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米雇用統計・今月の注目ポイント(2023年9月1日発表分)

2023年9月1日(金)、日本時間21時30分に米国で8月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント
賃金インフレと9月追加利上げの可能性を模索

ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 石川 久美子

前回7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回った一方、労働参加率が横ばいの中で失業率は低下。平均時給は市場の減速予想(前年比+4.4%→+4.2%)に反して横ばいという結果で、労働需給が依然としてタイトである様子を映す結果となりました
その後発表された7月消費者物価指数(CPI)・総合は市場予想を下回ったものの、前月から伸びが加速している状態。さらに、8月16日に発表された7月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨においても、「大半の参加者は、インフレに著しい上振れリスクがあり、金融政策の追加引き締めが必要になり得るとの認識を引き続き示した」とのコメントもあり、依然としてインフレの上振れに対してFOMCメンバーは強く警戒していることが明らかとなっています。

9月1日発表の8月雇用統計においても、労働需給のタイトさが重ねて示される場合、9月FOMC(9月19~20日)ないし11月FOMC(10月31日~11月1日)での追加利上げの可能性を織り込む動きが強まり、ドルの上昇圧力となる可能性があります。
ただし、8月雇用統計の発表後、9月FOMCの前には8月CPI(9月13日)の発表があります。市場ではこれを確認したいという向きも多いと考えられることから、8月雇用統計へのドル円相場の反応は一時的なものに留まると考えられます。

プロフィール
石川 久美子

プロフィール
石川 久美子

 

商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から同社研究員として、外国為替相場について調査・分析を行う。2016年11月より現職。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化
発表年月 予想値 実績値 修正値
2023年9月 +16.5万人
2023年8月 +18.7万人 +19.9万人
2023年7月 +22.9万人 +20.9万人 +18.5万人

失業率
発表年月 予想値 実績値 修正値
2023年9月 3.6%
2023年8月 3.6% 3.5%
2023年7月 3.6% 3.6% 3.6%

出所:時事通信社(2023年8月25日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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過去の記事はこちら

米雇用統計・今月の注目ポイント(2023年8月4日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2023年7月7日発表分)
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