近年は、史上最低水準の超低金利が続いています。そのため、せっかく貯めたお金を普通預金に預けておいても、ほとんど増やすことができません。
こんな時、どうしたらお金を増やすことができるのでしょう?今回は投資初心者の皆さまにもオススメの資産運用についてまとめてみました。
目次
1. 資産運用を始めるには準備が大切
ある程度貯金が貯まったからといって、闇雲に投資を始めるのはオススメできません。資産運用を始める際は、次の3つを行いしっかり準備をしてから始めましょう。
- 貯金の把握をし、投資にまわす資金を見極める
- 資産運用の目標(目的・時期・金額)を設定する
- リスクをシミュレーションし、損失範囲を決めておく
まずはご自分の資金を大きく以下の3つに分類してみましょう。
- 短期資金:生活費や急な出費に備えるお金
- 中期資金:5年以内に使う予定のお金
- 長期資金:5年以上先に使う予定のお金、使う時期や目的の決まっていないお金
この中で投資にまわすお金は、3つ目の「長期資金」です。
短期資金は、いつでもすぐに引き出せる普通預金などに預けておく必要があります。中期資金も使う時期や目的が決まっているため、安全性が高くて利息の高い定期預金などに預けておくのが良いでしょう。
投資にまわすお金を選定できたら、「何のために」「いつまでに」「いくら」という目標を立てましょう。また、自分が許容できる損失範囲の検討も大切です。
2. 初心者にオススメの資産運用
初心者にもオススメのできるだけリスクを抑えた資産運用の方法をご紹介します。
投資信託
初心者向きといわれる金融商品のひとつに「投資信託」があります。ファンドマネージャーと呼ばれる資産運用の専門家があなたの代わりに資金を運用してくれる、文字どおり"専門家を信じて投資を託す"商品です。
通常は1万円ほどから購入でき、月々の積み立てならより少額の1,000円から購入できる金融機関もあります。ファンドマネージャーはたくさんの投資家から集めて大きくなった資金をさまざまな投資先に分散投資するため、ひとつの投資信託を購入するだけで、リスクの分散効果も期待できます。
整理すると、投資信託が初心者にオススメなのは以下のような理由があるからです。
- 専門家に運用を任せられる
- 小額でも投資できる
- リスクの分散ができる
また、投資信託は「株式に投資するもの」「債券に投資するもの」「不動産に投資するもの」「これらを組み合わせて投資するもの」などたくさんの種類があり、投資対象地域も日本、先進国、新興国などさまざまで選択肢が豊富な点も魅力です。
なお専門家が運用する商品、リスクの分散された商品とはいえ、投資信託がリスク商品であることには変わりはありません。リターンが期待できる反面、元本割れの可能性もあることを理解のうえ、過去の値動きなどもしっかり確認してから購入を検討しましょう。
短期売買より長期投資
一般的に個人投資家、特に初心者に推奨されているのは「長期投資」です。
なぜなら、長期投資には、「リターンの安定化」というメリットがあるからです。短期的には上がったり下がったり値動きがある商品でも、長期で運用していると大きな変動を打ち消し合い、リターンが安定してくるというものです。
また、投資により得た利益を再投資して元本を増やすと、"利益が利益を生む"という「複利効果」が得られる点も長期投資の利点です。
さらに、短期投資には常にマーケットを監視して売買を繰り返すという労力が必要ですが、長期投資では、その時間や労力は最小限に抑えることができます。
もしもの時にダメージを抑える分散投資
投資につきもののリスクを抑えるために有効とされているのが「分散投資」です。
たとえばひとつの企業の株式だけに集中投資をしていた場合、経営悪化などでその企業の株価が急落すると、大きな損失が生じてしまいます。そこで投資資金をひとつの企業の株式だけでなく複数の企業の株式へ、さらには株式以外の投資商品にも分散させておくと、万一の際のリスクを分散できます。
分散投資には以下のような方法があります。
- 商品を分散させる
投資する商品をひとつに絞るのではなく、株式と債券に分散するなど、異なる商品に資金を分散させる方法です。 - 地域を分散させる
日本だけではなく米国、欧州、新興国など、投資対象地域を分散することで国や地域ごとのリスクも分散させる方法です。 - 通貨を分散させる
投資通貨を分散させることで、為替変動リスクによる損失を抑えようとする方法です。 - 時間を分散させる
安く買って高く売るのが投資の基本ですが、将来の値動きは誰にもわからないため、一度にまとめて資金を投入すると結果として高いところで購入してしまう「高値づかみ」となってしまう危険もあります。毎月の積み立てで購入するなど、購入タイミングを分散することでこうしたリスクを避けられます。
先ほどご紹介した投資信託はリスクの分散効果が期待できる商品ですが、ひとつの投資信託だけでなく複数の投資信託に資金を振り分けること、特に運用する商品や投資対象地域が異なった投資信託に分散投資すること、積み立てを利用することで、より効果的なリスク分散が期待できます。
3. さまざまな投資商品
ご紹介した投資信託以外にも、投資商品には実にさまざまな種類があります。ここでは比較的ポピュラーな株式や債券をはじめ、その他の商品についてかんたんに見ていきましょう。
株式
一般的な株式投資は証券取引所に上場されていて価格が変動する「上場株式」を対象としており、証券会社を通じて売買を行います。安い値段で買って高く売ることで利益を得られますが、企業からの配当金や株主優待に期待する投資家も多いようです。株価の変動は比較的大きく、投資信託や債券に比べハイリスク・ハイリターンな投資といえそうです。
ETF
ETF(Exchange Traded Fund) は上場投資信託とも呼ばれる、株式のように証券取引所に上場されている投資信託です。たとえば「日経平均株価(日経225)」や「TOPIX(東証株価指数)」など、市場全体の値動きを表す指数と連動した投資成果を目指します。
J-REIT
不動産投資信託とも呼ばれます。投資家から集めた資金を専門家が不動産に分散投資し、そこから得られた利益を投資家に分配する投資信託の一種です。証券取引所に上場されているので、株式と同じように売買できます。通常なら巨額の資金が必要となる不動産投資を少額から可能とした商品です。
債券
国や地方自治体、企業などが資金を集めるために発行する、一種の借用証書です。これら発行する側にとっては資金調達のための手段ですが、あらかじめ決められた利息がつくうえ、定められた満期日には元本が償還されるため、購入する投資家側からみると比較的安全性の高い投資商品であるといえます。中でも国が発行する債券は「国債」と呼ばれ、1万円から購入できる「個人向け国債」は人気です。
外貨預金
米ドル、ユーロ、豪ドルなど、外国の通貨で預金をする商品です。日本円で預金をするよりも金利の高い通貨が多いうえ、金融機関によっては貯めた外貨を海外旅行の際などに現地でそのまま使うこともできる点もメリットです。円安、円高といった為替レートの値動きによって為替差益や為替差損が生じます。
外国為替証拠金取引(FX)
少額の証拠金を担保として、証拠金よりも大きな額の外貨を売買できる取引です。大きなリターンを追求できる反面、リスクも大きくなってしまう点には注意しましょう。「買い」だけでなく「売り」から取引を始めることができるため、円安局面、円高局面のどちらでも利益を追求できる点も特徴です。
貴金属
世界的な需給バランスによって価格は日々変動しますが、「有事の金」という言葉もあるとおり、金価格は世界情勢が混乱した場合などに上昇する傾向があります。インフレ(継続的な物価上昇)が起きた場合、お金の価値がどんどん低下していくのに対し、金やプラチナなどの貴金属は一定の価値を保ちやすいため、いざという時に備えた資産保全や資産の分散先として人気です。
いろいろな資産運用方法を紹介してきましたが、いかがでしたか?
最後に初心者にオススメの資産運用方法をもう一度おさらいします。
- 投資は長期資金で行う
- 投資信託は初心者にもオススメの商品
- 長期投資、分散投資をこころがける
これを機に普通預金に眠らせている資金を積極的に活用してみませんか?