ホーム コラム 「ひふみプラス」の藤野英人さんにアクティブファンドの魅力を訊く(前編)

コラム

「ひふみプラス」の藤野英人さんにアクティブファンドの魅力を訊く(前編)

はじめに
こんにちは。ソニー銀行の工藤です。
このたび、「ひふみプラス」ファンドマネージャーの藤野さんに、投資信託の初歩的なことから深いところまで、質問に答えていただきました。積立件数ランキングで長らく1位を維持している「ひふみプラス」。藤野さんがファンドを通じて皆さまに伝えたいことはなんなのでしょうか。

fujino.PNG

藤野 英人氏
レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役会長兼社長 最高投資責任者(CIO)
「ひふみプラス」ファンドマネージャー

工藤:
お客さまからよくいただく質問に藤野さんに答えていただきたいと思います。初歩的なこともお尋ねしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

Q1. アクティブファンドと、インデックスファンドの違いについて教えてください。

工藤:
投資信託を大きく分けると、"インデックスファンド"と"アクティブファンド"があるかと思います。まずはこのふたつの運用の違いについて教えていただけないでしょうか。

藤野さん:
はい。まずインデックスとは、日本経済新聞社が算出する日経平均株価や東京証券取引所が算出するTOPIXなど、各国の株式市場の値動きを示す指標であり、インデックスファンドとは、それぞれのファンドが採用するインデックスの値動きに連動するように運用されるファンドのことを言います。

工藤:
ニュースを見ていると"日経平均株価"や"NYダウ"といった単語を聞くことも多いかと思います。そういった、指標に連動するように運用されているファンド=インデックスファンド、ということですね。

藤野さん:
そうです。したがって、インデックスファンドが投資対象とする企業は、日本経済新聞社などの算出機関が選定した企業に限られます。また、それらの企業をどの割合で保有するかについても、算出機関の採用する方法に縛られることになります。

工藤:
なるほど。では、「ひふみプラス」のようなアクティブファンドの場合、どのように投資対象が決定されるのでしょうか。

藤野さん:
アクティブファンドの場合は、どの企業に投資するか、また、それらの企業をどの割合で保有するかについては、ファンドマネージャーの判断に大きく左右されます。

工藤:
「ひふみプラス」のファンドマネージャーは、藤野さんですね。つまり、最終的な投資の決定権は、藤野さんにあるということですね。

Q2. インデックスファンドにはない、アクティブファンドの良いところってなんですか。

工藤:
ファンドの違いは整理できたと思います。では、アクティブファンドの良いところを、ぜひ「ひふみプラス」を長く運用する藤野さんから、改めて聞いてみたいですね。

藤野さん:
そうですね。アクティブファンドは、「柔軟な運用」ができるという利点があります。
例えば、国内の景気が良好で、企業が一律に良い業績を上げている時代であれば、どの企業に投資するかということはあまり重要ではないため、インデックスファンドでもアクティブファンドでも成績に差が出てこない可能性はあります。

工藤:
たしかに、すべてが良いというときは満遍なく良くなる場合もありますからね。

藤野さん:
しかし、昨今のコロナ禍のような状況においては、航空業界や旅行業界など大きな打撃を受け業績が低迷している企業もあれば、インターネットを駆使したサービスを提供する企業や在宅勤務に必要なツールを提供する企業などは過去最高の業績を出しています。もし、コロナ禍などを想定せずに算出されるインデックスに連動するインデックスファンドに投資をしていた場合、結果として業績が悪い企業にも良い企業にも投資を行うことになります。

工藤:
インデックスに採用される企業の入れ替えは年に1回程度ですものね。柔軟に運用できるかというと、そうではない、と。

藤野さん:
一方で、「ひふみプラス」のようなアクティブファンドであれば、ファンドマネージャーがそのときの経済情勢などを踏まえて、柔軟に企業の選別を行います。
将来の業績への期待が高まりA社の株価が非常に割高である一方で、堅実な経営で市場の期待値が低くB社の株価が割安となっているという状況があるとしても、インデックスファンドだとA社の株式を売却してB社の株式を購入するなどの判断はできません。
一方で、アクティブファンドであれば、そのような個別株を売却・購入し、保有割合を変更する判断もファンドマネージャーが自由に選択できます。こういったことも、アクティブファンドならではの「柔軟な運用」と言えますね。

工藤:
投資のプロが味方についていてくれると、お客さまとしても心強いと思います。

Q3. インデックスファンドはリスクが低いと聞いたことがあるのですが、本当ですか。

工藤:
インデックスファンドは全体的に満遍なく投資しているのでリスクが低い、と思われるお客さまもいらっしゃるようです。

藤野さん:
たしかに、インデックスファンドのリスクが低いという話は、個別株を保有することと比較して、ということになりますね。幅広い業種の複数の企業に投資をした方が、個別の企業に投資をするよりも、良い意味でも悪い意味でも特定の業界やその企業の特徴などから受ける影響を軽減することになり、より安定的に資産形成を行なうことができます。

工藤:
俗にいう、「分散効果」ですね。

藤野さん:
はい。しかし、これは複数の企業に投資するアクティブファンドも同様であり、分散効果という意味ではどちらも変わりません。アクティブファンドのリスクについて敢えて言うならば、「ファンドマネージャーが優秀かどうか、信頼できるかどうか」ということになります。
お客さまがアクティブファンドで資産形成したいとお考えならば、貴重な財産を預けるに値するファンドマネージャーに出会うことができるかどうか、ということが非常に大切です。そして、そこだけはお客さま自身でアンテナを広げて、探さなければならないのです。

工藤:
なるほど。でも、お客さまからしてみたら、そこの見極めは難しいのではないでしょうか。

藤野さん:
顔が見えない、よくわからない人に大切な資産を預けるのは誰もが不安になりますよね。
だからこそ、僕らは"顔が見える運用"をしています。運用するメンバー、ファンドマネージャーが何を考えているのか、どんな目線を持っているのか?さまざまなことを、お客さまに対してお伝えしています。そして、運用状況をよいときも悪いときも透明性を持ってお客さまへ直接お伝えすることで、運用者としての説明責任を十分に果たすことが大切だと思っています。

Q4. 「ひふみプラス」の、柔軟な運用の例を挙げてくれませんか。

工藤:
「柔軟」と言っても、お客さまにはなかなかわかりづらいですよね。何か、具体例があればと思うのですが、いかがでしょうか。

藤野さん:
「ひふみプラス」は企業規模、業種関係なく成長企業に投資しています。それに加えて、純資産総額における現金比率を50%未満まで引き上げられるようなしくみにしてあります。

工藤:
非常事態のときに、現金比率を上げることができれば下落リスクの抑制ができますね。

藤野さん:
そうですね。例えば、2020年2月末のコロナショック時、「ひふみプラス」は株価の急激な下落ショックのダメージを少なくするために保有している株式を一部売却して現金比率を約31%に引き上げました。そして2020年3月末には現金比率を徐々に下げています。 全体的に株価が急激に下落したときは、現金比率を上げて基準価額下落のショックをやわらげ、株価が安くなった良い成長企業の株を購入することができました。 このような柔軟な運用は、強みのひとつだと思います。

2020年2月末
国内株式56.96% 海外株式11.82% 現金等31.22%

2020年3月末
国内株式68.20% 海外株式11.51% 海外投資証券1.04% 現金等19.25%
※配分比率はひふみ投信マザーファンドの純資産総額に対する比率です。
※「海外投資証券」はリート(不動産投資信託)などです。
作成:レオス・キャピタルワークス株式会社

藤野さん:
そして、企業規模・業種問わず、成長企業に投資しています。それは、成長に企業の大きさも、業種も関係ないからです。
世の中の情勢は時の経過によって変化していきます。偏りなく、幅広い成長企業に投資ができるということは、「世の中の変化に応じて成長する企業を組み入れられる」ということです。

Q5. 「ひふみプラス」の投資対象は"国内外株式"とあります。2017年から一部海外株に投資をしていますが、どうしてですか。

工藤:
現在は海外株式を10数%いれてらっしゃいますよね。こちらはいかがでしょうか。

藤野さん:
はい。海外企業に一部投資しているのは、「日本の大企業の代替としている」のが理由です。
日本の大企業は残念ながら成長している企業が少なかったこともあり、その代替として、時価総額上位に業績が伸びている企業が多い海外の成長企業を10数%組み入れています。
質問への答えとしては、ファンドの規模が大きくなってきたからということもありますが、投資をしたくてもできなかったからという理由が大きいです。海外への投資を検討できる調査・運用体制が整ったということもあり、海外株の組み入れを始めることができました。これが結果として、将棋で言うところの「手」が増えましたね。

Q6. 運用する金額が大きくなると、運用しづらくなりませんか。純資産総額が大きいのが不安です。

工藤:
これも、よくある質問かと思います。2012年から運用を始められて、非常に大きなファンドになられたと思いますが、純資産総額の大きさは、運用の足かせになっていますでしょうか。

藤野さん:
そのようなこと全くありませんね。お客さまにも安心して持ち続けていただきたいと思います。
「ひふみプラス」はアクティブファンドとして、柔軟な運用を続けています。それは、先ほどの質問でお答えした通り、純資産総額が大きくなっても変わりません。また、日本では大企業の成長率が低いので、日本株はダメだと思われがちですが、伸びていないのは大企業だけで、ほかに成長している企業はたくさんあります。
ひふみは日本の中では純資産が大きいファンドになりましたが、世界的に見ればまだまだ小さいです。数ある成長企業に投資をするのに、純資産は足かせには決してなりません。"小粒なファンド"のままでは社会的責任は果たせない、と私は考えています。

後編へ続く

ソニー銀行で口座開設

関連タグ

投資信託

おすすめ記事

コラム

最新記事