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米雇用統計・今月の注目ポイント(2022年07月08日発表分)

2022年7月8日(金)、日本時間21時30分に米国で6月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント「平均時給の伸び鈍化が見られるか」

ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 石川 久美子

米連邦準備理事会(FRB)は6月15日、米連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を0.75%引き上げ、1.50~1.75%と、予告よりも大幅な利上げを決定しました。事前に発表された5月消費者物価指数(CPI)において、インフレ再加速が示されたためです。パウエルFRB議長は会見で、コロナ禍からの経済活動再開による需要増、ウクライナ危機・中国のゼロコロナ政策による供給制約などによって、広範な財・サービスの価格上昇が引き起こされているとコメント。また、こうした高インフレが経済的弱者の負担となっていることから、物価安定を早期に実現することの重要性を強調しました。その後、市場では7月26日~27日のFOMCにおいても、0.75%の追加利上げが決定されるのではないかとの見方が広がり、これがドル高圧力となっています。

目下のところ、急ピッチの利上げによって本当にインフレが抑制できるのかが焦点。財部分は国際商品市況次第ですが、サービス部分は賃金と家賃が大部分を占めています。つまり、今回の米雇用統計において、平均賃金の伸びに鈍化が見られるかは今後のインフレ動向を見定めるうえで非常に重要と言えます。5月(前年比+5.2%)は4月(+5.5%)から鈍化が見られていましたが、一段と鈍化するようならば、9月以降の利上げペースが大きく落ちるのではとの見方が広がる可能性があります。そうなれば、発表直後はドル売りが強まる公算です。もちろん、失業率や非農業部門雇用者数についても、労働需給のひっ迫感を確認するうえで注目されるでしょう。総合的に今後のインフレ抑制が期待できる内容となるかがポイントです。一方、今後のインフレ加速が示唆される結果となればドル高要因となるでしょう。

プロフィール
石川 久美子

プロフィール
石川 久美子

 

商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から同社研究員として、外国為替相場について調査・分析を行う。2016年11月より現職。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化 (万人)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2022年7月 +30.3(万人)
2022年6月 +32.6(万人) +39.0(万人)
2022年5月 +38.1(万人) +42.8(万人) +43.6(万人)

失業率(%)
発表年月 予想値 実績値 修正値
2022年7月 3.6%
2022年6月 3.5% 3.6%
2022年5月 3.5% 3.6% 3.6%

出所:時事通信社(2022年7月1日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

雇用統計タイムセール
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米雇用統計・今月の注目ポイント(2022年05月06日発表分) 
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