ホーム コラム お金や投資の常識をアップデートする10の質問(後編)とにかく貯まる貯蓄方法は?何円貯蓄できれば安心?(FP相談室)

コラム

公開:

お金や投資の常識をアップデートする10の質問(後編)とにかく貯まる貯蓄方法は?何円貯蓄できれば安心?(FP相談室)

目次

お金や投資の世界には、「とにかく貯まる貯蓄の方法はある?」「何円貯蓄してあれば安心?」など、常識といわれるセオリーやアドバイスがあります。

しかし世の中の変化にあわせてアップデートが必要ではないでしょうか。
お金の専門家であるファイナンシャルプランナーによくあるお金や投資の常識をどう考えたらいいか、聞いてみました。

前回「お金や投資の常識をアップデートする10の質問(前編)家計簿はつけるべき?毎月の収入の何%は貯蓄するのが正解?(FP相談室)」に続く後編です。

6.とにかく貯まる貯蓄の方法はないですか?

確実に貯めるためには「天引きする」または「自動的に貯まる」ようなしくみを作るのがコツです。

例えば、次のような方法があります。

・勤務先に財形貯蓄制度など、給与から自動的に天引きされる制度があれば利用する。
・給与の振込先を2箇所以上に分けられる場合は、ひとつを貯蓄専用の口座にし、毎月貯蓄する金額をその口座に振り込んでもらう。
・普通預金から自動的に積み立てる積立定期預金を利用する。
・個人年金保険などの貯蓄型の保険を利用する。
・投資信託の自動積み立てを利用する。

貯蓄をしたい期間や目的にあわせて、自動的かつ強制的に積み立てをする仕組みを作ることがポイントです。

また、簡単には取り崩しができないよう、できるだけお金を引き出すのに手間がかかるような商品を選ぶとさらに効果的です。

7.ここにはお金をかけるというこだわりはありますか?

例えば、「美容」や「趣味」など、人に何を言われようと、ここには使いたい!というお金はありますか? 

他の人から見たら無駄使いに見えたとしても、自分がこだわってお金を使っているのであればそれは「使うべきお金」と考えられます。

お金は使ってこそ、その価値を発揮します。お金をうまく活用するためには「使う力」を磨くことも必要です。

「使う力」がある人は、自分が価値を感じ、お金をかけると決めているところには、惜しみなくお金を使う一方で、その他の支出を徹底的に抑えるというように、支出にメリハリをつけています。

「使う力」を磨くためには、自分が何を大切にし、どんなことに価値を見出しているのか、自分の価値観や軸を明確にすることから始めてみましょう。

8.いま自分がお金をいくら持っているか知っていますか?(8つの確認項目)

家計管理のスタートは現状把握です。
確認項目を参考にして、預貯金などのいますぐに使えるお金と、退職金のように将来入ってくる予定のものを把握して、資産の見える化をしましょう。

確認項目
・普通預金や定期預金など、預貯金の残高
・財形貯蓄制度、共済貯金など勤務先でおこなっている積立貯蓄の残高
・学資保険、個人年金保険、終身保険など貯蓄型の保険の満期金と現在の解約返戻金
・投資信託、株式など 投資商品の時価
・お勤め先の退職金、企業年金などの将来の受け取り見込み額
・企業型確定拠出年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)、小規模企業共済などの積立額
・公的年金の見込み額(50歳以上)
・これまでの加入実績に応じた年金額(50歳未満)とねんきんネットなどで試算をした見込み額

公的年金の見込み額や、勤め先の退職金制度といった将来入ってくるはずの資産を把握することは、老後のための資産形成を考える上で重要です。ぜひこの機会に確認してみましょう。

9.いくらあったら安心ですか?

いくらあったら安心かは人それぞれです。10万円あれば十分というかたもいれば、1億円あっても不安というかたもいますので、自分にとって安心できる金額を具体的に計算してみましょう。

・生活防衛費
万一のときに家族の生活を継続するために必要なお金です。
一般的には生活費の3ヶ月分から1年分といわれますが、何ヶ月分を準備しておけば自分が安心なのかを考えて金額を決めましょう。

・病気になった場合の治療費など備えておきたいお金
生活防衛費以外に、安心のために備えておくお金です。例えば、病気になった時の治療費の負担が心配であれば、まず健康保険などの公的な社会保険制度を確認します。それを踏まえて、どの程度の備えが自分に必要かを考えましょう。貯蓄で備えるだけでなく、生命保険等を活用するのも一手です。

・将来使う予定のお金
車の買い替え費用、住宅購入の頭金、リフォーム費用、子どもの教育費、老後資金など、今後使う予定があるものについて、いついくら必要なのか計画してみましょう。

このように必要な金額を具体的にすることで、いまの段階でいくら準備できていて、いくら足りていないのかがわかるため、過度な不安を感じることなく、計画的に貯めていくことができます。

10.お金を貯める目的は絶対に必要ですか?

「いまは具体的な目的があるわけではないが、とにかくお金を貯めておきたい」という人もいると思います。絶対にお金を貯める目的が必要なわけではありません。

しかし、漠然と貯めるよりもゴールを設定しておいた方が進捗状況の確認もしやすく、貯めるモチベーションが高まるはずです。

預貯金で貯めるのか、投資でふやすのか、NISAやiDeCoなどの制度を活用するのかなども、貯める目的や期間によって違ってきます。

具体的に使う目的はないとしても、お金を貯めることで「安心感を得たい」、「経済的な自由」を手に入れたいなどお金を貯めたい理由はあると思います。

最低限、いつまでにいくら貯める、という目標設定はしてみましょう。理由はなくとも、まずは、300万円を貯める!でもよいと思います。

目標の金額に向かってお金を貯めながら「目的」ができたタイミングで改めて金額や商品などを考え直してもよいのではないでしょうか。

プロフィール
秋山友美(あきやまともみ)

プロフィール
秋山友美(あきやまともみ)

湘南・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
CFP®(日本FP協会認定)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。
特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的な相談にも乗っている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、
人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。

公式ブログ編集部
前編に続き後編を公開しました。どうでしたか?
お金や投資の世界に限らず、世の中のセオリーや常識のなかには、過去の時代背景に基づいたものもあります。新しいツールによって前提が変わっているかもしれません。
正解と思い込まずに柔軟に考えたいものです。

ソニー銀行で口座開設

関連タグ

おすすめ記事

コラム

最新記事