28年度 子供の学習費調査(文部科学省)によると、保護者が1年間に支出した子供ひとりあたりの学習費総額は以下のようになっています。
- 幼稚園 公立約23万円、私立約48万円
- 小学校 公立約32万円、私立約153万円
- 中学校 公立約48万円、私立約133万円
- 高校(全日制) 公立約45万円、私立約104万円
上記の年間支出をもとに幼稚園(3歳)から高校卒業までの15年間の総額を計算すると、すべて公立に行った場合でも約540万円、すべて私立に行った場合は約1,770万円もの額が必要となります。
続いて大学に進学した場合をみてみましょう。平成29年度 教育費負担の実態調査結果(日本政策金融公庫)から、大学4年間にかかる入学費や在学費用を算出すると以下のようになります。
- 国立大学 約503万円
- 私立文系 約738万円
- 私立理系 約807万円
幼稚園から高校まですべて公立に通い、国立大学に行った場合でも約1,000万円。幼稚園からすべて私立に通い、私立理系の大学に行くと2,600万円ほどかかることになります。
住宅にかかる費用
住宅にかかる費用は、持ち家か賃貸で異なりますが、ここでは住宅を購入した場合についてみていきます。フラット35利用者調査2017年度(住宅金融支援機構)によると、住宅購入にかかる費用の全国平均は約3,537万円でした。新築に限った場合、土地付き注文住宅の購入価格平均は約4,039万円、マンションの購入価格の平均は約4,348万円となっています。
住宅にかかる費用は、購入価格だけではありません。たとえば、3,500万円の住宅ローン(35年固定金利1.4%ボーナス返済なし)を組んだ場合の返済総額は4,430万円です。
その他にも持ち家には税金(固定資産税、都市計画税)がかかります。また、住んでいるうちに家を補修することもあります。マンションの場合は月々の駐車場代や管理費、大規模修繕積立費が必要です。
老後にかかる費用
総務省会計調査報告によれば、高齢無職世帯のうち高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の月間実収入は209,198円です。それに対して、月間支出(非消費支出+消費支出)263,717円であり、月額不足分54,519円と報告されています。
計算を簡単にするために、65歳から男性の平均寿命である約81歳までの16年間分が老後にかかる費用とすると、少なくとも約1,050 万円の蓄えが必要です。
2.将来に向けて計画的な資産形成を
これまでみてきたように、教育・住宅・老後にはそれぞれ大きなお金がかかります。そのため、すぐに使う予定がない時から、将来に向けて計画的に資産づくりをしておく必要があります。
資産づくりのためにはお金を稼ぎ、節約するだけでなく、上手に運用することも大切です。特に現在は空前の超低金利時代が続いているので、預金以外の金融商品なども検討しながらしっかり資産を殖やしていきましょう。
ソニー銀行ブログでは資産運用に関する記事も多数掲載していますので、ぜひご参考ください。