座談会メンバー紹介
モデレーター 石川英彦
金融デザイン株式会社 代表取締役 FP
FP業務ほか、お金の知恵アカデミー主催、金融関係のコンテンツ作りを行う。
Sony Bank WALLET の独自の機能である「円からアシスト」にぞっこん。
中村泰三
ソニー銀行株式会社 商品企画部 シニアマネージャー
Sony Bank WALLET の企画段階から約10年担当。Sony Bank WALLET は外貨が使える点が最大の特色。
リリース前には、実際に海外で使えるか実地テストを行うため、香港・南アフリカへの渡航の経験も。
勢田泰大
ソニー銀行株式会社 商品企画部 マネージャー
Sony Bank WALLET 担当約4年。住宅ローンの企画を担当した経験も活かし、
日常的な目線からの商品開発を行う。国内でも、海外でも Sony Bank WALLET を利用中。
高田晶子
金融デザイン株式会社 取締役 FP
FP業務ほか、お金の知恵アカデミー主催、金融関係のコンテンツ作りを行う。ソニー銀行との関係も長く、Sony Bank WALLET はリリース当初から使用。
国内はもちろん、ハワイ旅行でもフル活用し、「Sony Bank WALLET」ラブ。
駒崎竜
エターナルフィナンシャルグループ株式会社 代表取締役 FP
ライフプランをかなえることを目的としてさまざまな事業を行う。プライベートでは5人の子育て中。FPの視点だけでなく、子育てパパの視点からも、Sony Bank WALLET の活用法や要望を鋭く指摘。
村松祐子
FPコスモス 代表 FP
FPとして、ライフプラン・マネープラン相談を行う。得意分野は株式投資。
Sony Bank WALLET は2016年8月から使い始め、日常遣いで大活躍。現在、娘さんも海外で利用中。
2016年1月にリリースしたVisaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」。まだまだ、その魅力が十分に知られていない現状を踏まえて、Sony Bank WALLET を使ったことのないかたや、使ったことはあるけれど活用しきれていないかたに向けて、おトクな活用法やおすすめポイントなどを、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーの皆さんにおうかがいしました。Sony Bank WALLET の担当者との座談会から、まずは海外での活用法を中心とした「海外編」の模様をお伝えします。
Sony Bank WALLET ってどんなカード?
デビットカードとは
簡単に言うと、使った金額が預金口座から即時に引き落としとなるカードのこと。クレジットカードは作成時に審査があり、その人の与信枠(使える金額)が決まっているが、デビットカードには作成時の審査はなく、ソニー銀行の場合、15歳以上なら作成可能。大きな特徴は、「現金代わりに使える」という点。現金を引き出す手間が省ける、おつりのやりとりがない、デビットカードの発行会社により独自のサービス(ポイントの付帯やキャッシュバックなど)があるなど、現金よりも利便性が高い面がある。また、口座残高以上は使えないため、使いすぎなどのトラブルを回避することもできる。
石川英彦さん(以下、石川):
まずは、ソニー銀行が提供する Sony Bank WALLET には、どんな特徴があるのでしょうか。
ソニー銀行 中村泰三(以下、中村):
現在、日本で発行されているデビットカードは、J-Debitとブランドデビットの2種類あります。J-Debitは銀行のキャッシュカードがそのままデビットカードとして使えます。一方、ブランドデビットは、クレジットカードの国際ブランドが付いたデビットカードです。
Sony Bank WALLET は、Visaデビットといって、Visaブランドの付いたデビットカードです。Visaのクレジットカードと同じように、Visaマークのあるさまざまな店舗で使うことができます。24時間365日、日本国内の加盟店はもちろん、世界中のVisa加盟店で利用可能で、提携ATMから現地通貨を引き出すこともできます。
ソニー銀行 勢田泰大(以下、勢田):
Sony Bank WALLET の最大の特徴は、日本円と外貨を合わせて、11通貨に対応しているという点です。国内では、日本円の口座から引き落とされますが、例えば、米国で100ドル使った場合、外貨預金口座に100ドルあれば、そのまま100ドルが引き落とされます。手数料もかからずに日本国内と同じ感覚で、海外でも使うことができます。
11通貨が1枚のカードに。口座からすぐに引き落し
Sony Bank WALLET の対象となる通貨は、円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナの合計11通貨。外貨預金口座を開設しておけば、貯めた外貨を、海外で「外貨のまま」使うことができる。審査不要、年会費無料、口座開設手数料無料で、ネットで簡単に手続きが可能。
Sony Bank WALLET を持って海外旅行に出かけよう!
(石川):
FPの皆さんは、お客さまから「Sony Bank WALLET ってどんなカード?」と聞かれたら、どのように答えますか?
駒崎竜さん(以下、駒崎):
一言でいうならば、「自分の預金をカード一枚で持ち運べる」。さらに、Sony Bank WALLET なら「世界中に持ち運べるカード」ということになりますね。
高田晶子さん(以下、高田):
「キャッシュカードでお買い物ができます」ということでしょうか。ATMで現金を引き出す手間も省けますし、それが、11通貨すべてに可能なんです。言い変えると「11通貨が全部お財布に入っている」というイメージですね。
村松祐子さん(以下、村松):
私が「Sony Bank WALLET にしよう!」と思った理由は、「海外で使える」という点でした。それに、このカードデザインも素敵なんですよね。
中村:
国内のATMと同じように、海外のATMでも自分の外貨預金口座から現地通貨を引き出せるので、両替の心配もいりません。対象以外の通貨でも、海外ATMの利用やショッピングでの利用が可能です。
高田:
私も海外旅行で活用しています。以前は、すべてクレジットカードで支払いをしていたのですが、帰国してからがとても憂鬱でした。どれだけの請求がくるのかと。
でも、Sony Bank WALLET を使うようになってからは、本当にラクになりました。旅行までに外貨を貯めておいて、旅行でのお小遣いとして使うようにしています。ですから、旅行中は気兼ねなくお金が使えて、帰国後に嫌な思いもせずにすみます。海外旅行を楽しみにして貯める、というのもいい経験でした。
とくにソニー銀行の場合、外貨預金はワンコイン(500円)から積み立てられるので、気軽に始められる点も魅力的ですよね。
ソニー銀行の外貨預金は、おトクで便利
外貨普通預金や外貨定期預金のほか、500円から始められる外貨預金の積立購入が可能。12通貨に対応(Sony Bank WALLET では、人民元、ブラジルレアルは対象外)。積立購入は、「毎日」「毎週」「毎月」など、希望するタイミング、希望するレートの範囲内で円普通預金から外貨を購入できる。
また、ネット銀行ならではのリアルタイムレートで、さらに円普通預金から米ドルを購入する際の為替コストは4~15銭など、どの通貨も割安な為替コストとなっている。
外貨残高がなくても外貨が引き出せる!
勢田:
もし、海外での利用時に外貨預金の残高が足りない、という場合には、「円からアシスト」という機能で、円普通預金から自動的に不足分をチャージすることができます。
高田:
私も結局、貯めたお金だけでなく、「円からアシスト」も使ってしまったのですが(笑)。
「外貨積み立て」をしていると、アプリに自分が購入した外貨の平均レートが出ますよね。ですから、実際に海外に行ったときに、そのときの相場と比べて円高になっていたら、今ある円預金を使ったほうがトクなので、貯めたドルは定期預金に移して使わない、という選択もできますよね。そんな体験もできて面白かったです。
村松:
Sony Bank WALLET アプリはわかりやすいですよね。円と外貨が両方表示されるので。
高田:
特に海外では、このアプリは見やすいです。今のドル預金残高と、「円預金も含めると何ドルまで使えます」と表示されて、一目瞭然です。
外貨が不足しても安心。自動で両替「円からアシスト」
海外でのショッピングや海外ATMの引き出しで外貨預金口座の残高が足りない場合、円普通預金から自動的に不足分の外貨を購入し、瞬時に支払い代金に充当するサービス。
専用アプリで利用状況や各種設定をラクラク管理
簡単に残高や利用状況が確認でき、Visaデビットの一時停止や利用限度額を設定することで不正利用対策が可能に。
使わないともったいない! 海外利用にこそ特徴が
(石川):
「クレジットカードとどう違うの?」というご質問も多いのですが、クレジットカードとデビットカード、海外利用で大きく異なるのはどんな点でしょうか?
中村:
クレジットカードもデビットカードも、使い方という面では同じです。Visaブランドのクレジットカードの場合、後日、Visaのレートにカード発行会社の事務手数料が上乗せされたレートで円転(外貨を円に交換)された金額が請求されます。Sony Bank WALLET なら、外貨を外貨のまま使えるので、いくらで円転されるか、ということを気にする必要はありません。
高田:
為替レートが関係ないわけですね。100ドル貯まっていたら、そのまま100ドルが使える。しかも、デビットカードだから即時引き落とされ、クレジットカードのように後から請求がきて思いのほか高くてびっくり、ということもないわけです。
勢田:
他社のデビットカードでも海外利用はできますが、一部の銀行を除いて外貨預金口座からの支払いはできません。この、「外貨預金口座から支払いができるかできないか」という点が大きく異なります。Sony Bank WALLET では、外貨預金口座をそのまま支払いに使えます。
駒崎:
外貨預金をしているのであれば、このカードを海外で使わない手はないですね。もったいないです。クレジットカードだと国際ブランドのレートに上乗せで2%くらいの事務手数料がかかるわけですから、この手数料分の差は大きいですよね。
中村:
さらに Sony Bank WALLET には、「円からアシスト」があります。外貨がなくても、円預金さえあれば、カード利用時のレートで即時に自動で外貨購入し、外貨預金口座から引き落とします。これはソニー銀行だけの機能です。
高田:
一瞬にして外貨を買ってくれて、一度外貨預金口座に入り、そこから即時に支払いをしてくれる、ということですね。
勢田:
しかも、Sony Bank WALLET の場合、1回のお買い物の全額ではなく、残高が足りない分だけの外貨を購入して、残っている外貨と合算して引き落としをします。
(石川):
それが、為替手数料のみで、円から一瞬に切り替えてくれるのですから、これは革命的なことですよね。この点がなかなか浸透していないようなのですが。
中村:
ソニー銀行では、コストを抑えた為替市場に近いレートでご提供しており、米ドルの場合、通常時の為替コストは1ドル当たり15銭(0.15円)です。
勢田:
ただ、外貨預金口座を開いていないと、Visaのレートに事務手数料として1.79%(税込み)を加算した金額が円普通預金口座から引き落とされてしまいます。
高田:
とにかく、「海外に行くと決めたら、外貨預金口座を開こう。たとえ外貨預金をしなくても」ということですね。
駒崎:
現在使える外貨は10通貨で、資産形成という面ではよさそうな通貨だと思うのですが、日本人が行きたい旅行先という意味では、対応していない通貨もありますね。たとえば、韓国、タイ、シンガポール、台湾、フィリピン、ベトナムあたりでしょうか。
中村:
対応通貨については、今後も増やしていきたいと思っています。
高田:
たとえば韓国でも、Sony Bank WALLET を利用できますよね。
中村:
はい。その場合は、円口座からの引き落としとなります。ただし、事務手数料は1.79%(税込み)ですので、通常のクレジットカードよりも低いと思います。
高田:
その点は、あまり知られていない部分なので、同じくらいの手数料を受け取って、海外利用にもキャッシュバックしたほうが利用者にはわかりやすいのかもしれませんね。今のところ、Sony Bank WALLET は海外利用によるキャッシュバックはないですよね?
勢田:
おっしゃる通り、海外利用の場合には、国内利用の特典として提供しているキャッシュバックはありません。海外利用には当社もコストが発生するため、本来ならば外貨でのご利用時でも事務手数料をいただきたいのですが、ATMご利用時を除き、お客さまの利便性を重視して手数料はいただいていません。対象の11通貨以外では事務手数料をいただいていますが、なるべく低めに設定することで、特典の代わりにしています。その辺りのお客さまへの周知は、われわれも課題を感じています。とはいえ、海外利用の特典もキャンペーンなどで対応していきたいと考えていますので、ぜひご活用いただきたいと思います。
こんな使い方も。Sony Bank WALLET で金融教育
(石川):
Sony Bank WALLET アプリを使って、スマホという身近なデバイスで管理できるという点から、金融教育という観点や、お子さまの海外留学での利用なども考えられると思うのですが。
駒崎:
デビットカードとしての利用ではないのですが、ソニー銀行の場合、円の積み立てでも3年満期で年0.05%の利息(税引き前・2023年4月10日現在)が付いて、月1,000円から積み立て可能ですから、子どもの金融教育にもなると思います。外貨の購入は、高校生でもできますか?
中村:
残念ながら、外貨の購入は20歳以上でないとできません。外貨の口座開設は15歳以上であれば可能なのですが、外貨の購入はできません。ただ、「円からアシスト」は使えます。対象の10通貨であれば、外貨口座を開いて、円預金に入金いただければ、支払いの際、自動で円から外貨に振り替えられます。
村松:
私も金融教育という観点で、娘にも使わせています。娘は現在大学4年生で、今年はあちこちの海外に行っているので、為替の動向を見ながら、自分の口座にある円預金から外貨に換えるということを、自分で考えてやるようになりました。
当初は、他社の家族カードにしようかと思っていたのですが、家族カードでは自主性がないからやめました。娘も20歳になっていたので Sony Bank WALLET でできたのですが、もう少し若い年齢、たとえば15歳などからできれば、金融教育としてはより役立つのではないかと思いますね。為替の動向を見るためには、為替だけではなく、日本や世界の経済状況など、あらゆることに関心を持たざるを得なくなるので、そういった観点を実践させることは、とても意義のあることだと思います。
(石川):
海外においてデビットカードが使えないなど、困ったことはありませんでしたか?
村松:
特にトラブルもなく、スムーズに使えたようです。円預金に残高もあったので、万一のときには「円からアシスト」機能があることで、とにかく安心感があったと言っていました。Sony Bank WALLET が使えなかった店はなく、海外においては、むしろ現金が使えない店ばかりだったようですから。
万一の場合も保険でしっかりカバー
(石川):
カードをなくしたら不安、番号を知られたら怖い、というお客さまも多いと思いますが、どのような対応をするとよいでしょう。また補償面などは、どのようになっていますか。
勢田:
まずは、ご自身で、アプリやネットバンキングから利用停止ができます。カードをなくした、とわかった瞬間に、すぐにご自身で停止の対応ができ、その口座の保護が可能になるので、不安は解消されると思います。
高田:
「あっ、ない」と思ったら、とりあえずすぐに停止して、見つかったら開始にするということも可能ですね。
村松:
海外で使う予定がない場合には、海外ショッピングと海外ATMの1日あたりの限度額を最低金額の0円に設定しておけばいいですよね。
勢田:
それでもいいですし、「海外利用(店舗・ATM)」の利用制限をアプリで設定できます。
また、Visaの不正検知システムと連携し、通常とは異なる利用があり、セキュリティ制限がかかった場合、「ご本人によるご利用かどうかご確認ください」という確認通知をアプリにお送りしています。ご本人の利用であれば、その通知から利用制限を解除できる機能も備えています。
村松:
そういったことが周知されれば、安心して使えますよね。
中村:
不正利用された場合の保険「不正利用補償」もあります。カードをなくして第三者に使用されてしまった場合でも、1日あたりの利用限度額の範囲内であれば補償が受けられます。
高田:
いずれにしろ、それ以上は使えないわけですからね。
中村:
さらに、ショッピング保険も付いています。購入した商品が壊れた、盗難にあった、という時に、年間50万円を限度に補償されます。
現金払いよりも安心・便利
●不正利用補償
紛失・盗難などにより、Sony Bank WALLET が第三者に不正利用された場合、通知日の30日前以降に発生した損害を、1日あたり利用限度額の範囲で補償される。
●ショッピング保険
Sony Bank WALLET で購入した商品の破損・盗難などの損害を、年間50万円を限度に購入日から60日間補償される(自己負担額5,000円/1事故あたり)。
まとめ
(石川):
まずは「海外編」ということで、Sony Bank WALLET を海外で活用するポイントを中心にお話しいただきました。
ソニー銀行は、もともと「資産運用銀行」として、外貨をお持ちのお客さまも多いことから、貯めた外貨を使っていただくための手段のひとつとして Sony Bank WALLET をご用意されました。そういった背景から、海外での利用という点では他社と比べても圧倒的な強さがあるといえます。今後は、海外旅行への熱も高まってくることが予想されますし、まずは、海外での Sony Bank WALLET の活用をおすすめしたいですね。