ホーム コラム お金や投資の常識をアップデートする10の質問(前編)家計簿はつけるべき?毎月の収入の何%は貯蓄するのが正解?(FP相談室)

コラム

公開:

お金や投資の常識をアップデートする10の質問(前編)家計簿はつけるべき?毎月の収入の何%は貯蓄するのが正解?(FP相談室)

目次

お金や投資の世界には、「家計簿はつけるべき」「毎月の収入のうち〇%は貯蓄するのが正解」など、常識といわれるセオリーやアドバイスがあります。

しかし世の中の変化にあわせてアップデートが必要ではないでしょうか。
お金の専門家であるファイナンシャルプランナーによくあるお金や投資の常識をどう考えたらいいか、聞いてみました。

1.家計簿は絶対につけるべきですか?

家計簿をつける最大の目的は、毎月の収支を把握することです。記録を分析して、無駄を無くしたり、改善したりすることで、支出額をコントロールしてお金を貯めることができます。

家計簿が続かない、苦痛だ、というような場合は、例えば次のような方法でも支出額をコントロールすることができます。

・必ずかかる固定費と貯蓄分を引いた残りの金額で生活をする。
・1週間ごとの予算を決め、その金額をお財布にいれてその中で生活をする。

キャッシュレス決済を活用する場合は、次のような工夫をしましょう。

・予算分を電子マネーにチャージするなどして、その金額の範囲で生活をする。
・毎月の予算分のお金をいれた支出専用口座のデビットカードで生活をする。

自分にとって簡単に支出の管理する方法があれば、必ずしも家計簿をつけなくてもいいでしょう。

また、最近ではスマホだけで家計簿がつけられるものもあります。アプリを使ってみたら、意外に楽しく続けられる、というかたもいらっしゃいますので、試してみてはいかがでしょうか。

2.余裕資金ができるまでは投資はしないほうがよい?

一般的に「余裕資金」とは、日々の生活費や、教育費のように将来使うことが決まっているものを除き、当面は使う予定がなく、多少減ってしまっても生活には大きな支障がないお金のことを指します。

そのため、余裕資金ができてからと考えると、いつまでたっても投資を始められない、ということになりがちです。

そこで、「生活防衛費」が貯まったら、これから貯蓄していく予定のお金の一部を投資に回すことを検討してみてはいかがでしょうか?

生活防衛費とは、病気や災害などの不測の事態が起きても、ある程度の期間は生活できるように備えておくお金で、生活費の3ヶ月分から1年分といわれています。

「一定の預貯金はある」という心に余裕をもったうえで、資産形成の一部に投資を組み入れて計画を立ててみましょう。

3.投資はするべきですか?

将来必要なお金を預貯金だけで十分に準備できるのであれば、必ずしも投資が必要なわけではありません。

ただし、インフレになった場合には、実質的なお金の価値が目減りする可能性もあるということも考慮にいれて、準備しておかなくてはなりません。

お金を増やす手段には「収入を増やす」「支出を減らす」「運用してお金を増やす」の3つがあります。投資をしないのであれば、副業などで収入を増やす、節約をするなどで補っていくことを考えましょう。

お金が減ることに対して恐怖感や抵抗感があり、投資に踏み切れないという場合は、例えば、キャッシュレス決済などでもらったポイントで「ポイント投資」を経験してみるのもよいでしょう。毎月、毎週、毎日といった単位で、数百円から投資ができる商品を使ってみてもよいでしょう。

最初から投資はしないと決めるのではなく、ハードルが低いところから経験をして、その後判断してはいかがでしょうか。

4.教育資金も運用したほうがいいですか?

教育資金といえば「学資保険」のような保険や預貯金など元本が保証されている商品で貯めるのが王道でした。しかし、「貯める」だけでは、値上げ傾向にある大学の授業料などには追いつかないかもしれません。

そのため、投資信託などで運用して増やすことも、教育資金を準備するひとつの手段として検討したいところです。

しかし、教育資金は、使う時期をずらすことができない支出です。入学金など利用したいタイミングで運用の成績が悪かったとしても、回復するまで待つことができません。

そこで、まずは、いついくら必要なのか計画をしっかりと立てましょう。
運用するのであれば、10年以上先の大学の入学金や授業料のような、運用期間が長くとれるものに取り入れるとよいでしょう。

そのうえで、必要な金額を、預貯金など安全な商品と運用する商品を併用して準備していきます。併用すれば、運用している商品の成績が悪い場合は、先に預貯金等を利用するなど柔軟に対応できます。

5.毎月の収入のうち何%を貯蓄するのが正解ですか?

「毎月の収入の何%を貯蓄するべきなのか」に対する答えとして、みなさんに共通する正解はありません。家族構成、生活スタイルも違えば、貯蓄をする目的、必要な金額もそれぞれ違うからです。

収入に対しての貯蓄の比率が高ければよいというわけでもありません。必要なお金を貯めることができているのかという点が重要なのです。

そのため、毎月の貯蓄額は、ライフイベントなどの時期や必要な金額から逆算をして決めていきます。
何のために(目的)いつまでに(期間)いくら(金額)貯めるのかという目標が決まると、毎月貯蓄するべき金額はおのずからと決まってきます。

貯蓄目標が決まっていないという場合は、将来をイメージしてどのようなお金が必要なのか、いくらあったら安心なのかを考え、大まかでもよいので目標を決めるところから始めてみましょう。

プロフィール
秋山友美(あきやまともみ)

FP秋山さん.jpg

プロフィール
秋山友美(あきやまともみ)

FP秋山さん.jpg

湘南・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
CFP®(日本FP協会認定)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。
特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的に相談にも乗っている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、
人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。

公式ブログ編集部
5つの常識に対する回答はいかがでしたか?
後編ではさらに5つの質問に答えていただきます。

ソニー銀行で口座開設

関連タグ

おすすめ記事

コラム

最新記事