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米雇用統計・今月の注目ポイント(2021年7月2日発表分)

2021年7月2日(金)、日本時間21時30分に米国で6月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化 (万人)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2021年7月 +60.0
2021年6月 +62.1 +55.9
2021年5月 +88.8 +26.6 +27.8
2021年4月 +50.0 +91.6 +77.0

失業率(%)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2021年7月 5.7
2021年6月 5.9 5.8
2021年5月 5.8 6.1 6.1
2021年4月 6.1 6.0 6.0

出所:ロイター(2021年6月24日時点)

今月の注目ポイント(ソニーフィナンシャルホールディングス チーフアナリスト 尾河眞樹)

6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)はサプライズの結果でした。金融政策は基本的に据え置かれましたが、市場参加者にとって最も驚きだったのは、FOMCメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)の分布です。3月時点では18名のメンバーのうち11名が、23年末まで金融政策の「据え置き」を予想していましたが、今回は「据え置き」派は5名に留まり、13名が23年末までの「利上げ」を予想。加えて、予想の中央値は0.625%と、23年に2回もの利上げを見込んでいることがわかりました。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4月15日の講演で、「ほとんどのメンバーは2024年まで利上げを予想していない」と述べていましたが、ここまでメンバーの見通しが急変したのは、①ワクチン接種の急速な進展、②米景気回復ペースの速さ、③物価の想定以上の上振れ、が背景にあると思われます。これからは「インフレ」がどの程度加速するかに注目が集まりそうです。したがって、今回、非農業部門雇用者数が市場予想(62万人前後)と同様の良好な伸びを示すかどうかに加え、平均時給が前回の前年比2.0%の伸びを超えるかどうかも、ひとつの見どころと言えると思います。いずれも市場予想を上回る結果となればドル高、仮に大きく下回れば、利上げ観測が遠のくなかで、小幅にドル安が進む可能性はあるでしょう。

いずれにせよ、6月のFOMCで、FRBが緩和からの「正常化」に向かっていることは明らかとなったので、ドル安になったとしても一時的で、ドル円が大きく下落する可能性は低いとみています。


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米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測る上で重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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