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外貨預金と投資信託の併せ持ちのススメ。その効率的な割合とは?

本ブログは金融ライターの立花 倫さんが執筆しています。

「歴史的な円安」。最近はこの言葉を、ニュースやワイドショーなどでしばしば耳にするようになりました。もちろん、円安は物価上昇の一因であり、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしますから、多くの人が関心を持っているのも事実でしょう。

一方で、円安の恩恵を受ける人もいます。このブログを読んでいる皆さんの中にも、含み益を抱える外貨預金を保有していたり、すでに売却し、かなりの利益を得たりしたかたもいるかもしれません。

このように、外貨預金は円預金よりも相対的に高い金利に加え、円安が進むと為替差益を得られる点が大きな魅力です。では、老後資金の確保など将来に向けた資産形成のためには、外貨預金だけを持っていれば十分なのでしょうか。ここからは、外貨預金を含めた資産形成について考えてみたいと思います。

為替がどう推移するのかを予想するのは困難

ところで、「歴史的な円安」の原因はそもそも何なのでしょう? 一般的には、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)、政治、市場心理、地政学などの複数の要因があげられますが、実際にはさまざまな要因が重なって変動します。また、為替は相対的なもので、例えば円と米ドルであれば、円が米ドルに対して安くなると当然米ドルが高くなりますが為替がどう推移するのかを事前に予測することは困難です。

そのため、外貨預金を資産形成の手段にするのなら、金利を積み重ねることを第一の目的に、長期で保有し続けるのがセオリーです。ただし、預金は株式と比べて平均的にリターンが低く、インフレにも弱いといわれていますから、長期の資産形成では併せて株式なども保有しておいたほうがいいでしょう。

為替が相対的なものなのに対して、株式投資はどこかの企業の株価が上昇すれば、どこかの企業が下落するといった関係ではありません。企業が株式を通じて資金調達した資金が設備投資や新事業への投資などにつながり、結果として企業の売り上げが伸びて利益も増えれば、株価の上昇や配当金といった形で投資家に還元が期待できます。いわゆるWin-Winの関係になるということです。しかも長期で見れば、これまで世界の経済全体は拡大を続けてきたので、株式投資は資産形成の有効な手段になるわけですね。

外貨預金と投資信託、それぞれどれくらい保有すべき?

さらに「外貨」を保有しておくことは、リスクの分散にもつながります。日本は多くの借金を抱えていて、普通国債の残高は1,000兆円超、GDPの2倍以上と主要先進国の中で最も高い水準になっています。「いずれ国家は破綻し、超円安とハイパーインフレが起こって円も紙くず同然になってしまう。」そんな心配をする人もいるかもしれません。

そうしたリスクを避けるためには、資産を円と米ドルでそれぞれ半分ずつ持つといった選択もあり得るでしょう。前述の通り、為替は相対的なものなので、もし円の価値が極端に下がれば、その分、米ドルの価値は上昇します。今後どんなに中国などが台頭しても、おそらく米ドルは基軸通貨であり続けるでしょうから、これで「国家破綻」のような極端なリスクも避けられるのです。

もっとも、日本で生活している以上、資産の半分を米ドルで持つというのは、あまり現実的ではないかもしれません。それでも、ほとんどの人が預金や不動産といった資産の多くを円で抱えている点を踏まえると、少なくとも投資に回せる余裕資金についてはすべて米ドルにしても、決して過剰とまではいえないかもしれません。

では、具体的にどんな資産を持っておくべきなのか。繰り返しとなりますが、外貨預金と株式を併せ持てば、より高いリターンが期待できるうえにインフレにも強くなりますから、米ドル預金と米国株式を保有するのです。ただし、個別株の保有はリスクが高く、複数の株式を購入するには多くの資金も必要になります。分散の観点からいっても、やはり米国株を対象とするインデックス・ファンドなどの投資信託での保有をおススメします。

(参考ファンド)
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド<愛称:SBI・V・全米株式>
楽天・全米株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・VTI>
ジャナス・ストラテジック・バリュー・ファンド

次に、それぞれの比率はどれくらいにすればいいのでしょうか。これはなかなか難しい問題ですが、単にリターンの高低だけではなく、リスクとの関係で考えるのもひとつの方法です。例えば、代表的な投資対象である債券と株式の比率であれば、前提条件によっても異なるものの、7:3ほどがリスク対比で最大のリターンを得られる、つまりは効率的にリターンを得られる組み合わせだといわれています。例えば余裕資金が100万円ならば、債券に近いと考えられる外貨預金を70万円、米国株式の投資信託を30万円持つのです。ご自身の余裕資金をもとに、まずはこんな考え方で始めてみるのもいいでしょう。

外貨預金の次のステップとして、米国株式で運用する投資信託、あるいは米ドル建ての投資信託を併せ持つことを、選択肢に加えてみてください。

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