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NZドル
政策金利の高さ |
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豪ドルと並ぶオセアニア通貨
オーストラリアの隣に位置するニュージーランドで流通する通貨がNZドルです。ニュージーランドは輸出・輸入ともに多く、貿易依存度が高い国であり、主な貿易相手国は中国とオーストラリアです。よって、NZドルは、「資源国通貨」でもありますが、他の資源国通貨のように原油や鉱物などの資源は産出しません。ニュージーランドの主な産業は酪農や畜産であり、全輸出の3割ほどを酪農製品が占めています。そのため、金価格や原油価格に影響を受けるのではなく、乳製品などの農産物価格の影響を受けやすいのが特徴です。
豪ドルと似た値動きをする傾向
豪ドルとNZドルはセットで紹介がされることが多いように、NZドルは豪ドルに似た動きをする傾向があります。そのため豪ドルと同様に、アメリカ経済や中国の経済にも注意を払う必要があります。また金融政策を決定する中央銀行として、オーストラリアのRBA(Reserve Bank of Australia)に対してニュージーランドではRBNZ(Reserve Bank of New Zealand)があります。両者の金融政策に違いが生じた場合は連動性が薄れる可能性が高まるので、要人発言にも注意を払いたいところです。
アナリストの注目指標
アナリストが注目する、経済指標やイベントについて紹介します。
RBNZ金融政策委員会 RBNZが金融政策を決定する場です。RBNZの金融政策委員会は総裁はじめ7人のメンバーで構成されており、インフレが中期的に目標圏内で推移すること、および雇用の最大化の実現を目標に金融政策を調整しています。実際に政策変更がなくとも、近い将来の変更の可能性が声明やRBNZ関係者から示唆されるだけでもNZドル相場に影響が出ます。 |
消費者物価指数 RBNZはインフレ率が中期的に目標である1~3%の間で推移するよう、政策を調整しています。そのうえで、四半期に1度発表される消費者物価指数は非常に重要です。これを受けて市場で金融政策変更の思惑が強まれば、NZドル相場も反応します。 |
雇用統計 RBNZがふたつ目の使命である「雇用の最大化」を実現するために注目している指標になります。雇用者数の増減、失業率の他、賃金の伸びなどもあわせてみる必要があります。 |
住宅価格指数 ニュージーランドはチャイナマネーなどによって、しばしば住宅バブルが発生します。政府による住宅購入規制などによって住宅価格上昇を抑制も見られますが、それでも上昇に歯止めがかからない場合、やはりRBNZが金融引き締めを行うのでは、との観測に繋がり、NZドルの上昇要因になることがあります。 |
RBNZ金融政策委員会
年7回
RBNZが金融政策を決定する場です。RBNZの金融政策委員会は総裁はじめ7人のメンバーで構成されており、インフレが中期的に目標圏内で推移すること、および雇用の最大化の実現を目標に金融政策を調整しています。実際に政策変更がなくとも、近い将来の変更の可能性が声明やRBNZ関係者から示唆されるだけでもNZドル相場に影響が出ます。
消費者物価指数
年4回(1月・4月・7月・10月)
RBNZはインフレ率が中期的に目標である1~3%の間で推移するよう、政策を調整しています。そのうえで、四半期に1度発表される消費者物価指数は非常に重要です。これを受けて市場で金融政策変更の思惑が強まれば、NZドル相場も反応します。
雇用統計
年4回(2月・5月・8月・11月)
RBNZがふたつ目の使命である「雇用の最大化」を実現するために注目している指標になります。雇用者数の増減、失業率の他、賃金の伸びなどもあわせてみる必要があります。
住宅価格指数
毎月初旬
ニュージーランドはチャイナマネーなどによって、しばしば住宅バブルが発生します。政府による住宅購入規制などによって住宅価格上昇を抑制も見られますが、それでも上昇に歯止めがかからない場合、やはりRBNZが金融引き締めを行うのでは、との観測に繋がり、NZドルの上昇要因になることがあります。
アナリストの紹介
石川 久美子
(いしかわ くみこ)
ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部 シニアアナリスト
2009年4月に外為どっとコムに入社。同年6月から同社研究員として、外国為替相場について調査・分析を行う。2016年11月より現職。外国為替市場に関するレポート執筆の他、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」など多数のテレビ番組に出演し、金融市場の解説を行う。資源国・新興国通貨に強い。
過去10年の値動き
2015年 | 82.10円 |
2017年 | 79.94円 |
2019年 | 73.15円 |
2021年 | 78.65円 |
2023年 | 89.12円 |
出所:Bloombergのデータよりソニー銀行が作成(表内の為替レートは記載年における12月末の終値を記載)
通貨の豆知識
ニュージーランドに生息する国鳥にちなみ、キーウィの略称で呼ばれることも多いNZドル。実際に1NZドル硬貨の裏面には、この飛べない鳥の姿が描かれています。
なおニュージーランドには「キーウィ銀行」という名の銀行も。郵便事業を行うニュージーランド・ポスト社の店舗で営業していることから、日本のゆうちょ銀行のような存在と言えそうです。
掲載データ・情報は万全を期していますが、その正確性・安全性などを保証するものではありません。また、掲載データ・情報などは、作成時点のものです。
記事冒頭の星は、以下の基準をもとに当社独自の判断にて階級を設定しています。
- 政策金利の高さ 執筆時点の政策金利をもとに、1.00%未満を星ひとつ、1.00%以上3.00%未満を星ふたつ、3.00%以上5.00%未満を星3つ、5.00%以上7.00%未満を星4つ、7.00%以上を星5つとしています。
- 為替レートの変動しやすさ 2023年12月末の2週間インプライド・ボラティリティ(出所:Bloomberg)の過去60日平均をもとに、6%未満を星ひとつ、6%以上9%未満を星ふたつ、9%以上12%未満を星3つ、12%以上15%未満を星4つ、15%以上を星5つとしています。
- 情報の入手しやすさ 2023年7月から12月における当社配信のマーケットレポートならびに一般的な情報より階級付けをしています。