キャッシュレスって何?
現在、世間ではキャッシュレスが注目を集めています。皆さんも、キャッシュレスという言葉を聞いたことがあると思います。改めてキャッシュレスという言葉を聞くと、何か新しいことが始まったのかと思ってしまう人もいるかと思いますが、何のことはありません。従来、多くの人が利用していたクレジットカードや電子マネー、デビットカードにプリペイドカード、そして今急成長しているQRコード決済の5種類の決済方法のことをキャッシュレスという言葉で表現しているのです。
ちなみに、QRコード決済とは、App StoreかGoogle Playから、利用したいQRコード決済のアプリをダウンロードし、銀行口座やクレジットカードなどの支払い方法を選択。買い物をする際に、自分のスマホ画面にQRコードを表示するか、店側が提示するQRコードを読み取ることで支払いが完了する仕組みです。PayPayや楽天ペイ、LINE Payなどがあり、既に利用している人もいるのではないでしょうか。
こんなにある、キャッシュレスのメリット
そもそも、キャッシュレスにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。まず、メリットの1つがスピーディーに買い物ができることです。基本的にレジ脇の端末にかざしたり、店員にバーコードなどを読み取ってもらうことで決済が終了するので便利と言えるでしょう。
加えて、ポイントや割引クーポン、旅行傷害保険や買い物保険、不正利用の補償、施設の優待などの付帯サービスが利用できます。クレジットカードなどをなぜ利用するのかというアンケート結果を見ると、ポイント還元などによるお得があるからという答えが上位に来ているので、このメリットは大きいと言えます。
ポイントは、利用した金額によってもらうことができ、そのポイントは現金として利用できるタイプが多く、効率的にお得を獲得できます。このお得の度合いを「還元率」という言葉で表しています。一般的なクレジットカードの場合0.5%ですが、最近ではどこで利用しても1%の還元率がつくカードが増えています。例えば、100円の買い物で1ポイントがもらえ、この1ポイントは1円に相当します。月に5万円利用した場合、もらえるポイントは500ポイント、500円相当です。現金で5万円を支払っても何のお得も得られませんが、キャッシュレスのツールを利用することで500円分得することができるのです。
他の付帯サービスで、特筆すべきは保険でしょう。例えば、あるクレジットカードを持っているだけで、旅行中に病気、あるいは万が一のことが起こったときには保険金を受取ることができます。中には、旅行代金をそのカードで払っている場合に対象になるものもあります。
他にも、小銭やレシートでいっぱいになった分厚いお財布を持ち歩かなくて済むメリットがあります。クレジットカードや電子マネーなどをスマホに登録したり、今ドキのQRコード決済などを利用すれば、スマホ一つで外出できるスマートさが多くの人に支持されています。
キャッシュレスのデメリットも要確認
一方、デメリットは、自分の手持ち以上の買い物ができるということで気が大きくなり、お金を使い過ぎてしまうことです。クレジットカードなどのキャッシュレスのツールを利用すれば、当然、財布の中の現金は減りません。自分で使った金額を管理しないと、欲しいままにお金を使ってしまう可能性があります。
お店によっては利用できるカードが限定されている場合があるので、自分が持っているカードがいつでも使えるとは限らないこともあります。もちろん、カードやスマホを紛失すると、その後の再発行の手続きやスマホを買いなおしてカードの登録などをする必要があります。
根強い現金至上主義
これだけキャッシュレスはお得で便利だと言われていても、現金払いが一番だと思っている人がいることも事実です。現金を持っていれば、基本的に使えない場所はないし、買い物などをすれば確実にお財布から現金がなくなるので、本当に必要かどうかを冷静に考えることができ、残高を確認することでお金の管理がしやすくなるなどのメリットはあります。
それでも、実際に欲しいものがあっても、お財布の中にお金がないと買うことができないので、即決で買い物がしにくくなったり、現金をいつも持ち歩いていることで紛失や盗難のリスクはあります。
キャッシュレス・消費者還元事業で注目必至
キャッシュレスは、2019年10月から予定されている消費税増税の還元事業において5%または2%のポイント還元の実施が公表されています。利用しているお店が対象になるのかどうか、自分の支払いツールが本当に利用できるのかなど、キャッシュレスについては、今後も話題となる支払いツールとなることは間違いないでしょう。
【クレジットカード評論家 岩田昭男】
1952年生まれ 早稲田大学卒業後、月刊誌記者などを経て独立。クレジットカードのオピニオンリーダーとして、取材や執筆を行う。