こんにちは、ネオンです。
LaLiga1部昇格最後の切符を賭けて戦うLaLiga2部のプレーオフがいよいよ始まりましたが、香川真司選手所属のレアル・サラゴサは1回戦で負けてしまい、念願の1部昇格ならず残念でした。
約1ヶ月にわたって実施されてきたLaLigaセミナー「#TodayWePlay」最終回のセッションがオンラインにて行われました。このセミナーには、LaLiga1部だけではなく2部のクラブも参加し、各クラブの歴史や特徴、クラブの存在意義などを語ってくれました。非常に興味深かったことは、各クラブの持つミッションやビジョンは明確になっており、LaLiga1部でも2部でも遜色ない点でした。今回は7月30日に開催されたセッション10のエルチェCFについてセミナー講義をレポートします。
エルチェCFはLaLiga1部での経験が少なく主にLaLiga2部をメインにプレーしてきたクラブです。2014-15シーズンに財政難で2部降格後は1部復帰を目指して戦っています。今年はLaLiga2部を6位でフィニッシュ、LaLiga1部昇格プレーオフ出場権を勝ち取りました。そのプレーオフ1回戦でレアル・サラゴサを破って勝ち進んでいるのがこのエルチェCFです。
明確なビジョンを掲げてクラブの成長を推進するエルチェCF！LaLiga1部復帰は？
ゼネラルダイレクターのPatricia Rodríguez氏が登場してクラブに関する情報を語っていただきました。彼女はエイバルのゼネラルダイレクターをしていた実績もあり、今年からLaLigaの副社長も兼務しているそうです。3年前エイバルで仕事をしているときに、LaLigaのCEOハビエル・テバスとともに日本に1週間滞在する機会があり、その際イベントなどでLaLigaと日本との絆について講演されたエピソードから話してくれました。
エルチェCFは1923年に創設、3年後の2023年には100周年を控えているクラブです。1923年に複数存在していたクラブが統合して創設されました。1960年代には12シーズン連続で1部でのプレーを続け、1976年にはホームスタジアム、エスタディオ・マヌエル・マルティネス・バレーロが建設されました。2013年には再びLaLiga1部に昇格したことなど、年代順にターニングポイントとなった出来事を話してくれました。
現在はクラブ再建ミッションとして新しいプロジェクトを進行しており、経済、スポーツ、社会の3つの側面に重点をおいて活動しています。最も大事にしていることはサステナビリティで、クラブが持っている伝統的な価値とこれから成長するうえで必要な価値を生み出すことで、クラブ再建を実現したいと力強く語ってくれました。
ホームスタジアムもこのプロジェクトには欠かせない要素で、2014年に大改修して比較的新しく、LaLigaベストスタジアム賞も受賞。スペイン代表がプレーすると必ず勝つというジンクスもあるようです。
「緑の縦線」と呼ばれるファンもこのプロジェクトを進めるための柱となっていて、国内で20グループ以上あるペーニャが新型コロナウィルスの危機的な状況においても、オンラインで積極的なコミュニケーションを図り、さまざまな社会活動を展開し、非常に大きな役割を果たしてくれたそうです。
今後はクラブのビジネスとしての成長を促進させることに焦点を当てていくそうで、収益面での多様化やクラブの国際化が不可欠と考えているそうです。新たな収益源の発掘や利益の最大化については、デジタル分野の発展やデータビジネス推進の必要性を説いていました。また、新たなファンとして若者を獲得していくためにeSportsとの取組みやTikTokなどのいろいろなソーシャルメディアを活用するということでした。クラブとしてブランド、コミュニケーション、ファンの3つを大切にし、成長していくために努力を続けたいという言葉の後に、受講者の質問にセミナー時間ギリギリまで答えていただき、セッションは終了しました。
LaLigaのオンラインセミナー「#TodayWePlay」は、7月23日に開催予定だったセッション8デポルティボ・ラ・コルーニャの延期分が残っていますが、それ以外はすべて終了しました。セッション8デポルティボ・ラ・コルーニャの延期分は、セミナーが開催されましたら、またブログで内容をレポートしたいと思います。
週2回のセッションでインプットも多く、非常に有意義な時間で勉強になりました。
参考
Elche CF | Elche - Web Oficial
