ホーム コラム キャッシュレス決済の基本を知って便利に活用!(FP相談室)

コラム

公開:

キャッシュレス決済の基本を知って便利に活用!(FP相談室)

キャッシュレス決済の基本を知って便利に活用!

みなさんはキャッシュレス決済を使っていますか?
2018年に経済産業省が策定した「キャッシュレス・ビジョン」において、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%に引き上げ、将来的には世界最高水準の80%を目指すという「支払い方改革宣言」がされ、普及へ向けた取り組みが推進されています。

世の中が変わっていく中で、知っておきたいキャッシュレスについてご紹介します。

キャッシュレス決済の種類と特徴

消費者庁の調査(キャッシュレス決済に関する意識調査結果)によれば、「キャッシュレス決済をよく利用している」「ときどき利用している」人を合わせると、令和元年では84.7%だったのが、令和2年12月では90.1%と増えてきていることがわかります。

同調査の利用頻度を見てみると、クレジットカードの利用頻度が最も高く、次いで、電子マネー、バーコード・QRコード決済、交通系電子マネーも高い利用頻度になっています。

クレジットカード 81.5%
交通系以外の電子マネー 51.5%
バーコード、QRコード決済 42.1%
交通系電子マネー 33.8%
その他スマホ決済 6.2%
デビットカード 5.3%
その他 1.5%

「消費者庁 令和2年12月(確報)キャッシュレス決済に関する意識調査結果」より

キャッシュレスの決済手段の種類を整理するために分類してみましょう。

支払いタイミングによる分類

決済した金額をいつ支払うのかのタイミングによって、「前払い」「即時払い」「後払い」の3つに分けることができます。

前払い
プリペイドとも言います。交通系電子マネーのように、自分で入金(チャージ)したものを使う方法と、図書カードやQUOカードなど1,000円、5,000円などの使い切りカード(商品券)を購入して使う方法があります。

即時払い
支払いと同時に、銀行口座から引き落とされるものです。デビットカードがこれに当たります。

後払い
利用した分が後日、決まった日にまとめて銀行口座から引き落とされるものです。クレジットカードがこの支払い方法です。

キャッシュレス決済の種類ごとの特徴

クレジットカード
カード発行にあらかじめ審査があり、使える上限額が定められています。支払いは、後払い式で、一般的には一括払いのほか、分割払い、リボ払い、ボーナス払いなどで支払いを分割したり、先送りしたりすることも可能です。
利用額に応じてポイントやマイルが付与されます。

デビットカード
即時払い式のカードです。一括払いでその時点で口座から引き落とされるので、ほぼ現金感覚で利用することができます。利用額に応じてキャッシュバックやポイントが付与されます。

電子マネー
交通系電子マネーは電車やバスなどの運賃支払いに利用できるほか、加盟店での買い物に利用できます。コンビニやスーパーなどの電子マネーは、チャージや買い物をするとポイントが貯まるものもあります。いずれも、あらかじめチャージして利用する前払い方式です。

バーコード・QRコード決済
他の支払い方法に紐づけて、スマートフォンなどで表示したバーコードやQRコードで決済するものです。現金、デビットカード、クレジットカードから各サービスの残高にチャージして利用します。サービスによっては利用額に応じたポイント付与などの特典があります。

キャッシュレス決済のメリット

キャッシュレス決済を利用するとどのようなメリットがあるでしょうか?

現金をおろす手間、手数料を省ける
買い物に行く前に、現金を準備するために銀行やコンビニなどのATMに立ち寄る手間が省けます。また、場所や時間によっては現金をおろすときに手数料がかかる場合がありますが、キャッシュレスならその分を節約できます。

現金のやり取りがなく支払いがスムーズ
レジで現金のやり取りがなくなるため、支払いがスムーズになります。現金を介しての接触を避けられますので、衛生上の安心感もあります。

ポイントが付く
クレジットカード、デビットカード、QRコード決済では利用額などに応じてポイント、マイレージ、キャッシュバックなどの特典があります。同じものを現金で購入するよりも、あえてポイントがもらえる方法で決済する方がお得になるケースが多々あります。

支払い履歴が残って家計管理が簡単に
現金だと何に使ったか忘れがちですが、キャッシュレス決済は、どこでいくら使ったかの記録(支払い履歴)が必ず残ります。レシートを集めておいたり、家計簿を付ける代わりにキャッシュレス決済を利用することで簡単に家計を管理することができます。

キャッシュレス決済を利用するうえで気を付けたいこと

ついつい使い過ぎてしまうという人は
現金だとあるだけしか使わないが、キャッシュレスだと使い過ぎてしまう、というかたは、袋分けならぬ、カードやQRコード決済サービスで分けるとよいでしょう。日用品はこの電子マネー、コンビニの買い物はこのQRコード決済、その他はクレジットカードとデビットカード、など。それぞれに予算の金額をあらかじめチャージなどしておくことで、現金に近い感覚で予算管理することができます。

紛失に備えて
電子マネーなど、あらかじめチャージして利用するものについては、万一そのカードを紛失したり盗難されたりした場合に、利用停止をしてカードを再発行してもらうことで残高を引き継ぐことが可能です。このような手続きができるよう、事前に利用者登録などを済ませておくようにしましょう。スマートフォンを紛失した場合も、スマートフォンに登録しているキャッシュレス決済について利用停止の手続きをするのは同じですが、不正利用されないよう日頃から画面ロックの設定は必ず行いましょう。

スマートフォンの電池切れに注意
スマートフォンの場合には電池切れや通信ができない場合に電子マネーやQRコード決済が利用できない場合があります。そのような場合に備えて、クレジットカードや少しの現金を持ち合わせておけば安心です。


現状では、生活のすべての場面でキャッシュレス決済というわけにはいかないかもしれません。しかし、銀行はATMの台数を減らしたり、現金の引き出し手数料を値上げする方向にも動いています。今後、キャッシュレス決済の方が便利という場面も多くなるでしょう。

キャッシュレス決済の比率を上げるというのは国の施策でもあります。現金よりも有利なこともあるキャッシュレス決済に少しずつ慣れていきましょう。

高田晶子(たかだ あきこ)

高田晶子(たかだ あきこ)

金融デザイン株式会社取締役。一級ファイナンシャルプランニング技能士。
大学卒業後、信託銀行に就職。信託銀行退職後、イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年、ファイナンシャルプランナーとして独立。著書に「住宅ローン 賢い人はこう借りる!(共著、PHP研究所)」「絶対に知っておきたい!地震火災保険と災害時のお金(自由国民社)」など。「私にできるお金のため方・ふやし方」を学ぶオンラインゼミ「お金の知恵アカデミー」を主催。

ソニー銀行で口座開設

関連タグ

FP相談室Monedgeアプリキャッシュレス決済高田晶子

おすすめ記事

コラム

最新記事