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米ドル
政策金利の高さ |
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世界の基軸通貨
世界一の経済大国といわれるアメリカ合衆国が発行している通貨が米ドルです。米ドルは世界で最も流通している通貨であり、パナマ・エクアドルなどさまざまな国が米ドルを通貨として採用しています。基軸通貨とは、国際的な貿易や資本取り引きなどに多く使われる各国政府や中央銀行が対外支払準備として多く保有している通貨のことで、基軸通貨である米ドル相場の動きは、他通貨の相場に大きな影響を与えるため、米ドル相場に影響を与える経済指標やイベントをおさえておけば、相場予測がしやすくなり、リスクコントロールに繋がります。
通常、市場にネガティブなニュースが流れると避難先として安全資産が買われやすくなります。「有事のドル買い」と呼ばれ、米ドルも買われやすい通貨のひとつです。
市場情報が手に入りやすいので、はじめての外貨にもピッタリ
普段から為替レートを見る習慣が無いかたでも、朝のニュースで米ドルの価格を記載したテロップを見たことがあるのではないでしょうか。アメリカと日本は経済的に結びつきが強いことから、日頃から為替の情報が多く流れてきます。要人の発言や経済指標の結果など特に意識しなくても情報が飛び込んでくる米ドルですが、金融機関などが発行する為替市場レポートにもかなりの頻度で取り上げられています。市場取り引きではファンダメンタルズ分析が重要といわれますが、市場情報が簡単に手に入る「米ドル円」の通貨ペアは初心者でも取り引きがしやすいといわれています。
アナリストの注目指標
アナリストが注目する、経済指標やイベントについて紹介します。
米連邦公開市場委員会(FOMC) アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策決定の場です。世界最大の経済大国である米国の金融政策は、金融市場全体に影響を及ぼします。政策金利の上げ・下げのほか、資産購入など非伝統的措置の運営、声明文の内容、FRB議長の記者会見、年4回発表されるFOMCメンバーによる経済・政策金利見通しも取り引きの手掛かり材料となります。 |
雇用統計 FRBの掲げるふたつの責務のうち、ひとつは「雇用の最大化」です。米雇用統計によって米労働市場の強さを測り、金融政策を運営することになります。米雇用統計は労働統計局によってまとめられており、全米の14万を越える企業・政府系機関からの情報をもとに、雇用、労働時間、賃金に関するデータが集計されています。主に市場では、「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」の3つが重要視されています。 |
コア個人消費支出(PCE)デフレーター FRBの掲げるふたつの責務のうち、もうひとつが「物価の安定」です。FRBは現在、インフレ率(コアPCEデフレーターの前年比)を長期的に平均2%とする目標を立てており、重要な指標となります。ただし、毎月この指標よりも先に、同じく物価関連指標の消費者物価指数(CPI)が発表されるため、外国為替相場としてはCPIにより反応する傾向があります。 |
ISM景況感指数 米供給管理協会(ISM)が作成する購買担当者景気指数(PMI)で、製造業やサービス業における生産・新規受注・在庫や雇用など、さまざまな項目が前月に比べて良好かどうかなどを調査した指標です。50より上の水準であれば景気は拡大方向、50を下回れば縮小方向であることを示します。米民間企業の景況感を知る重要な指標であり、しばしば金融政策の先行きを占う手掛かりのひとつとして注目されます。 |
米連邦公開市場委員会(FOMC)
年8回
アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策決定の場です。世界最大の経済大国である米国の金融政策は、金融市場全体に影響を及ぼします。政策金利の上げ・下げのほか、資産購入など非伝統的措置の運営、声明文の内容、FRB議長の記者会見、年4回発表されるFOMCメンバーによる経済・政策金利見通しも取り引きの手掛かり材料となります。
雇用統計
毎月第一金曜日
FRBの掲げるふたつの責務のうち、ひとつは「雇用の最大化」です。米雇用統計によって米労働市場の強さを測り、金融政策を運営することになります。米雇用統計は労働統計局によってまとめられており、全米の14万を越える企業・政府系機関からの情報をもとに、雇用、労働時間、賃金に関するデータが集計されています。主に市場では、「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」の3つが重要視されています。
コア個人消費支出(PCE)デフレーター
毎月末
FRBの掲げるふたつの責務のうち、もうひとつが「物価の安定」です。FRBは現在、インフレ率(コアPCEデフレーターの前年比)を長期的に平均2%とする目標を立てており、重要な指標となります。ただし、毎月この指標よりも先に、同じく物価関連指標の消費者物価指数(CPI)が発表されるため、外国為替相場としてはCPIにより反応する傾向があります。
ISM景況感指数
毎月初旬
米供給管理協会(ISM)が作成する購買担当者景気指数(PMI)で、製造業やサービス業における生産・新規受注・在庫や雇用など、さまざまな項目が前月に比べて良好かどうかなどを調査した指標です。50より上の水準であれば景気は拡大方向、50を下回れば縮小方向であることを示します。米民間企業の景況感を知る重要な指標であり、しばしば金融政策の先行きを占う手掛かりのひとつとして注目されます。
アナリストの紹介
石川 久美子
(いしかわ くみこ)
ソニーフィナンシャルグループ
金融市場調査部 シニアアナリスト
2009年4月に外為どっとコムに入社。同年6月から同社研究員として、外国為替相場について調査・分析を行う。2016年11月より現職。外国為替市場に関するレポート執筆の他、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」など多数のテレビ番組に出演し、金融市場の解説を行う。資源国・新興国通貨に強い。
過去10年の値動き
2015年 | 120.22円 |
2017年 | 112.69円 |
2019年 | 108.61円 |
2021年 | 115.08円 |
2023年 | 141.04円 |
出所:Bloombergのデータよりソニー銀行が作成(表内の為替レートは記載年における12月末の終値を記載)
通貨の豆知識
現在の20米ドル札の肖像はアンドリュー・ジャクソン第7代大統領のものですが、これを奴隷解放運動家として活躍した女性、ハリエット・タブマン氏に変える計画が2016年のオバマ政権下で浮上。
当初予定されていた2020年からの変更こそならなかったものの、バイデン政権はタブマン氏の肖像を新紙幣に使用する方針を明言。
掲載データ・情報は万全を期していますが、その正確性・安全性などを保証するものではありません。また、掲載データ・情報などは、作成時点のものです。
記事冒頭の星は、以下の基準をもとに当社独自の判断にて階級を設定しています。
- 政策金利の高さ 執筆時点の政策金利をもとに、1.00%未満を星ひとつ、1.00%以上3.00%未満を星ふたつ、3.00%以上5.00%未満を星3つ、5.00%以上7.00%未満を星4つ、7.00%以上を星5つとしています。
- 為替レートの変動しやすさ 2023年12月末の2週間インプライド・ボラティリティ(出所:Bloomberg)の過去60日平均をもとに、6%未満を星ひとつ、6%以上9%未満を星ふたつ、9%以上12%未満を星3つ、12%以上15%未満を星4つ、15%以上を星5つとしています。
- 情報の入手しやすさ 2023年7月から12月における当社配信のマーケットレポートならびに一般的な情報より階級付けをしています。