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あなたの預金が目減りする!? 「値上げ」がもたらす重大なインフレリスク

なぜ資産形成するのか? それは「お金を増やす」ためだと考える人は多いでしょう。もちろん、お金を増やすことは資産形成の大きな目的のひとつではありますが、もうひとつ、忘れてはいけないのが「お金を守る」という目的です。

せっかく蓄えた資産の価値が下がるリスク

ここ最近は「値上げ」に関するニュースを耳にする機会が増えてきました。その要因としてはさまざまなものが考えられますが、ウクライナ危機の影響もあってエネルギー価格や穀物価格などが世界的に上昇したこと。さらに生鮮食料品の値上げについては、2023年の記録的な猛暑も一因になったようです。

これらの値上げは皆さんにとっても、かなりの痛手になったはずです。物価の上昇は日々の暮らしを直撃するとともに、実はもうひとつの大きな問題を引き起こします。それは、いま保有している資産の価値が目減りしてしまうこと。これが「インフレリスク」です。

インフレとはモノの値段が上昇し続ける状態を指しますが、例えば1万円の預金があって、昨年まで1個100円のリンゴが今年200円に値上げしたとします。すると、それまで100個買えたリンゴが50個しか買えなくなってしまいます。つまり、これがリンゴだけにとどまらない物価の上昇ということになれば、同じ1万円でもその価値が実質的に下がってしまうわけです。

せっかく蓄えた資産が目減りしてしまうのですから、これは重大な事態です。にもかかわらず、日本はインフレとは逆のデフレの状態が続いてきたこともあり、インフレリスクがあまり意識されてこなかったようです。

このインフレリスクには、どう備えればいいのでしょう?その答えのひとつが資産形成です。資産形成は「お金を増やす」ためだけではなく、「お金を守る」ためでもあるということです。

インフレに強い資産とは何なのか?

資産形成のインフレに対する効果を具体的に見ていきましょう。資産といえばまず、現金や預貯金を思い浮かべる人も多いでしょうが、インフレの際にはその価値が実質的に下がってしまうのは前述の通りです。預貯金の場合には利息が付くものの、現在の日本の利息は限りなくゼロに近い状態です。インフレになれば金利が上昇し、利息も増える可能性はありますが、その上がるタイミングはインフレよりも遅れてしまう傾向にあります。

では、どんな資産を持っておけばいいのか。インフレに強いとされる資産は複数あり、「株式」がその代表と言われています。繰り返しとなりますが、インフレとはモノの値段が上がり続ける状態であり、企業が提供するモノやサービスの価格も上がるため、単純な金額ベースだけでも企業の利益は増大し、株価も上昇すると見込まれるからです。また、過去を振り返ってみても、長期で見れば企業はインフレを上回るペースで成長してきました。

ただし、どんな企業の株価でもインフレによって上昇するわけではありません。例えば、物価が上昇しても、値上げがしやすい企業とそうではない企業とがあるのは、感覚的に理解しやすいのではないでしょうか。さらにインフレによる金利上昇も、短期的には株価にマイナスの影響をもたらしやすいのも確かです。

株式がインフレに強いとしても、個別の企業の株式を持つのはリスクが高いかもしれません。やはり複数の銘柄に分散させることが大切で、そのためには投資信託を活用し、しかも長期で保有するのが効果的といえるでしょう。

インフレ時代には資産形成が不可欠に

もっとも、インフレ自体は決して悪いことではありません。日本は長らくデフレが続き、経済の成長も停滞してきました。最近は、日本の賃金が世界と比較して上昇していない点が問題視されていますが、それもデフレの影響が大きいでしょう。だからこそ、日銀は2%というインフレ目標を掲げてきたわけで、ゆるやかにインフレが続き、それに伴って賃金も上昇するのがむしろ望ましい状況なのです。

年齢が若く、資産もまだそれほど多くない人であれば、インフレに対してあまり神経質になる必要はないかもしれません。インフレが続けば、いずれは賃金も上昇すると考えられるからです。とはいえ、賃金の上昇はインフレよりも遅れ、しかも業種によってバラツキがあるのも事実。若い皆さんはせっかく長期の運用期間を確保できるわけですから、「守る」ことに加え、より「増やす」ことを意識した資産形成を始めてみてはいかがでしょう。

すでに一定の資産を蓄え、これから働ける期間がそれほど長くないという人だと、資産が実質的に目減りしてしまううえ、賃金の上昇もインフレに追いつけない可能性があります。リタイアしている人であれば、それ以上のダメージを受けることもあります。こうした人たちは、資産の一部で株式を保有するなど運用によるインフレ対策、「守る」ことに重点を置いた資産形成が重要です。

デフレからインフレへ。そんな時代が到来するなら、お金に対する考え方も大きく変えていく必要があります。その兆候が見えてきたタイミングで新NISAが始まったのも、決して偶然ではないのかもしれませんね。

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