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2020年後半、この通貨のここに注目! (前編)

新型コロナ問題を経て、外貨を取り巻く環境も大きく変化しました。外貨投資をお考えのかたからすると、まだまだ多くの材料が残っており、なかなか整理がつかないというかたも多いのではないでしょうか。

そんな外貨を取り巻く状況を、各通貨ごとに、TVなどでおなじみのソニーフィナンシャルホールディングス チーフアナリスト 尾河眞樹に紐解いてもらいました。

前編
Q1.
まずは米ドルです。なんといっても11月には米大統領選も控えています。多くの材料があると思いますが、その中でも何に注目していますか?

A1.
3つ挙げるとすれば、
1.米中関係、2.米大統領選、3.FRBの金融政策です。

1.米中関係について
米中関係はここにきて一層冷え込んでおり、何かのきっかけで金融市場がリスクオフに転じ、円高が進む可能性はあるとみています。
調査機関ピュー・リサーチ・センターが7月に公表した米国人の対中感情に関するアンケート調査結果によれば、中国について「好ましくない」と回答した人の割合は73%と、2018年比で26ポイントも増加しました。コロナの影響が大きいとみられますが、このところ対中強硬姿勢を強めているトランプ大統領の支持率はじわり回復しつつあります。トランプ大統領が「中国叩きは票になる」と思えば、さらなる強硬策に出る可能性もあるでしょう。2020年2月に発効した米中第一次通商合意はとりあえず維持されることとなりましたが、米大統領選に向けてトランプ、バイデン両陣営が、対中強硬姿勢を競い合っているようなところもあり、今後米中関係が一段と悪化するリスクは残るとみています。

2.大統領選について
トランプかバイデンかの議論も大事ですが、上下院をどちらの政党が獲るかも重要です。
例えば、上下両院を民主党が獲っても、トランプ氏が再選すれば民主党の政策に対して拒否権を濫用する可能性があります。また、バイデン氏が勝利しても上院を共和党が握れば、審議妨害(フィリバスター)によって、同様に政策が停滞する可能性もあります。

3.FRBの金融政策について
FRBの金融政策は、2022年までゼロ金利との方針を示しているわけですから十分緩和的です。ただ、仮に今後米国版イールドカーブコントロールを導入するなど、さらなる追加緩和に踏み切ればドル安が進行すると思われます。その時は米株価が上昇するでしょうから、円安圧力もかかりやすくなるため、ドル円は比較的堅調に推移する可能性が高いとみています。


Q2.
前回(2016年11月)の大統領選では、事前予想に反したトランプ大統領の誕生により、大きく為替相場が動きました。今回も同様に為替相場が大きく動く可能性はありますか?

A2.
前回もそうでしたが、過去の大統領選では選挙後にドル円は上昇(ドル高円安が進行)する傾向がみられました。過去6回の大統領選をみると、オバマ大統領の第1期(2008年)はリーマンショックの直後だったこともあり、ドル円は選挙後も軟調地合いが続きましたが、それ以外の大統領選では上昇しています。大統領選は米国、ひいては世界のリーダーを決めるといえる重要なイベントです。したがって、新たな大統領の公約実行への期待は大きく、これがドル円上昇の背景にはあると思います。
今年については、新型コロナの影響や、米中関係の悪化、また、FRBの緩和的な金融政策などがドル円の上値を抑える可能性が高く、ドル円が前回ほど鋭角に上昇する可能性は低いでしょう。ただ、大統領が決まれば、前述したような、議会と大統領の「ねじれ」が明らかに政策の実行を阻むようなケース以外は、少なくとも株式市場はポジティブに反応し、これにつれてドル円も小幅ながら上昇する可能性は高いとみています。

ドル円月足チャート 2015年1月 117.49円 7月 123.89円 2016年1月 121.14円 7月 102.06円 2017年1月 112.80円 7月 110.26円
2018年1月 109.19円 7月 111.86円 2019年1月 108.89円  7月 108.78円 2020年1月 108.35円 7月 105.83円

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インタビュー後編では、その他の通貨についても語っていただきます。
後編へ続く

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