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雇用統計・今月の注目ポイント(2021年6月4日発表分)

2021年6月4日(金)、日本時間21時30分に米国で5月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化 (万人)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2021年6月 +62.1
2021年5月 +88.8 +26.6
2021年4月 +50.0 +91.6 +77.0
2021年3月 +18.2 +37.9 +46.8

失業率(%)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2021年6月 5.9
2021年5月 5.8 6.1
2021年4月 6.1 6.0 6.0
2021年3月 6.3 6.2 6.2

出所:ロイター(2021年5月28日時点)

今月の注目ポイント(ソニーフィナンシャルホールディングス チーフアナリスト 尾河眞樹)

5月19日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC・4月開催分)の議事要旨によって、5月の米雇用統計に対する注目度は一気に高まったと言えるでしょう。同議事要旨には、「幾人かのFOMCメンバーは、米経済が急速に回復した場合、今後資産購入ペースを調整する『テーパリング』の検討を始めるべきではないか、と提案した」という趣旨の記載がありました。

このところFOMCメンバーからは現状の緩和を維持する姿勢、いわゆる「ハト派」寄りの発言が目立っていましたが、それにも関わらず、予想以上に早いタイミングでFOMC議事要旨に「テーパリングの議論」について掲載されたと言えます。前回、4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比100万人増加との市場予想に対して、同26万6000人増に留まるなど冴えない結果となりました。今回、5月の雇用統計は、60万人前後の大幅な雇用増が予想されています。

仮にこうした予想を上回るような良好な結果となり、失業率も6.0%を割り込むなどすれば、6月15、16日のFOMCで、声明文にテーパリングに関する何等かの文言が加えられるか、あるいはパウエル議長が会見で、将来のテーパリングの可能性に言及するかもしれません。こうなると、金融緩和からの出口が意識され、米長期金利が上昇し、ドル高が進むことになりそうです。

一方で、雇用が市場予想を大幅に上回るなど強すぎる結果になると、今度は利上げ、つまり「金融引き締め」が早まるとの警戒感から、米株価が下落する恐れもあります。この場合、クロス円で全般的に円高が進行するなどの影響があるかもしれませんので注意が必要です。

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測る上で重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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