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米雇用統計・今月の注目ポイント(2021年4月2日発表分)

2021年4月2日(金)、日本時間21時30分に米国で3月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けいたします。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化 (万人)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2021年4月 +50.0
2021年3月 +18.2 +37.9
2021年2月 +5.0 +4.9 +16.6
2021年1月 +7.1 ▲14.0 ▲22.7

失業率(%)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2021年4月 6.1
2021年3月 6.3 6.2
2021年2月 6.7 6.3 6.3
2021年1月 6.8 6.7 6.7

出所:Bloomberg2021324日時点)

今月の注目ポイント(ソニーフィナンシャルホールディングス チーフアナリスト 尾河眞樹)

米国経済は回復基調が鮮明になっている。米国政府はワクチンの普及を急いでおり、少なくとも1回接種した国民の割合は20%を超えてきた。加えてバイデン政権の大型の追加経済対策も成立。これらを受けて企業や個人のマインドは一段と改善し、ほぼV字回復の様相を呈している。こうした中、雇用については、非農業部門雇用者数が昨年12月に前月比でマイナスに落ち込んだ後、1月は16.6万人、2月は37.9万人と順調に回復しており、テキサスの寒波の影響も限られそうだ。まずは3月の雇用統計で、この雇用増加傾向が維持されるか注目したい。

また、3月16、17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレと雇用がまだFRBの目標に達していないことを挙げ、当面は現行の緩和政策を維持する考えを示した。失業率は低下傾向だが引き続き6.2%と高く、これが一段と低下するかも注目したいところ。このところ、FRBの緩和からの出口戦略を折り込む形で米長期金利が上昇しているが、全体として雇用統計の大幅な改善が示されれば、一段の金利上昇につながりドル高が進む可能性もある。


米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測る上で重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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