「将来に備えて貯金をふやしたい」とは誰しも思っていることですが、言うは易く行うは難し。
今回は、どうすれば貯金がふやせるのか?そのためにはどんな節約が効果的なのかを、わかりやすく解説していきます。合わせて、「知って得する国の制度」についてもご紹介します。
目次
1. 節約する前の準備
節約をしようと思ったら、いくつかの準備が必要です。ここでは、意識して節約を始める前に何をしておくといいのかを紹介します。
お金の流れを把握する
節約が上手にできていない人の多くは、お金の流れをしっかり把握できていません。自分の収入や支出をしっかり把握、何にどのくらいお金を使っているのか理解することが節約の第一歩です。
お金の流れをかんたんに把握する方法が家計簿をつけることです。毎日帳簿に記録することが難しい人は、レシートを撮影するだけで記録されるスマホ向けアプリなどを使ってみるのも良いでしょう。まずは毎月、何にどのくらいお金を使っているのか、把握することからはじめてみましょう。
支出を分類する
お金の流れが把握できたら、次は支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分けていきましょう。
消費は、生活に必要な支出です。月単位で必ずかかる、生活に必要な支出です。消費を大きく分けると毎月決まって出ていく「固定費」と、月によって額の変わる「変動費」の2種類に分けられます。
浪費は、平たく言えば無駄づかいです。たとえばコンビニに立ち寄ったときになんとなく買ってしまったお菓子や雑誌、不必要なブランド品の購入にかかったお金などです。
投資は、将来のための支出です。お金をふやすための株式などの購入代金のほか、将来の収入アップにつながるセミナー代、資格取得のための参考書代など「自己投資」するお金も含まれます。
無理のない節約を心がける
節約のため「浪費」を大きく削る人が多いようですが、嗜好品や趣味は適度であればストレス解消の効果もあるため、無理に削ろうとすると節約自体が長続きしないケースも散見されます。安く購入できるお店を探したり、量を減らすなど、無理のない節約にチャレンジするのが良いでしょう。
2. 消費の節約方法
ここからは、「消費」に注目して、具体的な節約方法を紹介していきます。
固定費の節約
「固定費」と「変動費」に分けられる消費ですが、まずは毎月およそ出ていく金額が決まっている固定費の見直しからスタートしましょう。固定費は一度見直しをすればその後も効果が継続するため、大きな節約につながりやすいからです。代表的な固定費としては住居費、通信費、保険料、水道光熱費などが挙げられます。
住居費
住居費は固定費の中でも大きな割合を占める支出の一つです。住宅ローンを組んでマイホームに住んでいる人は、より低金利な住宅ローンに借り換えができないか、検討してみましょう。そこにかかる手数料を加算しても、最終的な支払い金額を大幅に下げられるかもしれません。
賃貸住まいの人も引っ越しにかかるコストはありますが、必要に応じて今の家賃よりも安い物件を探してみると良いでしょう。
通信費
通信費とは、月々の固定電話や携帯電話の利用費、インターネット接続費などを指します。携帯もネットも料金プランが複雑なのでわかりにくいのですが、支払いが高額な場合は本当に必要な機能を使っているのかを確認し、料金プランの変更を検討してみましょう。
保険料
万が一に備えた保険も、毎月数千円から1万円以上の節約ができるかもしれません。支払っている保険料の中に、不要な特約を付けてないか、過剰な掛け金に設定していないか、契約内容をもう一度確認してみましょう。
水道光熱費
最近は電気料金にもさまざまな契約プランが用意されているので、昼間はほとんど電気を使用しないかたなら夜間に割安な価格設定がされているプランに変更することで節約につなげられます。また、消費電力の多い古い家電を最近のものに買い替えることも、長い目でみると節約となる場合があります。
水道代はお風呂の使い方を見直しましょう。シャワーの出しっぱなしを控えることはもちろん、節水タイプのヘッドに交換することも有効です。
変動費の節約
「変動費」とは、食費、交通費など月によって金額が変わるものをいいます。変動費を節約するために、まずは買い物のしかたを見直してみましょう。
購入前に予算を設定する
何にいくら使うのか、予算を先にメモしてから、買い物に出かけるようにしましょう。これだけで衝動買いなど、無駄な出費を減らすことができます。
食費を節約する
食費を一番節約する方法は、なんといっても自炊。毎日毎日、外食ではなかなか節約はできません。「わかっていても難しい・・・」というかたは、外食する回数をこれまでの半分に減らしたり、「月3回までOK」とルールを決めたりすることで、節約効果が期待できます。
カードを有効活用する
日々のお買い物などをデビットカードで支払ってキャッシュバックを受け取ったり、クレジットカードで支払って上手にポイントを貯めることで月に数千円の節約も可能となる場合があります。
また、カードの購入履歴を家計簿代わりにすると、お金の使いみちを把握することにもつながります。先月の買い物を見直しながら、どこを節約できるのか可視化していきましょう。
3. 国の制度を利用して節約する
ここからは上手に活用することで節約につながる制度、申請すると国や自治体からもらえるお金の一部をかんたんに紹介します。知らなかったと後悔する前に、自分に当てはまる制度がないか調べることも大事な節約方法の一つです。
医療費控除
年間で一定額以上の医療費を支払った場合に、納めた税金の一部が戻ってくる制度です。支払った医療費が年間で10万円(その年の所得が200万円未満の人は、所得の5%の金額)を超えると所得控除を受けられます。医療費控除の申請には確定申告の手続きが必要となりますが、このときには病院や薬局の領収書やレシート類の提出が求められます。領収書などは大切に保管しておきましょう。
高額療養費制度
その人の所得によってひと月に払う医療費の上限が設定され、これを超えた場合には超過分を後日払い戻してもらえる制度です。ご自身が加入している公的医療保険に支給申請書を提出することで支給が受けられます。
高額介護サービス費制度
介護保険のサービスを利用すると一部が自己負担となりますが、この自己負担額が一定額を超えた場合に超過分を後日払い戻してもらえる制度です。世帯に複数の要介護者がいる場合は合算することができます。
高額介護合算療養費制度
世帯内の後期高齢者医療制度の被保険者全員が1年間に支払った医療保険と介護保険の自己負担を合計し、基準額を超えた場合には超過分を払い戻してもらえる制度です。
介護休業給付金
家族を介護するために休業した場合、一定の条件のもと、休業前の賃金の一部が給付される制度です。
教育訓練給付制度
資格取得などのため、教育訓練受講に支払った費用の一部を支給してもらえる制度です。支給にあたり、さまざまな要件があります。
児童扶養手当(母子手当)
ひとり親家庭で、その養育者の収入が一定額以下の場合に利用できる給付金制度です。平成22年からは母子家庭だけでなく、父子家庭でも受け取れるようになりました。
4. 節約したお金のふやしかた
ここでは、節約してできたお金の上手なふやしかたを紹介します。
預金は毎月の生活費を管理するものと、貯蓄用のものを使い分けるのが良いでしょう。2つの銀行を使い分ける方法のほか、ひとつの銀行の中で普通預金を生活用、定期預金を貯蓄用に使い分けるのも有効です。
給料が振り込まれたら、使ってしまう前に毎月一定額を貯蓄に回してしまう「先取り貯蓄」が理想です。一度手続きをするだけで毎月自動的に定期預金などを積み立てるサービスを活用すると、貯蓄をかんたんに仕組み化できます。
定期預金は普通預金よりも金利が高いうえ、「つい使ってしまった」という無駄な出費を防ぐ意味でもオススメです。
今回は、「消費の節約方法」「国の制度を利用した節約方法」などについて紹介してきました。お金は突然ふえません。日々の生活の中でコツコツと続けていくことがなにより大切です。
今の支出を見直して余分な出費を減らし、「先取り貯蓄」や「貯蓄の仕組み化」で上手に貯蓄をふやしましょう。