ホーム コラム ファンドマネージャーに訊く!「ひふみワールド+」【後編】

コラム

公開:

ファンドマネージャーに訊く!「ひふみワールド+」【後編】

こんにちは。ソニー銀行の工藤です。
レオス・キャピタルワークス株式会社の湯浅光裕さんへの「ファンドマネージャーに訊く!「ひふみワールド+」【後編】」をお届けいたします。

前編はこちら

湯浅光裕氏

工藤:
これも多くのかたからいただいた質問です。

Q2:銘柄選定の方針について教えてほしい。(60代女性・40代男性・50代男性)

湯浅さん:
この質問には、僕や藤野が務めているファンドマネージャーの仕事についてお話しするのがよさそうですね。

ファンドマネージャーの仕事って、言わば「穴探し」なんです。ポートフォリオ、つまりファンドに組み入れられている銘柄の集合体の穴探しです。僕らは、穴探しを毎日やっているのです。銘柄選定とは、言い換えれば「いかに穴を埋められるかどうか」なんです。それと同時に、「穴を埋めた瞬間、新たな穴ができる」という矛盾も生まれるんです。......難しいですよね(笑)

何故かというと、僕らは理想のポートフォリオを作るようにしていますが、世の中は刻々と変わります。故に、僕らが考えている方向が間違っているかもしれない、頭の中で思い描いていたものと違う未来になるかもしれない。だからこそ僕らは、理想を作りつつも、常に「間違えているかもしれない」という意識も常に頭に入れておくんです。これらを僕らは「穴がある」と言っています。

言葉遊びのようで恐縮ですが、理想のポートフォリオというのは、逆に言えば、「今は理想のポートフォリオじゃない」ということなんです。もっと具体的に言うと、保有していたら株価が上がるかもしれないという企業に僕らが感づいていない場合もある。そしてそれに関連する銘柄が入っていないのは、つまり穴となる。または、持っていて安心する銘柄や業種が、もしかしたら間違えているかもしれない。これも穴ですよね。

そして、世の中は日々変わっていきます。海外の動向も、各国の動きも、業種も、人も何もかも。例えば、現在は米国と中国が貿易戦争や覇権争いをしていますが、ある日ぱたっと収まったら、これらに関係する銘柄はまた変化しますよね。だからこそ、常に穴があるという想像をしているんです。未完成のものを追い求め、穴を探して、埋めて、探して、埋めて......その繰り返しですね。

工藤:
完成することのない「穴探し」ですか。常に趣味のように楽しく仕事に向き合っている湯浅さんならではの回答ですね。続いては資産運用に関する質問です。

Q3:投資信託は長期投資が基本と考えていますが、ある程度利益が出たら利益分を売ったり、値下がりしたら買い増す手法は専門家から見てどうでしょうか。(50代男性)

湯浅さん:
なるほど。こういった質問をされるかたはきっと、自分の中に軸や考えがあるかたですよね。こういう質問が"できる"かたは、最終的に自分の好きなようにされていいと思います。

おそらく、利益分を売ったり、値下がりしたら買ったり、そういうことを既にご自身で判断されて、売買していると思うんですよ。それを否定することはしません。"プロに任せてあとは寝て待つ"も正しいことの一つだということは既にわかっていらっしゃるでしょうから。「投資信託は長期投資が基本」と、冒頭で言っていただいていますし。

僕らが運用する「ひふみワールド+」はアクティブファンドなので、ファンドマネージャーが組入銘柄を入れ替えたり、調整をしています。例えば株価が高すぎると判断したときには利益確定や下落リスク回避のために一部を売却し、株価が割安と判断したときには買い入れをする、などですね。これはファンドマネージャーとしての「穴探し」の部分にもつながります。長期的にお客さまが安心して持てるファンド、信頼していただけるファンドとして運用をしていますし、それはこれからも変わりはありません。だからこそ、「解約は必要なときに、必要な分だけ」と、よくお伝えしています。

ただ、絶対的なひとつの真実と、それ以外はすべて間違い、ということはないと思うんです。答えを何かひとつに絞ったり、白黒をつけて決める必要はないので、ご自身が最善だという手法をとっていただければと思います。ですが、僕らがこういう考えを持ち、日々運用をしているということは、お心に留めていただければ嬉しいですね。

Q4:投資信託を購入するにあたり、何を勉強すればいいでしょうか(50代女性)

湯浅さん:
そうですね、何を知りたいか、にもよると思います。勉強されたいっていう姿勢がとても真摯ですよね。ひとつ提案させていただくなら、投資の本質を知っていただくのがいいのかな、と思います。よかったら、当社の代表である藤野英人の著書を読んでみていただいたり、レオス・キャピタルワークスやひふみのウェブサイトなどをご覧になっていただければ嬉しいです。

投資信託の用語とか、手法とか、いろんな本が出版されていると思いますが、肝心の投資の本質を語るものというのは意外と少ないんですよね。「投資とはそもそもどんなことか?」ということを知っていたら、ご自身の中でしっかりとした軸ができると思います。

投資って、とても広いんです。世の中のいろんなことがつながっている。勉強する、という意味では「世の中を知る」のも立派な勉強になりますし。なので、もしよかったら「投資の本質」ってどんなものか、向き合ってみていただけたらと思います。マネーゲームでもギャンブルでもない、投資の本質に触れてみてほしいですね。

湯浅光裕氏

工藤:
最後にいくつか、少し踏み込んだ質問もご紹介します。

Q5:海外投資信託の大手と比べると年数が浅いと思いますが、どれくらい先まで続けるつもりで運営してるのでしょうか。(40代・男性)

湯浅さん:
これは以前のインタビューでも言いましたが、「ひふみワールド+」は僕の人生だと思っているので、死ぬまでやり続けたいですね。よろしければぜひ、以前ソニー銀行さんとご一緒した企画もご覧ください。

工藤:
前回のインタビュー記事も藤野さんとの対談動画もぜひ多くの皆さんにみていただきたいと思っています。

Q6:ご自身は、「ひふみワールド+」にどの程度投資していますか。(50代・男性)

湯浅さん:
僕個人の資産は、現金や、家(土地)はもちろんありますが、大半はレオス・キャピタルワークスの株と、ひふみシリーズに入れています。

ファンドマネージャー個人が株式投資をしているのか?とたまに聞かれるのですが、この職種は株式投資の規制がとても厳しいので、僕個人として個別株は持ってないんです。もちろん、買えないということはないですよ。いろいろ規制や制限があって、それをクリアすれば保有することはできます。ですが、頭の中が混乱するんです。ファンドマネージャーとしての運用管理と、自分自身の資産管理が混ざってしまう。投資信託は自由度が高いから分散して買えますし、何より自分たちでつくった会社ですし、自分たちの想いがこもったファンドですから、僕は、大半はひふみとレオス(自分の会社)へ投資しています。


工藤:
全体的に非常にポジティブな意見が多いアンケート結果でした。最後に、これから投資信託を始めようというかたやひふみシリーズの購入を検討しているかたにメッセージをお願いします。

湯浅さん:
改めて、アンケートにご協力いただいたかた、そしてこのページを見てくださっているかた、ひふみを持ってくださっているかた、本当にありがとうございます。皆さんが私たちを信じて、ひふみを購入し、保有を続けてくださっているからこそ今があると思っています。そして、私たちの考えに共感し、一緒にひふみを広めてくださっているソニー銀行さんにも、お礼を言いたいですね。ありがとうございます。

どんな環境下でも私も、運用部も精一杯運用を頑張っておりますので、これからもどうぞご期待ください。今後機会がありましたら、皆さんとお話しができるととても嬉しいです。直接になるか、遠隔になるか、それはお客さまの安全が第一ですので、お客さまの望むかたちでやりたいですね。ぜひ今後とも、温かく見守っていただければと思います。

工藤:
貴重なお言葉、ありがとうございました。
我々もぜひお客さまの声を聞きながら、さまざまな企画に活かしていたいと思っています。今回、アンケートにご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

以上

ソニー銀行で口座開設

関連タグ

NISA投資信託積み立て資産運用

おすすめ記事

コラム

最新記事