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「米国」か「日本」か、あるいは「全世界」か?まずはインデックスファンドで始めてみよう

新NISAのスタート、日経平均株価の史上最高値更新という大きなニュースが重なったこともあり、資産形成への注目が高まっています。すでに新NISA口座を開設したかたも多いようですが、最初のハードルとなるのが商品の選択かもしれません。

インデックスファンドとアクティブファンドの違いとは?

そもそも新NISAの対象となる商品は、主に投資信託と個別株式に分けられます。そのうち個別株式については、確かに身近な企業も多く、一見、取っ付きやすいものの、必ずしも長期の資産形成に向いているとはいえないことに注意が必要です。どんなに有名な大企業であっても、10年、20年先にどうなっているのかは誰にもわからないからです。

場合によっては投資先の企業が倒産してしまうことさえありえますから、もしそうなれば、大切な資産がゼロになってしまう可能性もあり、さらにNISA口座で保有していると、利益が出ている商品との損益通算もできません。数社程度の企業の株式に投資するのはそれだけリスクが高いわけで、やはり長期の資産形成には、投資対象が複数の企業や資産に分散されている投資信託が適しているでしょう。

また、投資信託と一口にいっても多くの種類があり、投資対象の資産や地域、運用手法などで分類できますが、運用手法に着目すると、大きくインデックスファンドとアクティブファンドに分かれます。

まずインデックスファンドとは、日経平均株価や米国のダウ平均株価など市場全体の動きを示す指数(インデックス)への連動を目指して運用される投資信託のこと。それに対してアクティブファンドは、ファンドマネージャーをはじめとする運用者が株式や債券などの銘柄を見極めて選択し、指数を超える運用成果を目指す投資信託のことです。

例えば日経平均株価は日本を代表する225の企業の株式から構成される指数ですが、その中には当然、業績が好調な企業も低調な企業も含まれています。アクティブファンドはそうした多くの企業の中から、より有望と思われる銘柄のみを選択することで、指数を超えるリターンの獲得を狙いにいくわけですね。

このように書くと、インデックスファンドよりもアクティブファンドのほうが優れていると思われてしまうかもしれません。確かに、指数よりも高いリターンを狙える点がアクティブファンドの大きな魅力である反面、運用者の手腕次第で成果に差が出てしまうのも確かです。事実、運用成果が指数を下回っているアクティブファンドは少なくありません。だからこそ、アクティブファンドの選択にはその良し悪しの見極めが不可欠になるのです。

一方のインデックスファンドは、同じ指数に連動するものであれば基本的に運用成果はほとんど変わりません。コスト(信託報酬)の差にさえ注意すれば、選択はそれほど難しくないといえるでしょう。しかも日経平均株価やダウ平均株価の推移はテレビのニュースなどでも報道されるため、値動きがわかりやすいというメリットもあります。そのため、投資初心者であればまずインデックスファンドから入り、慣れた段階でアクティブファンドを追加するのがおススメです。

株式市場の「指数」にはどんな種類があるのか

とはいえ、指数にもさまざまな種類がありますから、ここからは代表的な指数をいくつかご紹介します。

まず国内の株式市場の指数といえば、何度が例に挙げている「日経平均株価」が最もよく知られているでしょう。前述の通り、日経平均株価は225の銘柄から構成されますが、これは東京証券取引所のプライム市場に上場する約2,000社の中から厳選された銘柄で、大企業が中心になっています。

日経平均株価と並んで普及しているのが「東証株価指数(TOPIX)」で、こちらは東証プライム市場の全銘柄(旧東証一部で、現スタンダート市場の銘柄も含む)の時価総額を指数化したもの。日経平均株価とTOPIXとでは算出方法も異なり、日経平均株価は一部の株価の高い銘柄の影響を受けやすいといった特徴もありますが、構成銘柄の数の差が最も大きな違いといえるでしょう。一般的に銘柄数が多ければリスクは低い傾向にあり、また、この10年の実績で見ると、日経平均株価のほうがリターンは高くなっています。
(参考ファンド)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ 日経平均インデックスファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ TOPIXインデックスファンド

次に、海外の株式市場の指数といえば、こちらも何度か取り上げている米国の「ダウ平均株価」の知名度が高いかもしれません。ダウ平均株価はダウ・ジョーンズ工業株価平均のことで、NYダウと呼ばれたりもします。アマゾンやマイクロソフトなど輸送と公共事業を除いた米国を代表する30の優良企業から構成され、その銘柄は定期的に見直されています。
(参考ファンド)
iFreeNYダウ・インデックス

米国の株式市場の指数としては、「S&P500」もよく知られています。S&P500はスタンダード・アンド・プアーズ500種指数のことで、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している企業から500社を選定し、その銘柄の時価総額をベースに算出されるもの。ダウ平均株価に比べて銘柄数は多いものの、やはり米国を代表する大企業が中心になっています。
(参考ファンド)
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド<愛称:SBI・V・S&P500>

米国にとどまらない、世界中の株式市場の動きを示す指数の代表といえば、「MSCI ACWI」でしょう。「ACWI」はAll Country World Indexの略で、「アクウィ」と読まれるのが一般的です。同じく全世界の株式市場を示す指数として「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」も広く普及していますが、MSCI ACWIと比べて構成銘柄数が多く、大企業だけでなく規模の小さな企業も含まれている点が特徴です。
(参考ファンド)
たわらノーロード 全世界株式
楽天・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・VT>

どの指数に連動するインデックスファンドを選ぶ?

これら多くの指数、特に海外株式の指数の中からどれを選べばいいのか、迷ってしまうという人は少なくないようです。当然、どの指数が最も優れているとはいえないものの、すでに述べた通り構成銘柄数が多く、地域的にも分散されているほうがリスクは低い傾向にあります。ただし、米国はいわずと知れた世界一の経済大国で、米国の大企業の多くはグローバルに展開しているため、一国でありながら地域的に分散されていると見ることもできるでしょう。

最終的には、やはりみなさんの考え方次第。今後も米国企業の優位性が続くと予想するのであればダウ平均株価やS&P500に、新興国の台頭なども見据え、世界中の企業に投資したいのであればMSCI ACWIやFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するインデックスファンドを選ぶというイメージでしょうか。

さらには、日本を除く先進国の銘柄から構成される「MSCIコクサイ・インデックス」という指数もあります。日本が含まれていないため、この指数に連動するインデックスファンドは日経平均株価やTOPIXのインデックスファンドと組み合わせるのにも適しています。
(参考ファンド)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド

株式市場の動きを示す指数にはまだまだ多くの種類がありますが、投資初心者のかたであれば、これまでご紹介したものを知っておけば十分かもしれません。もちろん、ソニー銀行にはこれらの指数に連動したインデックスファンドがすべてそろっています。

また、指数には株式市場だけではなく、債券市場やREIT(不動産投資信託)市場の動きを示すものもあります。これら複数の指数を組み合わせたバランス型ファンドもありますので、なるべくリスクを抑えたいというかたは、そちらを選んでもいいでしょう。

みなさんもここまで見てきた指数の違いを踏まえ、まずはインデックスファンドで資産形成の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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