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すべて見せます!仕組み預金の舞台裏

こんにちは。ソニー銀行で仕組み預金づくりを担当しています、ジュンです。

仕組み預金と聞くと、「あやしい」「よくわからない」と思ったりしませんか?

金融工学に基づいた最先端技術で作られる仕組み預金は一見わかりにくい印象がありますが、実はそれほど難しくありません。

今回は仕組み預金の中の「為替リンク預金(円スタート型)」を例に組成の裏側や、お客さまにとってより魅力的な金利を提供するための、ソニー銀行ならではのこだわりなどをご紹介します。

為替リンク預金(円スタート型)のメリット・デメリット

為替リンク預金(円スタート型)は判定日において、募集最終日の13時に決まる為替レート(特約レート)より円高になると、その特約レートで外貨預金に転換される代わりに、通常より高金利を享受できる円預金商品です。

よく「仕組み預金はハイリスク」と言われることがあります。為替リンク預金(円スタート型)の直接的な損失リスクは外貨預金に転換される可能性ですが、これは募集最終日に購入した外貨預金と同じ為替リスクになります。つまり、円高になったときの為替差損です。
一方、外貨預金を購入した場合は円安時に為替差益が発生しますが、この仕組み預金では円安になったときは円預金のまま償還されますので、得られる収益はあらかじめ提示されている高金利に限定されます。

つまり利息収入でカバーできる範囲内(*1)でしか為替相場が動かない場合には、お客さまにとって有利な商品ということになります。

逆に一定以上の円高の場合には利息収入を上回る為替差損が発生し、一定以上の円安の場合にも通常の外貨預金を作成していたなら得られていた為替差益は得られないことになります。

為替リンク預金(円スタート型)の仕組み

為替リンク預金(円スタート型)は、

  1. お客さまからお預かりした円預金(金利はソニー銀行定期預金・期間1ヶ月のもの)
  2. お客さまの為替プットオプション売り

以上2つの組み合わせでできています。

1. はわかりやすいですよね。ご存知のとおり、わが国は空前の超低金利が続いており、円預金だけではなかなか皆さまに魅力的な金利をご提示することができません。

2. は少し難しいかもしれませんが、「判定時点の為替レートが特約レートより円高になると、その特約レートで外貨預金に転換される」部分となります。
ここが通常より高金利を提供できる「仕組み」です。

お客さまは為替リンク預金(円スタート型)を申し込むことで、一定の条件で外貨を購入する義務を引き受ける(専門用語ではプットオプション売りといいます)代わりに、 そのプットオプションを売った対価を受け取ることになります。受け取った対価を元に、通常より高い金利を提供しています。

「為替リンク預金」とは商品名が異なりますが、ソニー銀行に限らず他行でも提供されている為替転換型の仕組み預金は、ほぼ同様のしくみとなっています。

一般的な提供銀行の舞台裏

この 2. を銀行側から見ると、「判定時に円高になれば、そのときの実勢レートより円安な特約レートで外貨預金を預け入れていただける」のですが、円高にならなければ通常の定期預金よりも高い金利(プレミアム)をお支払いしなければならないリスクも抱えています。

そのリスクを低減させるためには、高度な金融工学に基づいた定量的な計測やコントロールを適宜行う必要があるのですが、外資系やメガバンクなど一部をのぞく金融機関では、そのリスクを丸ごと外資系金融機関などへ移転させているところも多いようです。

その際は自身の手数料を確保したうえで移転しますし、リスクを引き受ける外資系金融機関側でも、収益を確保するのが一般的です。逆に言えば丸投げしてしまうことでコストが発生することになるので、その分だけお客さまに高い金利を提供できなくなっています。

ソニー銀行の舞台裏

しかしソニー銀行はそのリスクを外資系金融機関などには移転せず、自ら為替変動リスクをとって運営しています。

自らそのリスクを計測しコントロールすることで、浮いた手数料分をお客さまへ高金利という形で還元する方針なので、同じ組成時期や条件であれば通常、ソニー銀行は他行よりも高い金利をお客さまにご提示できていると思います。(*2)

引き受けたリスクに対してはさまざまなコントロール手法があるのですが、たとえば判定日の為替レートが円高・円安どちらの方向に動いても、判定日までの変動率さえ高まればよい形に変換する手法があります。こうすることでソニー銀行は引き受けた損失可能性を低減するとともに、為替変動による収益をマーケットで追求することができます。もちろん為替が想定したほど動かなければ、お客さまにお支払いした高金利の分だけソニー銀行が損をしますし、最近は特にドル円でその傾向が強いです。

リスクを取らずに丸ごと外資系金融機関などにヘッジすれば、ソニー銀行は確定収益としての手数料を得ることができますが、それではお客さまにより高金利をご提示することはできません。

ソニー銀行は自らリスクを取ってコントロールすることでマーケットに収益機会を見出し、お客さまにはより高金利をご享受いただくための営業努力・工夫を日々行っています。

まとめ

いかがでしょうか。為替リンク預金のしくみと、ソニー銀行の金利水準が他行と比べて魅力的な水準となりやすいしくみがおわかりいただけたと思います。

ソニー銀行では企業理念において「フェアである」ことを掲げており、商品組成におきましてもその精神を徹底しています。また、金融機関とお取り引きいただくお客さまの間の情報格差、いわゆる情報の非対称性を解消することもまたフェアであるためには重要と考え、舞台裏をご紹介させていただきました。

為替リンク預金(円スタート型)は、「判定日までに高金利を上回る円高が発生するとは思わないが、大きく円安に行くこともないと思う」というような先行きの相場を予測して預け入れるかたが多いと思います。

一方で、「目先の相場水準はわからないが、募集最終日の為替水準であれば外貨預金を作成してもいい。その際はできるだけ高金利を得たい」とお考えのかたにもおすすめできる商品です。

商品特性とご自身のリスク許容度等をご勘案のうえ、余裕資金にてお申し込みいただければと思います。

  1. (*1)高金利の範囲内の相場変動については、簡易的には下記数式で算出することができます(円スタート型)。
    変動幅換算額=税込円貨利息額×為替レート(特約レート)÷円元本

    たとえば1ヶ月もの仕組み預金(31日間)の税引き後利率が7.0%、特約レート110.00円、元本100,000円を預け入れた場合の元本割れしない円高水準は、利息額が100,000円(元本)×7%(税後利率)×31(日)÷365(一年間日数)=594円ですので、 594円(利息額)×110.00円(特約レート)÷100,000円=0.6534円 となるため、円高時は110.00円-0.6534円で109.3466円までが利息収入でカバーできる為替差損水準で、円安時は110.00円+0.6534円で110.6534円までが利息収入でカバーできる為替差益水準(得べかりし為替収益)となります。

  2. (*2)今後の相場見通しにより、他行よりも高い金利をご提示できない場合もあります。

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