はじめに
投資は「長期・分散・積立」が基本と言われています。
時間を味方につけてコツコツと「長期」で「積み立て」るというのはイメージしやすいですが、「分散」とは具体的にどのようにすればいいのか、いまひとつわからないというかたも多いのではないでしょうか。
今回は、投資の基本的な戦略のひとつである「コアサテライト戦略」についてわかりやすく説明します。
コアサテライト戦略って?
「コアサテライト戦略」とは、運用資産を守りの資金(コア)と攻めの資金(サテライト)に分け、それぞれの目的にあわせて異なる投資対象で運用を行う手法のことです。
運用の「核(コア)」となる部分を長期的に安定運用が期待できる商品で運用し、「衛星(サテライト)」の部分で積極的に収益を狙う運用を行うことからその名が付きました。
コア部分は安定的な資産を長期でじっくり持ち続けることで、運用資産全体の土台を担います。サテライト部分ではコア部分よりもリスクを取って、より大きなリターンを目指します。両者をバランスよく保有することで、運用資産全体のリスクを抑えながらもリターンの獲得を目指すことができます。
なお、大前提として、投資に充てるのは使う時期が特に決まっていない資金や将来に向けてふやしておきたい資金のような「使い道の決まっていないお金」です。投資をする前に資産の用途分けを行い、日常の生活費や教育費、治療費など使い道が決まっている資金は預金や保険などで保有しておくとよいでしょう。
コア部分とサテライト部分の配分は?
運用資産の何割をコア部分に充て、何割をサテライト部分に充てるかは一人ひとりの投資の考え方や資産状況によって異なるため一概に決まりはありませんが、目安としては理想的な配分目安と言われているものがあります。
コア部分:運用資金の70%~80%程度
サテライト部分:運用資金の30~20%程度
「日々の値動きに一喜一憂したくない」「大きく増えなくてもいいから、時間をかけてコツコツ増やしたい」というかたはコア部分を多めに、「リスクを取っても積極的に収益を狙いたい」というかたはサテライト部分を多めに持つとよいでしょう。
コアとサテライト、それぞれどんな商品で運用すればいいの?
いざコアサテライト戦略で運用してみようと思っても、具体的にどんな商品に投資すればよいか迷いますよね。そこで、ソニー銀行で取り扱う商品の中からコア部分とサテライト部分におすすめの商品の一例をご紹介します。
コア部分は、運用資産全体の土台を担うことから、安定したリターンが期待できる長期分散投資での運用がおすすめです。さまざまな資産や国・地域にあらかじめ分散投資をしている投資信託などをコア部分に持つと、リスクをより分散させ安定的な運用が期待できます。
コア部分におすすめの商品の一例
バランス型投資信託
・eMAXIS最適化バランス(マイミッドフィルダー)
・世界経済インデックスファンド
・投資のソムリエ など
おまかせ資産運用サービス
・WealthNavi for ソニー銀行
・ON COMPASS+(対面限定)
サテライト部分は、収益獲得のエンジンになるよう比較的値動きの大きな商品に投資することが一般的です。国内外の株式や新興国債券、REITなど、ひとつの商品だけに投資をするのではなく、値動きの異なる複数の商品に分散投資をしたり、市場環境などにあわせて柔軟に投資対象を見直しすることで継続的にリターンを狙うことができます。
サテライト部分におすすめの商品の一例
国内株式
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ 日経平均インデックスファンド
・フィデリティ・日本成長株・ファンド
海外株式
・iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド
・ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
積立投資による時間分散でよりリスクを低減
サテライト部分で保有する商品は市場環境によって大きく値動きすることがあるため、タイミングを見て売買することが理想ですが、いつ買ったらよいのかタイミングをつかむのは難しいと感じるかたも多いと思います。
そこでおすすめなのが、積立投資です。積立投資は定期的に決まった金額を購入するため、投資のタイミングを気にする必要がありません。また、毎回異なる価格で購入することで、積み立てを継続するごとに時間分散効果により投資対象の購入価格が平準化され、リスクを抑える効果が期待できます。
おわりに
投資にはリスクがつきものですが、投資手法の工夫で一定程度リスクを抑えながら、リターンを狙うことができます。その中でも「コアサテライト戦略」は投資をはじめて間もないかたから、投資経験の長いベテランまで、幅広く用いられている投資の基本的な考え方です。分散投資のひとつの手法として、ぜひコアサテライト戦略を取り入れてみてください。