2024年12月6日(金)、日本時間22時30分に米国で11月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
今月の注目ポイント
「米12月利下げの有無のカギとなる重要な局面」
ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 石川 久美子
米国の大統領選を終え、ドル円相場は大幅にドル高が進んだり、円高に急激に振れたりと、荒い値動きが続いています。まず、足元の外国為替市場においては、主に、1.米国のトランプ次期大統領がどのような政策を行うのか、2.米国の金融政策、3.日本の金融政策、4.地政学リスクの4つの軸があり、各種ニュースが出るごとに右往左往している状態です。そのひとつ、2の米国の金融政策を考えるうえで非常に重要なのが、米雇用統計になります。
米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)は9月、労働市場は底堅い推移となっているものの、減速の兆しが見えてきていたことを理由に「予防的な」利下げに踏み切りました。
そして11月半ば、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は労働市場の現況について「(経済データは)利下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」とコメントしました。
とはいえ、他のFOMCメンバーからは利下げの必要性への言及も散見されており、12月の利下げに関して、市場では五分五分で見られています。
今回の米雇用統計が総合的に労働市場の強さを示す結果となれば、市場で織り込まれている12月利下げ観測が後退し、ドル高圧力になると考えられます。もちろん、総合的に労働市場が減速しており、「12月利下げを妨げるものではない」と判断されれば、ドルが売られるきっかけにもなり得るため、どちらにも大きく振れる可能性がある重要なイベントといえます。
プロフィール
石川 久美子(いしかわ くみこ)
プロフィール
石川 久美子(いしかわ くみこ)
商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から同社研究員として、外国為替相場について調査・分析を行う。2016年11月より現職。外国為替市場に関するレポート執筆の他、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」など多数のテレビやラジオ番組に出演し、金融市場の解説を行う。また、Xでの情報発信なども行っている。資源国・新興国通貨に強い。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2024年12月 | +18.5万人 | ||
2024年11月 | +10.0万人 | +1.2万人 | |
2024年10月 | +14.8万人 | +25.4万人 | +22.3万人 |
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2024年12月 | 4.2% | ||
2024年11月 | 4.1% | 4.1% | |
2024年10月 | 4.2% | 4.1% | 4.1% |
出所:時事通信社(2024年11月28日(木)時点)
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
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米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年11月1日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年10月4日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2024年9月6日発表分)