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ファイナンシャルプランナーのハワイ旅行記2022年GW編(FP相談室)

いよいよ夏本番、「そろそろ海外旅行を」とお考えのかたも多いのではないでしょうか。そこで今回は、今年2022年のゴールデンウィークにハワイ旅行にお出かけになったファイナンシャルプランナーのMaxさんに体験談と旅行事情をお聞きしました(ブログ編集部)。

目次

事前準備:航空券の手配とPCR検査

ポイント
・日本時間2022年6月12日(日)以降の米国(ハワイ州含む)行きのフライトは渡航時のPCR陰性証明書が不要に。
・米国へ入国する18歳以上の外国人渡航者は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を3回完了していることが入国の必須条件

少しコロナが落ち着いてきたので、GWに子どもたちをどこかに連れて行きたいと考え始めたとき、ハワイの入国規制緩和のニュースが目に留まりました。調べてみると、いつもお世話になっているハワイの宿泊先には余裕があり、久しぶりの海外旅行が実現するかもしれないという喜びから、勢いで宿泊先の手配をしました。

その後、航空券の手配を始めたところ、当時は便数が減らされており、航空券を予約するのが一苦労でした。先に航空券から手配すべきでした。

さらに大変だったのが、日本出国時と帰国時にそれぞれ必要なPCR検査による新型コロナの陰性証明書でした。旅行者に対する英訳付きの陰性証明を出してくれる検査は非常に高額で、家族全員分となれば、大きな出費になります。円安も進み物価上昇も懸念される中での旅行ですから、できるだけ検査費は安く抑えたい。そこで妻が必死に調べてくれたのが、無料検査で陰性証明が発行されるか、渡航の書類として活用できるかどうかでした。幸いPCR検査と陰性証明を無料で受け、渡航することができました。

先日、米国への渡航者に課していた新型コロナウイルス陰性証明書の提示義務を撤廃する発表がありました。これに伴い、日本時間2022年6月12日(日)以降の米国(ハワイ州含む)行きのフライトは、渡航時のPCR陰性証明書が不要となりました。ただし、米国へ入国する18歳以上の外国人渡航者は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を3回完了していることが入国の必須条件となります。この新型コロナウイルスワクチン接種証明は各自治体から出してもらうものなので、時間に余裕を持って手続きをする必要があります。ワクチン接種証明書にはQRコードがついており、スマートフォンで読み込むことによって、素早く提示することも可能です。

さらにESTA(エスタ・電子渡航認証システム)の申請が必要なかたも多いと思います。しばらくアメリカ旅行に行っていないと、ESTAが切れていることもあるので、特に個人手配での旅行のかたは注意が必要です。このようにコロナ以前より事前準備ですることが多くなっています。

航空運賃:サーチャージは値上がり傾向

ポイント
・航空運賃は格安なものも増えてきたが、サーチャージは値上がり傾向なので要注意

ところで気になるのが、航空運賃です。JALでは東京-ホノルル線で往復55,000円~と通常より安い金額設定のものもあります。そしてこの夏は東京-ホノルル線のみではなく、コナへの就航や、関西国際空港や中部国際空港セントレアからのフライトも順次再開される見通しです。

航空運賃は格安のものも増えてきましたが、航空運賃に加算されるサーチャージには注意が必要です。どの航空会社でもあまり差はないようですが、たとえばANAは2022年8月1日(月)発券分より23,800円から31,100円に値上がりの予定です。金額が大きく変わるため、すでに夏の旅程が決まっているかたは7月中に発券まで済ませてしまうとよいでしょう。このサーチャージはハワイ旅行に限らず、海外への路線すべてに同じ周期で見直されていますので、渡航プランを検討する際は事前のチェックがおすすめです。

主要な日本~ハワイ路線直行便のサーチャージ(片道)
4/1~5/31発券分 6/1~7/31発券分 8/1/~9/30発券分
JAL 12,700円 23,600円 30,500円
ANA 12,500円 23,800円 31,100円
ハワイアン 12,700円 23,600円 30,500円

この他に航空保険特別料金
航空保険料の高騰および航空保安強化による費用増に伴い、片道400円必要

日本から約8時間の長いフライトが終わり、ハワイに到着してまずビックリしたのが、アメリカ入国時の審査の待ち時間の短さでした。以前は到着してから2時間以上も空港から出られないこともありましたが、今回はGWが始まる4月末であったにもかかわらず、ホノルル空港の入国審査の長蛇の列を見ることなく、スムーズに入国できました。今回はハワイへの日本人渡航者数が例年の1割~2割程度だったのでそれも頷けます。そのうえ近年は入国審査の自動機(この機械はキヨスクと呼ばれています)の導入もあり、待ち時間の短縮が進んでいます。

普段は遊園地のアトラクション待ちのような長蛇の列で、入国するため預けた荷物をターンテーブルからピックアップするのにも間に合わず、すでに並べられた荷物を探し出すのですが、今回は荷物がターンテーブルに出てくるのを待ったくらいです。

ハワイを歩いた感想

ポイント
・GW中はアメリカ本土からの観光客が多く、日本人観光客はまばら
・コロナ前と比較すると、ホテルなどの日本語対応ブースのスタッフが減少しているなど、日本語の案内は減っている

コロナの感染拡大以前は毎年のようにワイキキの街を歩いてきましたが、メイン通りのカラカウア通りではいつも日本語が溢れるように聞こえ「ここは本当にアメリカか?」と海外にいるとは思えないほどでした。しかし今回はほとんど日本語を聞くことがなく、以前は日本人で溢れかえっていたアメリカ最大級のショッピングモールのアラモアナセンターですら、日本人観光客と思われる人はまばらでした。圧倒的にアメリカ本土からの観光客が多かったように思います。

コロナで日本からの観光客が減ったことが影響しているのか、日本食レストランは営業しているのかわからないほどでした。ホテルや街中の日本語対応ブースも日本人スタッフが減っていて、「このコロナで解雇された人も多く、現地採用の日本人スタッフもずいぶん数が少なくなった。帰国した人もたくさんいる」ということでした。確かに、日系企業の店舗やブースでも日本語での案内は減っていたように思います。

物価と円安(消費者物価指数)

ポイント
・物価上昇を感じたのはレストランやカフェ。コロナ前よりも10%程度値上がりしている感じ。
・消費者物価指数では、ガソリン代が前年より37.7%上昇。レンタカーでの観光は負担増に。
・The Bus の運賃は2022年7月1日(金)から3ドルに値上げ(それまでは2ドル75セント)。
・食事はテイクアウトを上手に利用して、チップ分を節約

仕事柄、常日頃アメリカの物価上昇と円安の情報を追っているので、このGWは覚悟してハワイに向かいましたが、滞在している間は驚くほどの物価上昇は感じませんでした。円安を理由に、妻の大きな買い物は回避することができましたが、やはり妻のショッピングを止めることはできません。いろいろなところにショッピングに出かけましたが、衣服に関しては、値段に以前と大きな違いは感じませんでした。

以前との違いを感じたのは、レストランやカフェ、そして食料品や生活雑貨です。レストランに関しては、コロナ前より10%程度値上がりしているような感じでしたが、そもそも観光地であるため、想定内の価格設定でした。

これはGW中に私が感じた物価への印象ですが、ここで実際にハワイと日本の消費者物価指数の動向を見てみましょう。ハワイの物価は2021年の3月頃から上がり始めます。この頃の指数はすべての項目で前年同月比1.8%の上昇でした。これが2022年5月には前年同月比7.0%の上昇なので、この約1年の間にハワイの物価はかなり上がったことになります。これに対し同じ2022年5月の日本は前年同月比2.5%の上昇なので、いかにハワイの物価が大幅に上昇したかがわかります。

ただ、実際に旅行でハワイを訪れるのであれば、短期滞在となるので生鮮食品を買うことも少なく、エネルギーもホテル代金に含まれるので、旅行者としての物価上昇率は4.3%(生鮮食品とエネルギーを除くすべての項目)とすれば、「少し物価が高いかな」程度に感じるかもしれません。

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ただし、レンタカーでドライブを楽しんだらガソリン代は前年比の37.7%となるので懐は痛むかもしれません。GW中、私たちはレンタカー代も通常より割高に感じましたし、帰国時のPCR検査費用のためにも節約したいと思ったので、今回の旅では思い切ってレンタカーを使用せず、移動にはトロリーとバス、ウーバーを多用しました。

なお2022年7月1日(金)よりハワイの路線バスの「The Bus」も大人の1回分の運賃がそれまでの2ドル75セントから3ドルに値上がりとなりました。

ハワイの5月の主な品目別物価上昇率
2021年5月からの変化 2022年3月からの変化
全項目 7.0% 1.6%
食料品全体 8.7% 0.9%
肉・魚・卵 11.8% 1.7%
野菜・果物 7.0% -1.0%
ガソリン 37.7% 7.5%
中古車 15.5% 0.7%
衣料品 2.1% ー0.6%
家賃など 2.2% 0.8%
電気代 37.2% 13.2%

米国労働統計局のデータより抜粋

アメリカではレストランで飲食するとチップが必要になります。8~15%くらいのチップを渡すとなると、200ドルの飲食で25ドル程度のチップとなり、1ドル130円換算すると3,250円。チップだけでもかなりの痛手ですね。

毎回外食も辛いので、テイクアウトなどをうまく使ってチップ代を浮かすことを検討してみるのもよいでしょう。テイクアウトの場合、基本的にサービスを受けていないので、チップを渡す必要はありません。また、定期的に開催しているファーマーズマーケットなどに足を運ぶと新鮮な旬のものが手に入り、ローカルフードが楽しめるのでオススメです。

私たちは、1日3度の食事のうち、レストランなどへの外食が1回、残りの2回は部屋で自炊していたので、よくスーパーマーケットに出かけました。スーパーマーケットやABCストアなどのコンビニは、商品が豊富な取り揃えだったコロナ前に対し、今回は商品数が絞られている感じがありました。特にパスタはロシアのウクライナ侵攻の影響か、ほとんどない状況でした。食料品もやはり少し値上げされていて、旅行者のショッピングではわかりにくい、生活レベルでの物価上昇を感じました。

のんびりと家族でリゾートステイすることが目的でしたので、現地ツアーやアクティビティーに積極的に参加したわけではないですし、今回は割高に感じたためレンタカーの使用も見送りました。そのため、これらの点に関する情報収集ができていないことはご了承下さい。

経済や資産運用に関心のある筆者は、どの国に行っても情報収集として、現地のかたや他国の観光客と世の中の現状について語り合ってしまうのですが、地元のかたに最近の物価の現状を何人かに尋ねてみました。「ジリジリ上がっている物価には気付いていないのかもしれないが、ガソリンが高騰しているので困ること以外はさほど影響はない」と話すかたが多かったです。

そのため、円安の影響を念頭に置いておけば、これまでと大差なく旅行を楽しめるのかもしれません。ただしハワイの中でも多くのかたが滞在されるワイキキは世界有数の観光地で、物価は基本的に割高になることが多いということを考慮しておきましょう。

ハワイでの支払い方法と Sony Bank WALLET

ポイント
・タッチ決済やスマホ決済など、非接触決済は進んでいるが、今まで通りのクレジットカード決済も可能
・円安が進む方向であれば、あらかじめドル預金をしておき、ハワイでは、Sony Bank WALLET で米ドルを使うようにしておくことで、毎日の為替レートを気にしなくてすむ

円安が気になるのと、コロナの影響で非接触決済がさらに進んでいるのではないかと思い、現金のほかに事前準備としてクレジットカードを5枚ほど用意しました。また、外貨決済ができる Sony Bank WALLETでウーバーの設定をしておきました。

確かに非接触決済が行える場所は増えていましたが、切り替わっているのではなく、これまでの支払い方法のほかにあらたに加えられていただけなので、戸惑うことなく対応できました。今回のGWの旅行中は円安が進む傾向にあったので、旅行を決めた時点でソニー銀行の外貨普通預金口座に米ドルを移して準備をしておいたのが功を奏し、為替レートをあまり気にせずショッピングできたのはよかったです。

帰国時に隔離されないためのPCR検査の条件と費用

ポイント
・日本への再入国に関しては、出国前72時間以内に、PCR検査を受け「陰性証明書」を提出
・ハワイでのPCR検査はGW中は150〜180ドルが相場
・ハワイでのマスクの着用義務はないが、万一、コロナに感染してしまったら、帰国できなくなるということを踏まえた上で行動しよう
・帰国時の検査がなくなり、海外旅行もしやすくなった

忘れてはならないのが、帰国前の「陰性証明」の準備です。再入国に際しては、MY SOSというアプリをダウンロードし、再入国者一人ひとりの情報を反映させる必要があります。

現在、日本人も含むすべての入国者・再入国者は日本入国にあたり、出国前72時間以内に新型コロナウイルスに関するPCR検査の実施とその陰性を証明する『陰性証明書』の提出が求められています。その書類の提出をMY SOSで行います。こちらはアメリカ政府の検査補助金がなくなったことから、無料の検査所は閉まっているところが少なくありません。空いているところも日本政府の求める検査方法ではなかったり、運よく適した検査方法を無料で実施してくれるところを見つけたとしても検査結果が出るまでに時間を要するケースが多いことが、現地での調査でわかりました。

ビジネスとして残っている検査所やクリニックが主だったため、今回は検査費用を避けることはできませんでした。ワイキキ周辺でのPCR検査の相場ですが、GW時はだいたい1人あたり150~180ドルくらいでした。それでも、できるだけ価格が抑えられないか?ということで、妻が夜な夜な検索し、いくつかのクリニックや検査所にも出向いて、行き着いたのがアラモアナセンター近くのクリニックです。最安値の111ドルを見つけ、私たちはそこで検査をし、無事帰国することができました。

なおコロナに家族が感染しないために気をつけたいのが、マスクの着用です。ハワイでは、2022年3月26日(土)から屋内でのマスクの着用義務が撤廃されたので、街を歩くほとんどの人がノーマスクです。美しい青空に加え、解放感がさらに増した感じに、いかにもAFTERコロナを思わされます。しかし現地の人に尋ねてみると、「まだまだコロナに感染する人も多いので怖い。アメリカ本土の人がマスクをしなくなったから、怖い。」との声も聞かれました。アメリカ本土からの観光客とハワイ在住のかたとのギャップを感じました。確かに、観光地から離れた場所に行くと、マスクの着用率がグンと上がっていた印象です。

日本人観光客も「ハワイだし、みんなマスクしていないし」とノーマスクで過ごすかたも多かったように思いますが、気をつけないといけないのは、ハワイでコロナに感染すると隔離されるだけでなく、帰国できなくなってしまうということです。帰国時の航空会社のチェックインカウンターでもコロナ関連で何らかのトラブルになっているかたを何組か見かけました。

楽しく過ごしたハワイを台無しにしないためにも、必要な手続きと感染対策を日本にいるとき同様、もしくはそれ以上に意識した方がよいでしょう。私たちが帰国した5月は、日本に着陸後、空港内で再度PCR検査があり、陰性が確認されるまで空港内待機でした。日本に着陸しているにも関わらず、日本に入国できないのです。しかし現在は、入国前の検査もなくスムーズに帰国できるようになり、いよいよ海外旅行も行きやすくなりました。しっかりした準備と万全のコロナ対策で、皆さまも久々の海外を検討してみてはいかがでしょうか?

※本ブログに記載している情報は2022年GW時点のものであり、コロナ対応等の最新の状況についてはご自身でご確認ください。

執筆者:Max

個人投資家・ファイナンシャルプランナー。30年以上の国内外での投資の経験を活かしFPとして、多岐にわたる相談を受ける。
フロリダの大学在学中、某金融雑誌の編集長も務める大学教授から投資の本質を徹底的に叩き込まれる。その時培った投資手法を今でも実践。
米国や南米の富裕層との交流から、資産運用の重要性を肌で感じ、その後の考え方に多大な影響を受ける。
多くの人に投資の重要性とその素晴らしさを知ってもらいたく、投資信託と株の塾を主催。
現在は国内外に複数の企業を経営。

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